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小学校教科担任制でAIは私に何を伝えたのか

 ネットで「教科担任制、先行現場では人繰り腐心『誰でもいいわけではない』」(毎日新聞7.21)という記事を見た。
 小学校の職員室へ行くと、誰もいないことがある。中学高校では職員室には必ず誰かがいる。授業が学級担任制の小学校では、担任が休んだら教頭が授業に行く。校長は渉外担当なので外部の会議に出る。校長はほとんど学校にいない。学校を守るのは教頭だが、教師が休んだら代わりがいない。自分がいかなければならない。かくして職員室が空になる。
 今は、スクールカウンセラーやALTの外国人、図書館司書などが職員室にいることも増えたが、授業の代わりはできないし、学校の代表として外部の人と交渉もできない。

 小学5、6年生で導入する教科担任制について、文部科学省の有識者会議は21日、対象教科を外国語(英語)、理科、算数、体育の4教科とし、教員定数を増やすことで必要な人員配置を進めるよう求める報告書案を大筋で了承した。文部科学省は22年度からの教科担任制の本格導入に向け、加配を拡大する方針だが、「財務省との折衝次第」(文科省担当者)で先行きは不透明だ。


というような記事だが、最近はコメントを読むのが楽しくなっている。

 私のパソコンは(スマホも)AIが勝手に私の好みを分析して、私にとって心地いいコメントから載せるようになった。一方的な意見のそれではいけないと思うが、とりあえずはコメントの概要(あくまでも概要)を並べる。


・塾教師の方が教え方がうまい。日本の教師は教科指導以外のことをたくさんするから教材研究の時間がない。海外のように教科指導に集中できる時間を与えるべき。生活指導は教師の仕事ではない。親の仕事だ。
・待遇を良くするしかない。「仕事量を減らしましょう」「定時で帰りましょう」とか、意識改革みたいなことでお茶を濁そうとする。
・まさに机上の空論。そんな簡単にいかない。私の勤務先では専科指導(音楽や図工を専門の先生が教える)の先生の指導方法について保護者から苦情の電話が来たり、「授業がつまらない」「注意の仕方がいや」といった苦痛を子どもが担任に訴えてくるケースも珍しくない。その結果、専科指導のそばで、見守りやサポートとして担任が張り付く。結局自分で授業をするより仕事が増えている現状もある。授業以外の部分(雑用的な仕事が死ぬほどある)をカバーしてもらえるように、担任外の先生を各校あと2人ずつくらい増やすとか、学年に1人副担任を設けるとか、そういうことに人員を補充してほしい。
・文科省はじめ国は、もっともらしいことを言いながら、人を増やす気は全くない。一人一台パソコン導入し、従来の児童机は狭いので空き教室と統合して教室を拡張しろという。教室の工事を全国一律で始めたら、特に都市部の学校は、業者の取り合いが起こることはハナから予想できる。しかも、そんな工事、いつする。工事しながら授業なんか、場所の余裕ないし、そもそも騒音で授業どころではない。夏休みの一か月で、どれだけ工事できるかも疑問。行き当たりばったりのアホな施策は、現場を無意味に混乱させるだけ。
・昔は教員採用試験の競争倍率も凄かった記憶がある。少子化なのに教員不足は異常。いろいろ下手に制度を弄りすぎたのでは。退職金も以前の半額以下じゃ不人気にもなる。教育の低迷は、いずれ国家の低迷に繋がる。オリンピックに力を注いでいる場合ではない。
・私の勤務先でも、数年前から同じ学年の中で、担任同士が授業を交換する形で「教科担任制」をやっているが、弊害の方が多い。特に、クラス内でケンカやもめ事が起きた場合に、小学生では「ひとまず置いといて、今は授業」と切り替えられないことや、1時間経ったらいきさつを忘れてしまう加害児童もいるのに、「次は隣のクラスで授業をしなければならない」ので問題解決が難しくなったり、その子たちが事実上授業に参加できなかったり……ということが起こっている。
・教科担任制も然る事ながら、指導要領もどうかと思う。今年度からの英語教育は最悪……。聞き取れるが話せない、書けない中1生が続出。アルファベットもろくに書けない、この夏休みにも拘わらず、そんな中1生が多い。中1の英語教育では、小学校の英語教育でアルファベット・日常で使う英単語は習得済み……が前提となっているが、習得できている子は非常に少ない。文科省の意図がよくわからない。それよりも母国語の日本語教育にもっと力を入れてほしい。この国に愛国心はないのか。


 学校の先生らしい人のコメントが多い。なるほどと思うものが多いが、コメントでいくら声を上げても意見は広がらない。ヤフーコメント以外、他のマスコミではこんな意見、目にしない。AIは私に対してマイナーな意見だけ選んで載せているのだろうか。
 オリンピック反対の意見がいっぱいあったテレビも、いざオリンピックになると、オリンピック賛成になる。各競技のニュースばっかりだ。最初の意見はどこへ消えたのだろう。


 教育に関しては、意見が消えてはならない。意見を広げなければならない。この夏休みに、教師は声をあげてはどうだ。コメント欄だけでなく、noteに主体的に書き、連携していく。もうやってるか。でも私は知らない。広がっていない。もっと広げて、教育を考えなければ国家が消えていく。


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