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「怒らない少年野球チームに入部殺到!」から考えたこと
お金が入るでかねいりです。
先日、元プロ野球選手の斎藤佑樹さんが「怒らない少年野球チーム」を取材しているニュースを見ました。その少年チームには入部希望者が殺到しているということでした。
そこで今日は、「怒らない野球チーム」ってそれで良いのかについて考えたことをお伝えできればと思います。
■怒らない少年野球チーム
では、「怒らない野球チーム」とはどんな特徴があるのでしょうか?
まずはこちらです。
・高圧的な指導はしない
・理不尽に起こらない
例えば、三振をしても思いっきりいった結果だからOKと声をかける。
エラーをしても、どう動いたほうがよかったかをアドバイスする。
その理由は、野球が楽しいと思ってもらいたいということでした。
次の特徴は、長時間練習をしないこと。
野球は、投球・守備・打撃・走塁があり、かつ守備もポジションによって動きがかなり変わります。そのため、練習時間が長くなる傾向があります。しかし、このチームは、週4時間、休みも自由に取れるという特徴があります。
その理由は、自分のペースで野球を楽しんでもらいたいということから。
最後の特徴は、ノーサイン。
通常、攻める際に、野球は監督からのサインをもとにして攻撃を組み立てます。しかし、このチームは子供たちが自分の判断でプレーをするということでした。
その理由は、子供たちに質問をして、次を考えさせるためということでした。
いずれにしても、子どもたちに楽しんでもらうということが理由となっていました。
■気になったこと ~自由に休みが取れる~
実は私の子どもも地元の少年野球クラブに入っていて、少年野球クラブの子どもたちの様子を知ることができます。
そこで、このニュースを見て気になったことがありました。
楽しんでもらうために、休みが自由に取れるという点です。
いくら好きな野球でも子どもなので、他のことをして遊びたい、めんどうだからいきたくないという時も当然あると思います。そうした際に、休んでしまって良いのかということです。
何が言いたいかというと、自分都合で考えることを育んでしまっていないかということです。
地元の少年野球クラブでも、子どもたちはそれぞれが好きな練習、嫌いな練習があったりします。嫌いな練習は、自分が苦手であったり、少し体力的にきつい練習だったり、単調な基礎練習だったりすることが多いです。
例えばですが、楽しんでもらうために休みが取れるとした際に、その嫌いな練習になったときに、極端ですが、楽しくないから、自分はやらない・いかないでいいのかということです。
その練習をするからこそ、うまくなり、それを乗り越えるからこそ、楽しみも増える。でも、そこを乗り越えられないと楽しみは得られない。そこを止めてしまっているように思います。
■「楽しい」をどう定義するか
このニュースを見て考えたことは、「『楽しい』をどう定義するか?」ということがポイントではないかということ。
「何を楽しんでもらうか?」、言い換えれば「どうなれば楽しいのか?」ということを定義しておかないと、おかしな方向に行ってしまう可能性があるということ。
先述のように、「野球をやること自体」が楽しいだと、うまくできれば楽しいし、うまくいかなければ楽しくないとなるし、ひいては、楽しい練習と楽しくない練習を生んでしまいます。
一方で、「野球がうまくなること」が楽しいであれば、楽しくない練習だったとしても、その練習に向き合うことができるようになる。
さらに言えば、「自分で考えること」が楽しいとなれば、自分のプレーを振り返り、その上で課題を出し、そのために負荷をかけた練習をするようになる。
「楽しむ」をどう定義するか?
「楽しむ」が「楽をする」になってしまっていないか?
■楽しむために自分を律する
元大リーガーのイチローさんは、楽しさや考えることについて、高校球児を指導した際にこのように言っています
「導いてくれる人がいないと楽なほうにいくでしょ。自分に甘えが出て。結局、苦労するのは自分。厳しくできる人間と自分に甘い人間。どんどん差が出てくる。できるだけ自分を律して厳しくする。」
「考えて壁を乗り越えていくのと、苦しんで考えて壁を乗り越えていくのでは全然意味が違う。考えて苦しんだ上で結果を出していくことでしか前に進めない。」
楽しむことを否定する人は少ないと思います。一方で、楽しむことをはき違えてしまうと、間違った方向に行きかねません。それだけ「楽しむ」ということは奥が深いことで、しっかりと考え定義していくことが重要ではないでしょうか。