親の顔を見てみたい
うちは女子寮なので、寮生さんたちはすべて女性。
彼女たちの生活を見守りながら、自らの子育てを振り返ることがある。
すべてが親からの影響による言動だとは思わない。
でも…しつけや親子の関係性によって育まれる固有の文化は、「家庭環境」に大きく左右される。
例えば、食堂で彼らを見ていると、みそ汁の具を取れるだけ取ろうとする人がいる。
最後に食堂へ来る寮生には、汁しか残っていない。
仕方なく
「後の人への思いやり…具材を独り占めしないでね」
と貼り紙をする。
また、テーブルに汁がこぼれても知らん顔する人がいる。ちょっと拭いておいてくれたら、次の人も気持ちよく過ごせるのに…。
他人の身になって考えることの大切さを思う。
パートさんがバタバタと片付けているにもかかわらず、終了時刻ギリギリまで居座る人がいる。当然の権利とはいえ、もう少し空気を読んだらどうかと言いたくなる。
自分のことにしかフォーカスしていないから、こういう行動になるのだろうか。
ああ、親の顔が見たい!
ある日、寮生さんが熱を出した。
「もしもインフルエンザなら、他の人に申し訳ない」とわざわざ報告してくれた。
水分や栄養は摂っているだろうか…
もっと熱が上がったのではないか…
一日中、気になる。
それをメールしたが、寝ているのか…返信がない。
次の日、食堂へ顔を見せないため、こちらから連絡してみた。
熱が下がらず食欲はないが、私の用意する食事なら食べるという。
休日だが、厨房へ入る。
たまごを落とした鍋焼きうどんを作って、鍋ごと部屋の前へ置いておいた。これで2食分くらいはある。一緒に飲料水やゼリー、みかんも差し入れた。
それから…ずーーーーーっと、連絡がない。
さすがに「放っておこう」と寮長である夫と話した。
普通であれば
「昨日はうどんをごちそうさまでした。あれから熱は△℃に下がりました」
と、礼を添えた状況報告があるはず。
しかし…いっさい、ない。
もちろん、使い慣れた鍋も返ってこない。
人付き合いのこの不器用さは、かつてカウンセリングで担当したASD(発達障害の一種類)女子と重なる。
ん?もしかすると…?
それならそれで対応の仕方が違ってくるから、少し様子を見なければいけない。
それにしても、うちの娘は大丈夫だろうか。
ひとり札幌に残してきたけれど、どこかで「親の顔が見たい」と言われているのではないか。
あり得るとしたらどんなシチュエーションだろう。
あれこれと思い巡らすけれど、これといった状況は見えてこない。
まあ、完璧な子育てなんてないから、彼女だって誰かに迷惑をかけながら生きていくだろう。
そうであれば、寮生さんたちにも寛大寛容でありたい。
彼らの意見や価値観を否定せず、公平な態度で接していけたらと思う。
子育ては根気強く!
寮生育てもおおらかに♪
2024.11.26
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写真はベトナム風からあげ!