【 #球春到来 】淡路島ウォリアーズ
新球団
2019年に堺シュライクスが加入して以来の新球団設立になった。
淡路島ウォリアーズ。その名前の通り淡路島に本拠を置く球団だ。
本拠を置くのは淡路市。東浦インターチェンジから車で15分ほどの距離に本拠地の淡路佐野運動公園第1野球場がある。
11月に行われたリーグ合同トライアウト時点では所属選手は全く決まっていなかったが、練習開始時点で20人の選手が集まった。
合同練習が始まったのは2月24日だった。
「しんどくなってきていると思うけど、頑張りましょう!」
赤堀監督がチームメンバーに声をかけた。
選手たちはようやくペースがつかめてきたというタイミングだった。
赤堀監督がグラウンドをくまなく歩き、選手たちに声をかけていく。
ベースランニングが始まると、赤堀監督自ら投手役を買って出た。
投内連携では各々がポジションに入り、投手と内野手が動きの確認が入念に行われた。
実際動き出して間もないチーム。連携については大神康輔選手からも投手陣に意見を出すなどしていた。
「まだ始まったばっかりだからねぇ。こんな感じですよ」
赤堀監督は選手たちの様子を見て繰り返し言った。
初陣
3月6日にはオープン戦初戦を迎えた。ビジターチーム和歌山への遠征。朝6時には出発していたという。
試合前の円陣で、赤堀監督は「ミスを恐れないでプレーすること」、竹内優真投手は「全力疾走を徹底していきましょう」とチームメイトに声をかけた。
先発の押川修大投手の立ち上がりを和歌山ウェイブスが確実にとらえていった。初回に6点を失うと、そのあともずるずると失点を重ねた。
試合前に「いつもと違う感じの顔だなぁ。硬いな」と堂本昌由球団代表がつぶやいた。その通り、動きもぎこちなくミスもあった。
しかし選手たちは試合中にも改善点を探していた。
「前に落ちる当たりが多いし外野全体もうちょっと前のほうがいいんじゃない?」
「声もっと出して誰がカバー入るかはっきりしよう」
「緊張でフォームが縮こまってるから確認しよう」
4回には大神が四球で出塁すると、相手のエラーもあり、無安打で3点を取った。
5回には安藤禅選手がチーム初安打となるタイムリーヒットを打った。
それを皮切りにヒットが出始めた。他の回でもビッグイニングを作り、最終的に12点を取った。チームとしての課題はもちろんあるが、滑り出しとしてはまずまずの試合だった。
「先輩」堺シュライクス
「もう4年前なんやな。懐かしい。」
3月9日、淡路島で行われた試合で堺シュライクス大西宏明監督が感慨深そうに振り返った。
試合後赤堀監督とも話をし、「あの時はとにかく選手も集まらなかったし、勝てなかった。毎日どうしようかと思っていました」と当時の胸の内を語っていた。
2019年、堺シュライクスは最下位だった。打撃、投手タイトルを取る選手はいたものの、投打・守備が噛み合わず18勝27敗。オープン戦の初戦も6対17で敗れ、シーズンが始まっても20点差近くの大差で敗れる試合も多かった。いわば新球団あるあるだ。
それでもその後3連覇を果たしたのは「現場と球団の努力」と大西監督は言った。選手も集まり、チームとしての意識も3年で大きく高まった。
もちろん一朝一夕にはいかない。堺も優勝するまでは2年かかった。開幕戦からシーズンを勝ち上がれるかどうかも、これから先、チームが強くなれるかどうかも、「今」どうしていくかにかかっている。
チームとしての力を強く
赤堀監督は気になったことを見つけたら試合中でも練習中でも即選手に声をかけに言っているのが印象的だった。
オープン戦初戦でもイニングごとに気になったことがあればすぐ選手に声をかけて状況を聞いてアドバイスをしていた。
「勝つことも大事ですけど、選手個々の能力を上げるということを考えてやっていきたいと思います」
メンバーの中には面白そうな選手がたくさんいる。
はち切れんばかりのフルスイングが特徴の正田亜翔、長身からチェンジアップとカーブを巧みに操る山路武士、沖縄から帰ってきた大砲・杉森慎太郎……
これらが嚙み合った時に、どのようなチームになるか楽しみだ。
「チームができたのでやっぱり応援してもらいたいですし、選手たちスタッフと淡路島といろんなことを助け合いながらしていきたいです」
淡路島ウォリアーズの公式戦初戦はビジターでの兵庫ブレイバーズ戦(4月2日(日)17:00~ キッピースタジアム)、本拠地淡路佐野運動公園第1野球場での初試合は4月6日(木)12:00から。
戦士たちの船出がどうなるか、注目だ。
練習・試合風景
(文・写真 SAZZY 3月1日、6日、9日)