見出し画像

2024 J1 第37節「ジュビロ磐田 vs FC東京」 超主観的振り返り

磐田 2-1 FC東京
【得点者】
磐田:マテウスペイショット(後半35分)、山田大記(後半44分PK)

FC東京:安斎 颯馬(後半8分)

勝利するしかない。

2024年11月30日。

私はヤマハスタジアムへ向けて車を走らせていました。

残留がかかったホーム最終戦はやはり独特の緊張感。少なからずドキドキしながらハンドルを握っていました。

ホーム最終戦でJ1残留の可能性を残し、最終節がアウェイというシチュエーションは2019年と同じ。当時はホーム最終戦で勝利したものの、他会場の結果で最終節を待たずに降格がきまってしまうという、なんとも言い難い悲しい結末を迎えました。

今回はそんなことが絶対起きて欲しくない。

磐田にとって大事な大事なホーム最終戦のチケットは完売。ジュビロサポーターもこの試合に掛ける思いが伝わって来ます。

そして直前にはキャプテン山田大記が今季限りでの引退を発表。

山田大記のヤマハスタジアムでのラストゲームを降格で終わらせるわけにはいかない!

劇的な結末を迎えた、2024年ヤマハスタジアムラストゲームを振り返ります。


前回対戦振り返り

前回対戦は、6月16日アウェイ味の素スタジアムでの戦い。現地で観戦してきました。

アウェイ東京V戦で負傷離脱していたジャーメイン良の復帰試合に。前半コーナーキックからリカルドグラッサがヘディングシュートで先制したものの、試合終了間際の84分に失点。勝ち切れず悔しいドロー決着となりました。

スターティングメンバー

ジュビロ磐田

ハッサンヒルは引き続きベンチ外。前々節での負傷の影響が続いたいると思います。前節累積警告で出場停止だった鈴木海音が復帰しましたがベンチスタートだったのは予想外でした。

また渡邉りょう、レオゴメスがベンチ外に。

平川怜は8月17日アウェイ町田戦以来のスタメン出場となり、ボランチに入りました。

スターティングメンバー


FC東京

今季をもって引退が発表されたディエゴオリヴェイラ選手が先発で出場。あの独特のPKが印象に残りますが、これまで磐田の前に立ち塞がってきた偉大な選手もこれが見納めになりました。


スコアレスで前半を折り返す。

序盤は磐田が押している展開だったと思います。早い時間で先制したかったところ。松本昌也ジャーメイン良がゴールに襲い掛かります。特に18分のジャーメイン良のシュートは惜しかった!あと数十センチ中だったらゴールでしたね。

ただ、この試合通してですがクロスはあがるのですがイマイチ精度に欠けるところが課題でしたね。クロスで決定機は作ろうとしているものの、最後のシュートまで行けない。また、シュートしても決め切れないところが課題でした。

9分 松本昌也のヘディングシュートは枠外へ
18分 ジャーメイン良のシュート惜しくも枠の外


先制はFC東京

毎度のことですが、立ち上がりの時間帯の磐田は失点する傾向があるので、試合開始早々や、後半立ち上がりは祈るような思いで見ています(苦笑)。苦手なセットプレーの状況なら尚更。

そんな状況が重なったのが後半7分。FC東京のコーナーキック。

「頼む!凌いでくれ!」

ショートコーナーを選択したFC東京は東慶悟選手がクロスを上げ、安斎颯馬選手のヘディングシュートが決まってしまいました。川島永嗣も横っ飛びしますが間に合わず。安斎選手にフリーで打たれてしまいましたね。

試合後の松原后もこれには反省のコメントでした。

またセットプレーでやられてしまいました。本当にみんな集中してセットプレーの準備をしていて、やれていたとは思います。ただあの失点した場面は相手がCKでショートを選択したタイミングで、ボールにアタックしに行くという意識が薄れてしまっていたなと。そのためにボールへの反応が遅れてしまったというところが反省点です。

ジュビロ磐田公式ホームページより

準備はしていても一朝一夕には改善が難しい磐田のセットプレーの守備。この点の改善がされれば、今年勝ち点がもっと積み上げられる場面があっただけに本当にもどかしいところです。


藤川虎太朗がDOGSOを誘う

後が無くなった磐田。最低でも残り時間で2点取らなければ降格してしまいます。

56分にはマテウスペイショット、63分には山田大記藤川虎太朗がピッチに入ります。この横内監督の采配が当たります。

ピッチに入りキャプテンマークを引き継ぐ山田大記

75分、FC東京のゴールキックをリカルドグラッサがヘディングで押し返し、そのセカンドボールを拾ってゴール前に走り込んだのが藤川虎太朗。GKと一対一の対決へ。そこへ木本恭生選手が後方から倒してしまいDOGSOの判定で木本恭生選手はレッドカード。


ペイショットが反撃弾

FC東京側の退場により数的優位になった磐田。残り時間はアディショナルタイム含めて10~20分位。早く、早く追いつけ!追い越せ!

