スターバックス 人気の理由を解説
スターバックスコーヒーについて
スターバックスコーヒーとは、1971年にアメリカ合衆国ワシントン州シアトルで開業した。世界最大のコーヒーチェーン店で、シアトル系コーヒーの元祖である 。2020年時点で、世界83カ国に32,660店舗を展開しており、16,637店舗が直営店、16,023店舗がFC店舗である。繁華街だけでなく駅やオフィスビルや大学の中にも出店しており、あらゆる客層に利用されている。店舗では、ホットドリンクとコールドドリンク、コーヒー豆販売、インスタントコーヒー粉販売、エスプレッソ、カフェラテ、フルリーフティーとルーズリーフティー、ジュース、フラペチーノ飲料、ペストリー、スナックを提供している。
店舗の特徴
まず、スターバックスコーヒーの特徴についてあげると以下の四つがあげられる。
① ソファーや落ち着いた照明など長居したくなるようなインテリア
② 通りに面したオープンテラス
③ 店内全面禁煙
④ フレンドリーな接客
当時の日本の喫茶店とは、一線を画した日本ではスターバックスの特徴としてあげられるものである。『third place』(家庭でもなく職場でもない第三の空間)をコンセプトのもと、米国の店舗では長時間の自習やパソコン利用を制限することはなく、Wi-Fi利用も時間制限・接続先制限なしで無料である。こちらのサービスは、学生や社会人の方に利用しやすいサービスとなっている。
また、お店に入ると大体の店舗では「いらっしゃいませ」と言われるはずだが、スターバックスコーヒーでは第三の場所を提供しているため、「いらっしゃいませ」といわないのだ。こちらは、スターバックスコーヒー特有の経営戦略なのだ。「いらっしゃいませ」というと、店員からの一方的なコミュニケーションとなり、お客様と距離ができてしまう。だからこそ、コミュニケーションの始まりのきっかけを作るためにもこのようにしているのだ。
スターバックスの5つの戦略
次にスターバックスでは、「価格」ではなく、「価値」を販売している。その価値とは「落ち着いた空間」「コーヒーを飲むという体験価値」である。また、スターバックスではCMなどで広告を流すのではなく、SNSを使って情報を拡散している。そのため、広告費用が必要なくなるため、品質向上などの商品に力を入れることができる。
スターバックスのブランド戦略には5つの項目がある。
① 店舗体験
② マスコミ広告を使わないSNSを活用した顧客とのコミュニケーション
③ 根強いファンをつかむ期間限定商品
④ リスクをかけた人材
⑤ 一人一人のオーナーシップを育むマニュアルなしの接客
以上の5つについて詳しく説明していく。①では、スターバックスが「おいしいコーヒーを優雅な空間で楽しめる」というブランド構築に成功したのは、従来のメディア戦略ではなく、店舗で体験したお客様によって作られたものである。ロゴの入った白いコップバリスタとの交流、快適な椅子、店舗の内装、安宅格迎えてくれるコーヒーの香りにバックで流れる音楽。そして、スターバックスの「ひととき」を味わう顧客の感性。このすべてがそろい、スターバックスのブランドが確立された。
次に②では、現在スターバックスのTwitterフォロワー数は580万人。広告と同じ規模のリーチ数を誇っています。そして、従来のマスコミ広告ではできなかった「店舗に訪れたお客様に聞く」ことを重要とし、ファンとの親密な交流を深めている。このように従来のメディアではできなかった顧客とのコミュニケーションを密にとることで、さらに店舗体験の向上に生かしている。
③では、スターバックスでは季節ごとに限定商品を販売する。発売開始前にSNSで発信することにより、話題を呼び夕方には限定商品は完売なんてこともある。例えば、最近だと5月なのでストロベリーのフラペチーノを販売したりなど、四季を楽しむアイテムの一つとなっている。
④では、そして何よりも、社員のスタッフの教育。スターバックスは2014年に800人を超える契約社員を正社員に切り替えている。これは、店舗で提供する価値が単にコーヒーの質だけではなく、顧客との間で交わるコミュニケーションのサービスであり、その付加価値を提供するパートナーを育てるためにも時間をかけて人材教育に取り組むというスタバの姿勢の表れである。スターバックスは、この飲食チェーンのリスクをとってでも人材の育成にかけたことによってパートナーが提供するサービスにこだわりぬき、結果ここまで「ブランド」を浸透させることに成功した。
最後に⑤では、スターバックスには接客のマニュアルは存在しない。サービスについては一人一人のパートナーに委ねられている。つまり、店舗で起こるすべてのことにパートナー一人一人がオーナーシップを持っているのだ。
他のカフェとの比較
好きなカフェはどこかと聞いてみたところ、52%の方がスターバックスを選び、46%の方がドトールコーヒーを選び、ほかの店舗とは大きく引き離した結果となった。上の資料を見てもらうとわかるのだが、スターバックスコーヒーとドトールコーヒーが人気だったので、この二つの店舗の印象の違いを資料にまとめた。
