さわかみ関西独立リーグ和歌山ファイティングバーズの西河洋樹と杉本大樹【sideP】
※2020年5月に公式HPに掲載された記事を再編集しました※
今回インタビューに答えてくれたのは、和歌山ファイティングバーズのキャプテン、西河洋樹捕手(右)と杉本大樹投手(左)。
同じ寮に住んでいるという理由から、ふたり一緒にインタビューをおこないました。プライベートでも仲が良いというふたりの、さながらケンカ漫才のようなやりとりをお届けします。
西河洋樹(ニシカワヒロキ)
birthday:1993.11.15
blood type:AB
height:175cm
weight:77kg
foot size:28cm
favorite color:青
favorite animal:ねこ
nickname :ひろき
dobutsu_uranai:ゾウ。勤勉実直な、堅物だが純粋な人
杉本大樹(スギモト ダイキ)
birthday:1997.04.24
blood type:O
height:190cm
weight:94kg
foot size:29cm
favorite color:赤
favorite animal:犬とライオン
nickname :(ウサギ?)
dobutsu_uranai:コアラ。宴会好きな夢追い人
【1】お互いの印象と自己分析
(幼稚園の頃の西河選手)
杉本「西河さんは優しい人です。ただ、野球や自分自身に対しては厳しいと思います。僕たちが相談をすると答えてくれるし、練習にも付き合ってくれるんですが、それって自分の練習時間が削られるということですよね。でも限られた練習時間で、自分自身のできることを考えて実践しているという気がする。尊敬しています」
西河「杉本はすんごい『かまってちゃん』です。たいてい僕の後ろか横にいます。さみしがりやで、一人だとさみしいんです」
杉本「え!!そんなこと言うなら、僕もさっきの発言取り消します。かまってあげないと西河さんがちょっとさみしそうな顔をするから、僕が西河さんをかまってあげてるんです!」
(それからしばらく「よく言うわ」「そっちこそ」と、小学生男子のように言い合うふたり)
(幼いころの杉本大樹投手)
西河「自己分析ですか……自分では自分のことをドジだと思いますね。しっかりしていると言われますけど、抜けてます、いろいろと」
杉本「僕はひとりでいるのが苦手です。休みの日にひとりでいるのなんて無理です。ひとりでいるのは、寝たいときぐらいですね」
(やっぱりさみしがりやなんやん…)
【2】スポーツメーカー
西河「メーカーにこだわりはないですけど、グローブの形にはこだわっています。野球道具を見るのがすきで、いいなと思ったものを買ったり、オーダーしたりしていますね。
自分でグローブのひもを変えたり、メンテナンスをしたりするのもすきです。自分の形にしておきたいんです。キャッチャーミットとかも、だいたいいつも同じような形にして使います」
(杉本投手のグローブ)
杉本「高校大学はゼット、和歌山に来てからはミズノさんを使っています。僕は『このメーカーがいい』と思ったら全部揃えちゃうタイプ」
【3】アルバイト
杉本「休日は、農家さんでアルバイトをしています」
西河「僕も農家さんで働いています」
杉本「西河さんが働いている農家さんと、僕がお世話になっている農家さんが友だちなんです。だから僕が仕事に行ったら『西河は何しとるんや~?』と聞かれたりします」
(めっちゃ仲良しやん……)
【4】アニメや映画
杉本「この前観たのは……バイオハザード。バイオハザード観たよな?」
西河「バイオハザードはおすすめじゃないやろ……」
杉本「僕の部屋で何人かで観たんですよ、バイオハザード。僕、ホラー系があんまりすきじゃないんですけど、西河さんが無理やり見せてきたんですよ。でも映画の途中でわざわざ部屋を暗くしてきたり、いきなり脅かしてきたりするんで、西河さんと一緒に映画観るのはすきじゃないですね」
西河「もしホラー映画がすきなら『IT/イット』がオススメですね。ほかにもいろいろ観ますけど、アニメが多いです。『ダイヤのA(エース)』、『ハイキュー!!』、『黒子のバスケ』とか。ハイキューは見返したりもします。『五等分の花嫁』と『ソードアートオンライン』はすごく面白いですよ」