DOGSOから得た直接フリーキック。キッカーは上原力也。フワッと蹴り込んだボールはきれいな放物線を描いてゴール前へ。そこに頭で合わせたマテウスペイショットが鋭いヘディングシュートを放ち同点!

ゴールを決めたマテウスペイショット


山田大記の逆転PK

残り時間10分を切った83分、磐田のコーナーキック。ニアサイドでクリアされたボールに対し藤川虎太朗がおさめて中央付近に運び、ボックス外からシュート。これが相手の手に当たりハンドの判定。

一度はボックス外からのフリーキックの判定だったのですが、VARが介入しオンフィールドレビューにより最終的にボックス内のハンドとなりPK判定。

蹴るのは誰だ?

てっきりボールを持っていたジャーメイン良が蹴るのだと思っていましたが、ボールは蹴る間際に山田大記に渡されました。

引退する山田大記に譲ったジャーメイン良に胸熱な状況ではあったのですが、これは作戦だったことが試合後に明かされています。PKの場合、山田大記が蹴ることは試合前日には決まっていたそうです。

大記くん独特な蹴り方するので、大記くんが蹴るってわかると、ベンチから蹴り方の情報が入っちゃう。だからギリギリまでボール持っといてって、前日の練習から大記くんから言われた。チームプレーというより大記くんの頭脳プレーです(ジャーメイン良談)

FOOTBALL ZONEより

結果的には相手GKはベンチに行かなかったので、結果として作戦自体は空振りにおわりましたが、このような頭脳プレーもあるのかと改めて勉強になりました。

山田大記は左足で踏み込んで右足で蹴ると見せかけて、もう一歩右足で踏み込んで左脚で蹴り込むというトリックPK。

左脚で蹴り込んだ!

スローで何回も見ましたが、蹴る瞬間にこんな芸当ができるなんてプロの技術に驚くばかり。しかもこの残留がかかった緊迫した状況でこのようなPKを蹴り込むメンタルには脱帽です。

ボールはGKが飛んだ方向と逆の右隅に入り込みPK成功
磐田逆転!!!

試合はこのままのスコアで試合終了。
2-1で磐田が逆転勝利!

山田大記の最後のヤマハスタジアムの戦いは、「山田劇場」となって勝ち点3をもぎ取る劇的な形で幕を閉じました。

他会場の結果を踏まえ、磐田は今節で降格することは無くJ1残留の可能性を残して最終節を迎えることになりました。


山田大記引退セレモニー

試合後には山田大記の引退セレモニー。

花束のプレゼンターには、八田直樹さん、金園英学さん、小川大貴選手、そして、前田遼一さんが駆けつけました。前田さんが登場した時には涙を堪えることができなかったようです。

昨年、一昨年と脚の負傷に苦しんだ山田大記。引退した理由はいくつかあるとのことでしたが、今年は100%の力で戦えることができたものの、J1の主力で戦える選手では無いことを実感したそうです。

確かに今年は途中出場でピッチに立つ場面が多かったのは事実です。しかし、今回のPKの技術や今年の山田大記のゴールシーンを思い出していたら、まだあと数年はやれるんじゃないかな?と勝手ながら思いつつ、寂しさと共にこれまで磐田で戦ってくれたことへの感謝の気持ちを抱きながらスピーチを聴いていました。


最終戦に向けて

横内監督は試合終了後に

「絶対残るぞ!俺ら!」

と激を飛ばしました。


昨年は最終節で滑り込みでJ1自動昇格を獲得しました。

今年は、最終節にJ1残留の可能性をのこして挑むことになったジュビロ磐田。得失点差も影響してくるので、

①磐田2点差以上で勝ち、新潟負け
②磐田勝ち、新潟2点差以上で負け

が磐田のJ1残留条件になります。

他力にはなりますが、磐田はとにかく複数得点で勝つこと。失点をしない事。残留の可能性は残されています。奇跡が起こることを願って2024年ラストのサガン鳥栖戦に全てを掛けましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファンサポーターに歓喜が訪れることを願って。

いいなと思ったら応援しよう!