上の資料は、顧客からのスターバックスコーヒーとドトールコーヒーの印象である。スターバックスコーヒーでは、コーヒーがおいしいことが人気の理由の一つである。コーヒーといえば、アメリカンやカフェオレ、エスプレッソのイメージがあるだろう。しかしスターバックスコーヒーではそれだけではなく、エスプレッソにミルクのカフェラテにキャラメルシロップを追加したキャラメルマキアートなどといった、新しい商品を開発した。このように新しい風を送り込んだのが、スターバックスコーヒーである。また、マロンテイストやベリーテイストなどといった、新しい味などもシーズンごとに提供しており、そちらも人気の理由である。
しかし、反対に庶民的で入りやすいのはドトールである。コーヒーの値段が180円、ホットドリンクのSサイズで一番高くても300円のカフェ・ド・ショコラである。このことから、スターバックスに比べるとお財布に優しいことがよくわかる。また、スターバックスコーヒーとの大きな違いは、ドトールコーヒーでは喫煙が可能である点だ。喫煙者に厳しい時代だからこそ、喫煙できる点も入りやすいことへ大きく影響しているのかもしれない。こういった価格的な面や、喫煙可能な点が店内に入りやすい雰囲気を出すことができるのかもしれない。以上のことを踏まえて、スターバックスコーヒーを3C分析してみた。
スターバックスコーヒーを3C分析
初めに3C分析の内容について紹介する。3C分析とは「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の頭文字を取り名付けられたフレームワークである。顧客のニーズに当てはまらなければ、商材を利用してもらえない。また、競合との差別化を図らなければ、必ず競争になりコモディティ化してしまう。顧客、競合、自社の3要素はビジネスを成功に導くうえで欠かせない要素である。スターバックスを訪れる顧客は「落ち着ける空間で休憩をしたい」、「おいしいコーヒーを飲みたい」、「おしゃれだと思われたい」などといった理由が挙がっている。また、スターバックス・リザーブ・ロースタリーという店舗では高級豆を使ったコーヒーを提供している。
競合であるドトールはスターバックスとは反対に庶民的な価格でドリンクを提供する入店しやすいお店である。その分、大衆的であり、ブランド力は高くない。スターバックスは高価格のドリンクや、おしゃれな店内装飾などに力を入れることで、ドトールとの差別化を成功した。顧客と競合を分析したうえで、スターバックスの強みと弱みを見ていく。スターバックスの強みは上品な空間と高価値な商品、行き届いた店長のホスピタリティなどである。逆に弱みとなるのは一杯のコーヒーが高いこと。また、強みでもあったのだが、店内がおしゃれだからこそ入りにくいといった声もあるのだ。しかし、スターバックスはこうした弱みに目を向けるのではなく、強みに注力することでブランディングに成功しているのだ。
まとめ
これらのように、値段が高くてもスターバックスを利用する理由として、期間限定商品やオリジナルのカスタマイズのドリンクが飲めるからだ。季節に応じて、旬のフルーツやスイーツを使ったドリンクを提供している。特に日本人は期間限定という言葉に弱く、期間限定商品を発売するとついつい足を運んでしまうお客さまも多い。また、ドリンクを自分好みのカスタマイズにして注文をすることができる為、自分オリジナルのドリンクを楽しむことができる。それだけでなく、スターバックスコーヒーでは厳選した素材を使っているため品質も味も良く、コーヒーはもちろん、フラペチーノやマキアートなどもとても美味しいし、落ち着いた空間の店内になっているためゆっくりお茶することもできる。以上のようにたくさんの魅力がスターバックスコーヒーでは詰まっているため、是非スターバックスコーヒーに訪れてみてはいかがでしょうか。
参考文献
スタバが人気の理由5選|雰囲気、新作、女性ウケを解説 - ETU news (etu-news.com)
https://etu-news.com/starbucks/
https://life.oricon.co.jp/rank-cafe/
https://www.cb21.co.jp/news/entry-1000.html
スターバックスはなぜ広告を打たずにブランド作りに成功したのか? | ニュースリリース | 株式会社キャッチボール・トゥエンティワン (cb21.co.jp)
スターバックスのブランディング戦略を3C分析で解説! | BizMake Media
https://japanbrand.jp/ranking/nandemo/5.html
第5回:好きなカフェとそのイメージ | ブランドなんでもランキング | ブランド戦略通信│トライベック・ブランド戦略研究所 (japanbrand.jp)