【 #球春到来 】和歌山ウェイブス
新チーム集合
2月2日、和歌山ウェイブスの全体練習が始まった。
午後1時の上富田スポーツセンター野球場は少し肌寒い気温だった。
練習開始直前には川原昭二監督から「怪我をしていて走ったり投げたりできない選手はいないな?」と確認。誰も怪我はしていない、万全の状態だった。
「この時期にシーズンでも使うこの球場(上富田)でスタートできること、そして怪我人がいないこと、本当にありがたいですよ」
ほっとした顔で川原監督が言った。選手に声をかけながらグラウンドを歩き回っていった。
練習は生島大輔コーチが指揮を執り、メニューの説明をしていた。
「新しく入った選手はもともといる選手をよく見てしっかりついて行って!」
生島コーチは選手たちに、こうも投げかけた。「ミーティングで『今年はこうしたい』『こうなりたい』って言ってた選手は多かったけど、具体的にどんなことをすればいいのか、やらないといけないのか、しっかり考えて練習に臨んでほしい」
大事なのは「目指す姿を実現する」こと。これがオープン戦を迎えるまでのテーマとなる。
投手陣構想
「人数が少ないから、焦って無理させることだけはしたくない」
川原監督はそう言って練習を見ていた。
「バッターも何年もいる佐藤(大介)とか竹鼻(優斗)とかは自分のバッティングが出来上がっているけど、新入団の選手は、打とう打とうとしてアピールしようとして体が前に突っ込んだり、打ち始めるとすぐバッティングが崩れていく。だから焦っていいことは何もないんですよ」
投手についても、「西垣(彰太)、田井(良樹)、中林(達哉)、岩本(侑城)の4人にいつ開幕してもいいように調整を頼んでいる」と言う。
「まずは既存のメンバーで戦って、しっかり体ができたら新人たちに投げてもらえるようにできれば」と構想を練っていた。
田井、中林は初日からブルペン入り。田井はオフの間ウェイトトレーニングを欠かさず続け体重を4キロ増やして合同練習に臨んだ。
中林もオフの間のトレーニングで脚周りを太くして臨んだ。4試合で防御率59.40に終わった昨シーズンの雪辱を果たすべく1球1球確認しながら投げ込みをしていた。「クローザーとして投げるために」と気合十分だった。
昨年17試合に投げ中継ぎの軸としてシーズンを過ごした岩本はブルペン入りこそしなかったが、ネットスローや下半身強化のメニューを繰り返していた。「規定投球回を投げ切りたい。150キロを出したい」と目的も明確だった。
他にも福良友作が15キロ増量してこの練習に臨んでいた。オープン戦、シーズンに向けてこの意識が継続できるかがカギとなる。
野手も明確に
一目見て思ったのは昨年から残留している選手たちは体がしっかりできていた。川原監督が挙げた選手以外にも堅木大輔らが新人選手をリードしていく姿が見られた。
また入団以来4年連続打率3割を記録している深谷力はある思いを持ってこの練習に臨んでいた。
「去年僕がいたシニアのチームからまた一人NPBに入った選手が出て、これで3人目なんです。今年で僕は5年目ですけど、年数とかじゃなくてNPBに行くにはどうすればいいか、そういうことを考えて日々の練習をしていきたいです」
ロングティーについても「打球の強さ」を求めて行っていた。「バッティングスタイルを変えてしまうと、崩れてしまうと思うんですが、打球を強く、速くすることは効果があると思ってやっています」
そのロングティーでは柵越えを連発。少しでも違うところを見せて次のステージに進んでいきたい。
シーズンに向けて
チームとして半数ぐらいのメンバーが昨年から残留をしたが、ポジションが固まっていないところもある。
一塁、三塁だ。
「一塁と三塁はまだこれからノックをもっと見たりとかして考えないといけない。(引退した松本聡が守っていた一塁、三塁は)そう簡単に埋まらないかな。各選手複数ポジションを守れるように準備しておいて適性を見ていきたい」と川原監督はコンバートも含めた考えを見せた。
また、この日1日を総括して「既存の選手も新しい選手も思ったより動けていた。安心した」と合同練習初日について、及第点を与えていた。
球団ができて7年目、そして和歌山ウェイブスと改称し、初のシーズンを迎える。オープン戦までにできるだけの準備をして備えていきたい。
練習風景
(文・写真 SAZZY 2月2日 上富田スポーツセンター野球場)