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なぜワインは敬遠されるのか?日本一ワインが”苦手”なソムリエが追及…🍷

みなさん、ワインが好きで日常的に購入して飲んでいますか🍷

 私の経験上、この問いに YES!! と回答してもらえるのは、どんなに多くても2割程度かな…と思います。
 多くの人がレストランやちょっとイケてる居酒屋でワインを注文することはあっても、専門店やスーパーなどで実際にボトルを手に取るケースは少ないですよね。場合によっては、全く飲まないという人も多数いらっしゃると思います。

◾️ワインはビールよりも歴史が古いのに
◾️おしゃれの代表格なのに
◾️全ての飲料の中で最も多種多様なのに

…どうしてみなさんワインを敬遠してしまうのでしょう?

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私は、仕事でワインに深く関わっており、ソムリエ資格も保有しています。また、WSET Level3という国際的なワインの資格も保有しており、それなりのワイン知識と経験を持ています。
ただ、他のワイン業界の方々と違う点があります。

それは 日本一ワインが ”苦手”な ソムリエ (自称ですが) ということです。

もともと、ワインが大嫌い。今でも根っからのビール党🍺。
飲み会などでワインを飲むことはほぼありません。
どうしてワインが苦手なのにソムリエ資格を取得するまでに至ったのかは、また別の機会に投稿するとして・・・。

ワインの良い点、悪い点を誰よりも体感している私が、この「なぜワインが敬遠されるのか?」について考察してみたいと思います!


★最初の問いを分解してみる

まず、最初の問いかけに戻って考えてみます。

みなさん、ワインが好きで日常的に購入して飲んでいますか🍷

この問いを分解してみると、
① ワインが好きかどうか? ② 日常的に購入しているかどうか?
…の2つに分けられます。

ここで今回一番重きを置いて考えたいことは、
①ワインが好きでなければ、②日常的に購入するわけがないということです。当たり前のことですが、好きでもないモノに対してお金を出して買うことはしないと思います。中には嫌いなモノをあえて購入してチャレンジする果敢な人(変な人?)もいるかもしれないですが…。

では、どうやって①のワインが好きか嫌いか?…をみなさんが判断するようになったのでしょうか?
①の理由を深堀して考えることが、今回のお題目の解明に繋がります。

★ワイン🍷の好き嫌いはどこから生みだされる?

 先ほど、ワインの好き嫌いがどこから生み出されてるかを深堀することがミソになりそうだ…とお伝えしました。ここで一つ、軽くブレイクタイムがてら私の経験を載せておきます。(本題に進みたい人はサクッと読み飛ばしてください!)

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 私がワインと出会ったのは大学生の頃です。学科仲間と一緒にいつものお馴染みの店で飲み会を開催。女の子の前でカッコつけたかった私は、飲んだこともない赤ワインを背伸びして注文してみました。
「きっとブドウ感があって甘くて美味しいんだろな!!」とワクワクしながら初めての一杯目をゴクリッ🍷

「・・・」

「・・・」

「マズイ…ニガイ…クサイ…ナニコレ…」

ひと口で最悪な気分。特に納豆みたいな臭いがしたのが衝撃。
こんな美味しくないモノがもてはやされるとは、ワイン好きと豪語してる世の中の人はおしゃれ感を出したいだけで、全員無理してるだろ…と本気で思いました。

これが、私がワイン嫌いになってしまった経験です。
ソムリエを取得した今振り返ると、おそらくワインの保管状態と回転率が悪く、極端に劣化したワインに偶然当たってしまったのだと思います。
一方で、実際にブドウ感があって甘くて美味しワインも世の中にはたくさん存在します。
運が悪かったとしか言えないですが、普通の人は二度とワインを飲みたいとは思わないだろうな…。

もし似たような経験をお持ちの方いらっしゃいましたらコメント頂きたいです!

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さて、本題に戻って考えていきたいと思います。

理由1:そもそも飲んだことがない

 こちらは非常に単純ですね。おそらく、ワインを一度も飲んだことないという人も一定数いると思います。経験がなかったり、知らないことは好き嫌いの判断は難しいはずです。

 しかし、これだけ物や情報に溢れている現代でワインを飲んだことがなかったり、試したことがない…というのはどういう人たちなのでしょうか。

 おそらく…
 ①そもそもお酒を飲まない、飲めない人
 ②ワインを飲む…という行為に抵抗感がある人

①に関しては、ワインに限らず体質的な問題や、価値観などの影響が大きいと思うので仕方ありません。

一方、②に関しては理解できる部分はありませんか?
例えば、テレビやSNSなどでおしゃれな芸能人や、きらきらしたインフルエンサー達が、ワインを嗜む様子を目にする機会は多いと思います。
ワイン=高貴で煌びやかなモノ…という印象を強く感じるようになり、ワインを飲むことに対してハードルができてしまった。

こんな理由で、ワインが嫌いな人も一定数いらっしゃいますよね。

理由2:人生最初の1杯目のワインの影響

こちらは、上記にもありますが私自身が経験したことでもあります。

みなさんは、人生で初めて飲んだワインのことを覚えているでしょうか?

