日本の今の財政ってどうなってたっけ?~財政を健全化させる本質的な課題とは?~
こんにちは、お金が入るでかねいりです。
7月の日経記事ではありますが、「2023年度税収72.1兆円、4年連続で最高 企業の好業績反映」というものがありました。
そこで今日は、日本の今の財政がどうなっているかを調べて考えたことをお伝えできればと思います。
■日本の国家予算はどうなっているのか?
日本の国家予算は、一般会計と呼ばれるものからなり、国会の承認を得て成立されます。
2024年度の予算総額は、どのくらいなのかというと、112兆717億円。
一般会計は、歳入(入ってくるお金)と歳出(出ていくお金)に分かれます。
では、歳入はどうなっているのでしょうか?
国の収入は、企業や国民からの税金ですね。
代表的なものが、こちらになります。
1位:消費税(予算の21.2%)
2位:所得税(予算の15.9%)
3位:法人税(予算の15.1%)
その他の税金の代表的なものは、
相続税、酒税、たばこ税、自動車税などがあります。
これらを併せると、予算の約60%。予算全体を満たすにいたりません。
では、残りは何でまかなっているかというと、国債。いわゆる借金です。
国債にかかわる収入は、予算全体の24%を占め、借金をしながら予算を成り立たせていることがわかります。
では、歳出は、どのような割合になっているのでしょうか?
歳出の中で一番大きな割合を占めるのが、社会保障費。医療費や介護、年金などにかかわる私たちの健康や生活を守るための費用で、33.5%を占めます。
その次に大きいものが、地方交付税交付金という地方の財政を調整するための費用があり、それが15.8%。
そのほかには、防衛関係費(国を守るため)、公共事業費(道路などの整備のため)、文教及び科学振興費(教育や科学技術の発展のため)となります。
これを合計すると、74%になります。
では、残りはというと、国債費というものになります。これは、国の借金を返したり、その利子を払ったりするための費用です。
ここまでのことから、日本という国の予算を成り立たせるために、国債(国の借金)が大きな割合を占めていることがわかります。
■国の借金はどのくらい?
では、日本という国の借金はどのくらいあるのでしょうか?
2024年6月末時点で、1311兆421億円。過去最大を更新しました。
国の借金は増加の傾向をたどっています。
この額は、大きいのか小さいのか?
そこを判断するために使われるのが、GDP(国内総生産)です。GDPに対して、どのくらいの借金があるのかが、その大きさを表す基準となっています。
ちなみに日本は、GDPに対して約250%となっており、主要先進国の中でダントツで1位。
20年以上前から100%を超えていて、上昇を続け、下がることがほぼありません。
■日本の財政は黒字化できるのか?
日本の歳出の多くを占めるのが、社会保障費。
この推移を調べてみました。
高齢者の増加に伴い、年金・医療にかかわる費用が大幅に増加していることがわかります。
このまま借金が増え続けることは、国にとって良いことではありません。借金をせずに(国債を発行せずに)、税金などの収入だけで歳出をまかなうことができることが健全な状態と言えます。
その指標をプライマリーバランスと言い、社会保障や公共事業をはじめ様々な行政サービスを提供するための費用を、税収等で賄えているか どうかを示します。プラスだとまかなえている、マイナスだとまかなえていないということになります。
では、日本財政におけるプライマリーバランスはどうなっているのでしょうか?
2024年の一般会計で見ると、国の借金にかかわるものを差し引くと、
歳入:77兆1,227億円
歳出:85兆5,627億円
となり、8兆4400億円の赤字で、プライマリーバランスはマイナスになっています。
これまでの推移はどうなっているのでしょうか?
この20年間、ずっと赤字の状態です。
政府は、2025年度までに黒字化(プラス)を目指すことを宣言しています。
黒字化のポイントは、「税収の増加」と「社会保障費の削減」と言えます。
税収の増加の観点では、企業業績の伸びや日本国内の消費が活性化することが欠かせません。
社会保障費の削減の観点では、少子高齢化へ対応するための年金・医療・介護制度の改革を関連団体と協議をうまく進められるかにかかっていると言えます。
■日本の財政を健全化させる本質的な課題とは?
今回お伝えしている内容は、すべて予算の話。
実際にどのくらいの税収があったのか、何にその税金を使ったのかという決算の数字ではありません。
本当はそこからの数字をもとに分析をしたいと思い、調べていたのですが、その数字を見つけることがなかなかできませんでした。
特に歳出の情報がないことに驚きました。歳入のメインは、企業や国民からの税収です。どの税収がどこにどのくらい使われたのかというのをわかりやすく発信しない日本政府に対して不信感を抱かざるを得ません。
また、プライマリーバランスはあくまで、国債(国の借金)にかかわる費用を抜かしたうえでの黒字化のことです。歳出の大きな割合を占める国債の返済や利子の支払いを行ったうえでの黒字化のことには、まったく触れていません。
言い換えると、そこまでやる気があるのかという状態です。
国民へ、税金の徴収に対して1円単位で間違いないか厳しい審査(確定申告など)があるにもかかわらず、政治家の政治資金パーティー券による収入は、5万円を超えるもの以外は購入者を公開しなくていいという扱いに違和感を感じざるを得ません。
国民の血税を扱っているという感覚を持つ政治家が少しでも増えることが、本質的な解決法ではないかと感じた次第です。