杉本「ワイルドスピードがすきです。あとはクリード。アクション系がすきですね。バイオハザードとかのホラー系は、誰かと一緒に見るなら大丈夫(笑)」
【5】オフの過ごし方
杉本「理想のオフは、のんびりすること。でも実際のオフはアルバイトをしています」
西河「僕もアルバイトですね」
西河「だから私服らしい私服もないですね。いつもジャージかスウェットにパーカーって感じです。どこか出かけるとなったら、ジーパンにパーカーを着ます」
杉本「どっか出かけることなんてあるん?」
西河「あるって!」
西河「今日着てる服みたいな感じの服を着ています」
杉本「いやいや、今日はインタビューを気にしてキレイなの着てる方ですよ。いつもはもうちょっとヨレてますよ」
西河「いやいやいやいや、だいたいこんなんです。僕、私服に無頓着なんですよね。大学の時に一回、私服を勉強しようと思ったんですよ、大学デビューしようとして。無理だとわかったんで、あきらめました」
杉本「なんなん、私服勉強するって……笑」
杉本「たとえばバーとか、ちょっとオシャレなところに飲みに行くとき、ふつう服に気をつかうじゃないですか?僕が準備して部屋を出て、西河さんをふと見たら、こんな服で立ってるんですよ。西河さんはそのままのかっこうで行きますからね」
西河「僕は誰に見られてるとか、あんまり気にしないもんで……」
杉本「とはいえ、あんまり飲みにも行かないですけどね」
西河「兵庫や大阪みたいに、飲めるところたくさんないもんね」
杉本・西河「野球に打ち込める環境ではあるよね」
西河「最近は、コロナウイルスの影響でみんなで出かけることもできないので、近場で釣りをする選手が多いですね」
※実際に和歌山の選手にアンケートを取ったところ、多くの人が趣味を釣りと答えました。
【6】チームメイト
西河「基本的に、チームはみんな仲がいいです。杉本と一緒にいることが多いですけど、ほかの選手とも楽しくやってます。僕はキャッチャーなんで、とくにピッチャー陣とよく関わりますね」
杉本「チーム内で一番長く一緒にいるのは西河さんです。試合でも練習でも、ほぼ西河さんにボールを受けてもらっています。寮やブルペンでは、どういう風なリードをしてほしいか、といった話をしたりしています。でも西河さんにホメられることは基本的にないですね。『調子に乗るから』って言われます」
西河「ホメませんね!(断言)」
(調子に乗っているときの杉本投手)
西河「杉本とはいっつもこんな感じです。ケンカ寸前までいくこともあるぐらい、こんなやりとりをしています。こういう関係性は、杉本とだけですね。ふたりで絡んでいるときは、他の選手たちはやりとりに入ってこないです。まぁ相手をしてあげないと、杉本はさみしくて死んじゃいそうなので……」
杉本「僕から西河さんに絡みに行ってるみたいな言い方ですけど、西河さんもけっこうこっちに来ますからね」
西河「かまってあげないと、杉本が離れたところからジッと見てくるんですよ。それであとからふてくされるんです。嫉妬の多いウサギやなぁ。もう、ニックネーム『ウサギ』でええんちゃう?」
杉本「勝手に言っとけばいいやん、もう!」
【とっておきの1枚(高校時代)】
藤井学園 寒川高校時代の杉本投手。
小学生のころの西河捕手。野球チームでの写真。
【取材後記】
笑いが絶えず、関係性のよさが見えたインタビュー。そして、チームの雰囲気のよさも感じたインタビューでした。
「このインタビューが終わったらすぐ、大ゲンカですよ。後ろの『頂』がバリバリに割れているぐらいもめますね」と言う西河捕手に対し「大丈夫です、僕の方が強いんで!」と返す杉本投手のやりとりで、この日のインタビューは終了しました。
仲が良いのか悪いのかわからないふたりの様子を、河原監督は「ハッピーセット」と呼んで頬を緩めているのだとか(田所球団代表談)。
球場でふたりに会ったら、どちらがケンカに勝ったのか聞いてみてくださいね。
(そんなことを言いながらも、190センチという長身の杉本投手のために、カメラの位置を調整してあげる西河捕手)
文 さかたえみ 写真 さかたえみ、選手提供