春画の手足は美しい・其の二 -かかとを持つ手、持たれる足-
現代ではみんな靴を履く。しかし昔は違う。江戸以前は男も女もだいたい裸足に草鞋、草履、下駄などを履いていた。つまり、足を見せる。だから、足を魅せる。和服から露出する部位は顔と手と足。この三種の神器を駆使し、己をアピールする。
足の持ち方一つ取っても、その所作には美意識が表れる。勿論、持たれる足にも。
上図:喜多川歌麿(1753頃~1806)「絵本小町引」より|さすが歌麿。とにかく絵の完成度が高い。かかとを持つ手の優しいこと。絵全体から指一本まで細部にまでこだわるその神経質っ