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「白銀の墟 玄の月(一)」(十二国記)を読みました
年末まで色々立て込んでいたり、寝不足の頭では絶対に読みたくない…!などあり遅々としていましたがようやくここまで追いつきました!!
十二国記の新刊が出たぞ!!ってあらゆるジャンルの方が大喜びしてたのが記憶に新しいもので。当時18年ぶりの新刊だったんですね。
どこの国の話なのかなと思って表紙見たら圧倒的に戴…
えっ李斎と高里君が!?飛び立ってから!?18年待ったんですか!?
乍驍宗が不在になった戴の三倍!?
阿選って本当にワルい奴だったの〜〜!?!?!と思ったのも束の間、なんか事情がありそうな感じになってきました。
やっぱり「驍宗を選んだあなたが悪い」という一言が気になる。驍宗に何か期待していたことを裏切られてなければそんなこと言わないから。
しかし一巻では阿選のことがますますわからなくなるばかりでした…慕ってる部下も居るのに姿が無い…?指示系統が靄がかっている…?阿選はちゃんと白圭宮に居るんですよね?病んでるってこと?
そしてそもそも州侯司とかの病んでるって何?戴では麒麟以外も失道みたいになるってことですか?
乍驍宗が連れ去られた時に赤黒い鎧着てニヤニヤ笑ってたやつ、そんなの居たかな〜って李斎は言ってましたが、私唯一戴に関する登場人物で思い当たる節があるんですけど!?!?
あの〜〜すごい最初にさあ!!こう…あのアレ…ねえ!?あの方ホラいたじゃないですか!?幼い高里君にめっちゃ無粋な振る舞いした武人!!あの方じゃないですか!?
…本確認してきました、そう醐孫!!醐孫じゃないのか!?
とかいう冗談はさておき、醐孫もこの偽朝のどこかには居るんでしょうかね。元気かな、相変わらず野蛮な振る舞いをしてるんでしょうか。
ていうか実際は乍驍宗が王になった時の冬狩で排除されてそう。
いや?そう思えば?驍宗に恨みがあってもおかしくないか??
って、思い出せたのが嬉しかったのでしつこく醐孫を登場させようとしてしまった。(※今回本文に一回も醐孫という言葉は出ていません。)
李斎と高里君が戴に戻り、かつて阿選登極に意を唱えたことで侵攻を受けた瑞雲観の人々や、各地を放浪していた元禁軍の軍人項梁と合流。
文州にて土匪の反乱が勃発し乍驍宗が不在になった当時、一体何が起きたのか?を探っていくわけですが…。
結局何が起きたんですか!?!?って感じでした、一巻では。
ただ断片的に明らかになった情報はいくつかあって、これがのちに綺麗に回収されるのかなと思うとわくわくしますね。
回想の中で英章が出てきて嬉しかった。皮肉屋キャラが結構好きなので。
名前がびっっっしり書かれた地図を持った英章に後で出てきてほしい。
そうそう途中で何度か湿った山の穴的なところで世話されてる別視点の人の話が挟まれるんですが、
どうもこの方は6年前に満身創痍でやってきて、謎の少年に世話をされている軍人みたいなんですよね…。
主上驍宗病床上!?(サインコサインタンジェントと同じリズム)と思ったんですが、乍驍宗って軍歌とか歌うんでしょうか。すごい無言そう。というか仙というか神だし風邪とか引くの…?そして捕えられてるなら少年に世話はさせんだろうし…って感じで部下の誰かなのかな。
そもそもこれは今の視点の話なのか?
あとこの人めがけてなのか函養山で新月の夜、月一回川に何かを流してる父親のエピソードが出るんですが…この方も驍宗の部下の誰かだったりするのか…?
まあ多分山奥で歌ってる人含め驍宗サイドの誰かしらなんだろか?この方が厳趙と話してた女の子に青鳥を飛ばしてるのかな?
もしくは乍驍宗を助けてくれてるのは黄朱の人々だったりするのか?一番国の目が届きにくそうですし、かつて乍驍宗自身も自分で騶虞獲りに行く豪傑ぶりを見せてましたし…手配された狡もその采配だったりして?まあそれなら神農の酆都に噂が届いてそうなもんか…。
しかし禁軍から抜けて3年弟子入りしてたとかいってたし…仲間意識強そうだから誰か助けてくれてもおかしくないかもな…。
とりあえず同じ歌歌う人が3人くらい居るので最終的に大合唱しながら現れるのかもしれませんね乍驍宗も…。乍驍宗って音階に合わせて声を発したりするんですか…?
ここまで描写されてきた乍驍宗の千里眼ムーブを思うと何もかも想定してどこかで何かをやっていそうな怖さがある。
それにしても高里君の人々に対する悲しいほどの落ち着きっぷりが抜け落ちた歳月を感じさせてなんともいえない。
自身の角を失くしたことを素直に伝えるも、淵澄が存在そのものが希望だと返してくれるところ、切実で良かった。
行動を共にすることになった去思がようやく道士として役割を果たす日が来たってなってるところも、阿選をもちろん倒すという気持ちを持ってるところもすごく良かったですね…。
そして高里君はとにかく行動したくて仕方ないんですね。何も出来ないことは決して何かをやらない理由にはならないんだな。
行動を共にしていた李斎や去思と別れ、項梁と共に正面を切って戴国首都の鴻基、白圭宮に向かい阿選が新王と主張して乗り込む大胆さ。乍驍宗の国の台輔として申し分なさすぎる動きで勝手に胸熱です。ホラ国民性が麒麟にも反映されるみたいなやつあったと思うので…。彼なりの慈悲ゆえの行動はこうなんだな…。
一方の高里君と別れた後の李斎の心情描写がめちゃくちゃ良かった〜…
歩を進めるうちに感じる戴の逼迫した状況や、接する人々を通して疲れてきていること、高里君が自分に何も言わなかった理由やそれに対する気持ちなど含め…
そういうなんとも言えない、割り切れない気持ちを冷静に俯瞰出来てしまう怜悧な将軍らしいところが好きだな…。
それでも…そもそも李斎がほぼ希望的観測で中嶋さんの居る慶国まで助けを求めに行くがむしゃらさを持ってたからここまで来れたんですよ…っていう気持ちと
驍宗の足取りに関する確かな情報を得てくれてるのは今のところいつも李斎ですよ!!!というのでね、この辺読んでてはあ〜となりました。利き腕を失っても絶望せずに頑張り続けている李斎なんて強い人なんだ…。
ねえ泰王見てますか!?!?!?!
あなたが再生を約束するものであるように願って名付けた蒿里君めちゃめちゃ立派にご成長あそばされてますよ!!!!李斎もめちゃくちゃ頑張ってますよ!!!!