【 #球春到来 】大阪ゼロロクブルズ
練習前の厳しい一言
2月7日、大阪ゼロロクブルズの本拠地花園セントラルスタジアムにて練習が行われた。
この日から11日までの間、実戦練習を行うため、本拠地花園セントラルスタジアムでの練習を組んだ。「新人・既存の振り分け」と谷口功一代表が位置付けていた。
しかし、この日、練習前に集められた選手たちに対して厳しい言葉がかけられた。コンディション不良の状態の選手が複数いたためだ。
「オフの間に体を作っている選手と作っていない選手がはっきりしている。トレーナーからは練習の量を減らしたほうがという言葉もあったが、上のレベルを目指すことが目的の中で、できていない選手に合わせることはできない」
別の意味でのふるいがすでにかかってしまっていた。ここから選手個人が巻き返しを図ることができるだろうか。答えはオープン戦に出てくる。
シートバッティングでの「ハッスル」
そのあと行われたシートバッティングでは投手6人が登板し、打者がおよそ2~3打席に立った。
このシートバッティング、一番目立ったのは打者でも投手でもなく、一塁の守備に就いた藤井秀悟監督だった。
ファーストライナーに飛びついてアウトにすると思えば、スタンドに入るボールを追いかけてフェンス際まで全力疾走で追っていくなど、ハッスルプレーを続けていた。
「ほれー!追いに行けよ!」「次そっち飛んでくるぞー!」
「ショート声出てないよ!」「今のは追ったらまだ間に合うよ!」「スタンドまで走れー!」と、聞こえてくるのは藤井監督の大きな声。そして内野を所狭しと走り回る藤井監督の姿。
「まずしっかり声を出して、最後まで追いかける姿勢というのを練習で身につけさせたい」と藤井監督。
「フェンスまで追いかけるように言ったのも「小学生が見て恥ずかしくないプレー」かな。すぐあきらめるよりはそのほうが応援したくなるでしょう」
シートバッティング終了後、選手を集めていったのは声の掛け合いのことだった。
「もっと声を出して、間違ってもいいから声をかけたり指示を出し合おう」「もっと活気のあるチームにしていこう」
選手同士での意見のぶつけ合い、声の掛け合いに期待をしていた。
飛躍に期待
藤井監督がシートノックが終わった後に向かったのは、キャッチボールだった。ブルペンにいたのは中村巴瑠投手。今季兵庫ブレイバーズから移籍してきた。
2019年までは野手、2020年から投手として出場をしている。当初130キロ台だったストレートは昨年148キロを計測した。昨年6月にはリーグ選抜に選出されソフトバンクホークス相手に1回無失点の好投も見せた。
キャッチボールといえど、体の使い方から藤井監督が細かくアドバイスを送る。中村が手探りで体を動かしながらボールをゆっくり投げていく。すると少しずつボールの「音」が変わっていった。
「ナイスボール!」藤井監督が満足そうに中村に言った。
「彼には終盤の1~2イニングを締めてもらおうと思っています。うちのエースです」
そして藤井監督はこう付け加えた。「NPBに行きますよ」
「正直兵庫時代のほうがいろいろ好き勝手練習できたんですけれど」と中村は言うが、手ごたえを感じているようだ。
「今年は絶対ドラフトで指名されます!」と意気込んでいた。
圧倒的な球威で打者を捻じ伏せ、その道を切り開いてほしい。
花園で勝つ
この日、花園で実戦練習を組んだことには理由があった。それは「本拠地花園で勝つことを重要視する」ということだった。
「去年もこの球場で勝てていない(8勝15敗1分)し、何より応援していただいているファンの方にいいところを見せたい」
「何のために野球をやっているかというとNPBに行くというのもあるけれど、そのためにはチームが優勝しないといけない。花園に応援に来てくれたファンの人にいい試合を見せたい」
花園に来るファンの人にどんなインパクトを残すかも大事だ。
「プロ野球なんでまた次応援に来てくれるかはその時の試合が大事だと思います。声も出さずに淡々とやっていたら覇気が無いって思われてしまうので、そういうところから徹底していきたいと思います」
藤井監督も現役時代、闘志を前面に押し出すプレースタイルが魅力的だった。
熱く戦う藤井ブルズ。花園セントラルスタジアムでみられるのは4月9日。
その過程でどう戦うのか楽しみに見ていたい。
練習風景
(文・写真 SAZZY 2月7日 花園セントラルスタジアム)
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