ワインが好きだと思う人は、意外と人生最初の1杯目のことをあまり覚えていません。理由として、のちに色々なワインを美味しく飲むことで記憶がアップデートされていき、1杯1杯の印象は薄れていく傾向があるためです。

一方で、ワインが嫌いだと思う人は、この人生最初の1杯目のことを高確率で悪い印象として覚えています。

◾️自分がイメージしていた香りや味わいと全然違う
◾️出した金額の割に美味しくない。好みじゃない。

さらに、面白いことに悪い印象を持っている人の多くは、最初の1杯目にドライの赤ワインを飲んでいる傾向があります。

ソムリエ視点だと、ドライの赤ワインは美味しいものを選ぶのが非常に難しいです。
価格が高いほど、ブドウの持つ果実味だけではなく、果皮から出る渋みや、熟成に伴う複雑味によって、陰湿なニュアンスも強くなりがちです。ワイン界隈では、この陰湿なニュアンスを、キノコ/肉/林床/なめし革/土/湿った羊毛…などと表現します。(変な表現、面白いですよね🍷)
逆に、価格が安すぎるものは、ブドウが成熟しきっていないため、ピーマン/草/トマトの葉…など、青臭い香りが強くなりがちです。
どう考えても、上記の表現が当てはまるような飲み物が美味しそうではないですよね・・・。

つまり、理由①で記載の内容とあわせて考えてみると、
高貴で煌びやかなイメージを持ちながら飲んだ初めてのワインが、陰湿だったり、青臭かったり…まさかの真逆の風味で実際に返ってくることが高確率でありえるわけです。これは期待していたみなさんからしたらとんだ肩透かしですよね。

理由3:ワインの持つギャンブル性

次にワインの特性の視点から考えてみます。
ワインを飲んだことがない人でも、大型スーパーやカルディなどでワイン売場の前を歩いたことはあると思います。

ワイン売場にどんな印象をお持ちでしょうか?

ほとんどの人は、ブドウの品種やら、国やら何が違うのかさっぱり分からず、多種多様なボトルがズラーっと並んでいる様子に圧倒されてしまったという経験をお持ちではないでしょうか。

もう一つご質問です。

ワインを購入する時に何を基準に選んでいますか?

ほとんどの人は、価格面を除外すると、お店のPOPとボトルのラベル…この2点だけで判別して購入しているはずです。場合によっては、そのワインについてレビューなんかも、スマホで検索して判断しているかもしれません。

ワインは世界で最も種類が多い飲料のひとつです。その多様性を楽しむのがワインの特徴ではあるものの、この中から美味しくて自分好みのワインを見つけ出すことはほぼギャンブルだ…と言っても過言ではないと思います。

更に、人による嗜好性の違いがこのギャンブル性を高めてしまいます。POPやレビューに書かれている風味のコメントは、記載した人の嗜好性や感性に依存しています。ある人が柑橘系の香りと表現しても、ある人はリンゴの香り感じる…なんてことも本当に良くあります。
つまり、自分が思い描く好きな風味イメージと、他人が表現する風味イメージを合致させようとしても、GAPが発生することがあります。

これによって、理由②で述べたような「ハズレ」の状態になる確率が上がり、イメージとの乖離に落胆。ワイン嫌いに繋がってしまうことが大いにあり得るのではないかと思います。

★結論

長々とワインが敬遠される理由について述べてきましたが、理由①~③を掛け合わせると、以下のような結論が導き出せそうです。

🔳自分の想像していたワインイメージに対して、実際に飲んだ時の負のイメージGAPが少ないこと
🔳多種多様なワインの中から、自分好みの風味に出会えること

この2つの条件に当てはまるワインを、人生で最初に飲む1杯目で出会えないと、ワインが嫌いになり敬遠するようになってしまう。

人生最初の1杯目でひどいGAP経験をしてしまう人が、想像するよりも多くてそれが、敬遠されてしまう一番の原因だと私は考えています。
(※逆に、最初の1杯目でこのGAP経験をせず、ワイン好きになった人たちはとんでもない幸運の持ち主✨)

★さいごに私から…

ここまでお読みいただきありがとうございました!
最後に、こんなテーマを記載したからには1人のソムリエとして、
絶対に失敗しない人生1杯目に飲んで頂きたいおすすめワイン🍷…をご紹介したいと思います!!

🔳BREAD&BUTTER CHARDONNAY(ブレッド&バター・シャルドネ)
 国:アメリカ

🍇みどりの髭:テイスティングコメント
コルクを抜栓した瞬間から、名前の通り本当にパンとバターのニュアンス。グラスに注ぐとさらに香りが広がります。グラスに注ぎ、鼻を近づけ深呼吸してみるとアプリコットやマンゴーなど南国フルーツの果実感と、オーク樽由来のバニラの香りが突き抜け余韻が長期に渡り残ります。
ここまで名前と風味が一致している(GAPが少ない)ワインは他に出会ったことがありません。
寒いこの冬、シチューやグラタンと一緒にご堪能してみて下さい!

ワインに限らず色々な投稿をしていきます。
次回もお楽しみに~🍂

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みどりの髭
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