梨食べたい人の自戦記解説3局目その1
初めましての方は初めまして。
そうでない方はいつもありがとうございます。
『梨食べたい』です。
今回から81道場六段との激闘を複数回に分けて投稿します。
テーマを決めるとするなら『戦型選択の考え方』でしょうか。
ぶっちゃけると地味です。
急戦か持久戦か
初手からの指し手
☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖4四歩☗4八銀☖3二銀
☗5八金右☖4三銀☗5六歩☖8四歩☗7八銀☖3二金
☗2五歩☖3三角☗6六歩☖5二金☗7九角☖6二銀
(第1図)
後手側が私です。相手の出方を見て戦型を決めようと考えていました。4手目に角道を止めたことで考えられる戦型は振り飛車・雁木・右玉・その他くらいでしょう。相手が急戦を仕掛けるかどうか。それがこの場合の戦型選択の判断基準でした。本譜は早々に☗5六歩と突いたので、持久戦策の可能性が高いと考えました。急戦するならなかなか突かない歩ですし、突くとしても優先順位は低いからです。
ちなみに振り飛車にするのもあります。私の場合どちらも指しますが、複数の選択肢がある時は気分で決めています。
仮に急戦だった場合は雁木の骨格だけ作って備えるか、飛車を振って囲うかの二択です。これが正解というよりは、私ならこうするといった感じです。この戦型に限らないことですが、常に選択肢を用意できている変化に進むように指すようにした方が良いです。そして色々な戦法を指せるようになると、選択肢が広がります。
右玉に組んだ後手
第1図以下の指し手
☗7七銀☖6四歩☗7八金☖7四歩☗6九玉☖6三銀
☗6七金右☖7三桂☗3六歩☖8一飛☗3五歩☖同歩
☗同角☖6二玉☗3七銀☖4二角☗3六銀☖5四歩
(第2図)
第1図からは駒組が続きます。先手は矢倉に組んで、後手は雁木か右玉を目指しています。雁木ならば先攻するか反撃可能な陣形に組みます。右玉ならば相手の攻めをのらりくらり躱しつつ反撃の機会を待ちます。
結局は右玉を選択しました。先手の銀を繰り出す攻めが早いように見えたからです。実際のところは雁木でも充分に戦えます。それでも早いうちに開戦するのは疲れるので、ゆったりとした流れを目指して右玉にしました。
細かい工夫
第2図以下の指し手
☗4六歩☖7二玉☗7九玉☖1四歩☗9六歩☖9四歩
☗1六歩☖3三金☗2六角☖3四金☗3五歩☖3三金
☗8八玉☖5三角☗3七桂☖6二角☗4八飛☖3二金
(第3図)
先手は第2図から☗4六歩と突くことで桂馬の活用を見込んだ陣形に組もうとしました。後手は1筋の歩を突いてから金を繰り出しました。狙いは☗3五歩と打たせることにあります。打たせることで角道が止まって攻めの威力を軽減できると考えました。
ちなみに金を繰り出すにあたって、端歩を突かないままやると突き捨てから☗2二歩という手があります。この時に桂馬を逃げられるようにするのが☖1四歩の意味です。
その1はここまでです。次回その2開戦へと続きます。