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2024 J1 第33節「ジュビロ磐田 vs サンフレッチェ広島」 超主観的振り返り

磐田 1-2 広島
【得点者】
磐田:松原 后(後半7分)

広島:佐々木 翔(前半41分)、加藤 陸次樹(後半33分)

2024年10月6日。

残留争い真っ只中のジュビロ磐田。負けられない中で迎えた首位サンフレッチェ広島との戦い。もう相手の順位なんて関係ない。目の前のに立ち塞がる相手に勝つしかない。

首位から勝ち点3を掴み取る姿を見たくてヤマハスタジアムへ行ってきました。

サポーターの意気込みを共有すべく、ヤマハスタジアムの第一ゲート付近には横断幕が掲げられました。

しかし、残念ながら1-2で磐田敗戦。

試合終了のホイッスルと同時に席を立った私は、広島サポーターの歓喜の声を背に受けながら悔しい気持ちで駐車場へ。

厳しい戦いでしたが振り返ります。


前回対戦振り返り

前回対戦は6月1日のアウェイゲーム。

ピエロス ソティリウ選手にやられた試合でしたね。前半の1失点目がもったいなかった。上原力也からのボールが中途半端な形でピエロス選手に渡っちゃったんですよね。今観ても悔しい。

スターティングメンバー

ジュビロ磐田

ハッサンヒルは、累積警告のため出場停止。ブルーノジョゼがアウェイ町田戦以来5試合ぶりにメンバー入りしました。

一方で何より驚いたのが、伊藤槙人、鈴木海音、リカルドグラッサとCBが3人スタメンだった事。今季初めて3バックでスタートしました。

3バックでスタート

この意図について横内監督は、試合終了後以下のようにコメントしています。

広島相手にアウェイで前回対戦したときもそうですが、どうしても幅を使われて相手に時間を与える、スペースを与えるというところが広島は本当に上手いので、どうスペースを消していくかというところで3バックで臨みました。守備時には5バックにはなりますけど、上手くその幅を埋める、相手にスペースを与えないために少し形を変えてやりました。

ジュビロ磐田公式ホームページより

横内監督にとって広島は古巣。前回対戦を踏まえて勝ち点3をもぎ取るために講じた策だったと言えます。


サンフレッチェ広島

前回対戦で2得点を許したピエロス ソティリウ選手はベンチスタート。磐田サポとしては川辺駿選手の凱旋が注目でしたね。私は残念ながら川辺選手の磐田在籍当時のプレーをリアルタイムで見ていないのですが、選手紹介の際磐田サポーターから大きな拍手が沸き起こりました。


雑感

「やるべき事はやった。」

そんな試合に感じました。

もちろん結果が求められる世界ですし、残留争いでもう負けられなかった試合だっただけに、勝ち点0は痛いとしか言いようがありません。

今季初めてスタートからスリーバッグで挑んだこと、1週間の間広島対策をしてきたことなどは前述の横内監督の試合後のコメントからもよくわかります。

しかし、さすがは首位広島。磐田のそれを一枚も二枚も三枚も上をいく攻撃でした。




先手を取ったのは広島。

「反動蹴速迅砲」とは、キャプテン翼に出てくる必殺技で、

相手のシュートを蹴り返して威力を倍加させる必殺シュートの事。

確かに鈴木海音がクリアしたボールを佐々木翔選手が脚を出して蹴り返してゴールとなってしまいました。

ちなみに中村憲剛さんと大久保嘉人さんが以前YouTube企画で再現を試みています。

あんなシュート入っちゃうんだもん。佐々木翔選手は凄いし、こういう所が首位のチームなんだと感じてしまいました。


前半0-1で折り返した磐田は、少ないチャンスながらも、コーナーキックから松原后がしぶとく押し込んで得点。

前半に失点してしまい、後半開始から磐田ゴール裏は「反撃の歌」で選手達を後押し。やっぱり力が湧きますよね。そこからの得点だったので本当に嬉しかった。泥臭くも押し込んだ松原后の闘争心が堅かった広島のゴールをこじ開けたんだと思います。

ゴール直後の松原后の雄叫び
松原后を囲む歓喜のチームメイト

直近2試合無得点。ヤマハスタジアムでのゴールは7月20日の京都戦以来でした。本当に久しぶりのヤマハでのゴール。それくらい夏場以降の磐田は苦しい戦いを強いられていました。

このゴールの直後、この試合メインスタンドで観戦していた私でしたが、こんな声が届いてきました。

「もう1点取りに行くぞ!!!」

磐田ゴール裏のコールリーダーさんがトラメガでサポーターを鼓舞する声でした。

鳥肌立ちましたね。それと同時に涙出そうになりました。

「反撃の歌」で選手達の後押しをして、その結果が松原后のゴールに繋がったように感じて仕方なかった。更に俺達の声で首位広島に勝ってやるぞという気持ちが見えて、勇気をもらえたように聴こえました。

「我慢すれば、勝てるぞ!」

狙うは当然勝ち点3。
最悪でも守り切って勝ち点1でも奪い取ってやる。頼む守り切ってくれ。

しかし、残念ながらその後も続いた怒涛の広島の攻撃に対して守り切ることができず、加藤 陸次樹選手のヘディングシュートが決まってしまいました。


磐田のチャンスらしいチャンスは、前半16分のジョルディクルークスのシュートと後半アディショナルタイムのゴール前の混戦での西久保駿介のヘディングシュートくらい。

広島のスキッベ監督も試合後に言及したように、大迫選手のビッグセーブでした。これ決まっていればなあ。勝ち点1取れたのに。何度見ても悔しい。


終わってみれば、磐田は終始広島の怒涛の攻撃をギリギリの所で守り切るのが精一杯でした。いくつもスーパーセーブで救ってくれた川島永嗣には感謝ですよ。2失点で済んだのは川島永嗣のセーブによるところが大きい。そして3バックで臨んだ磐田の選手達だし横内監督の狙う通りでもあったと思います。


気になるのは、試合終了後横内監督と磐田ゴール裏の間で感情的になったシーンがあったとのこと。私は試合終了直後に席を立ったため、そのシーンを見ていないのですがSNS上ではそのシーンがいくつかアップされており、一部報道もありました。

そのシーンについて横内監督は以下のようにコメントしています。

――試合後は感情的な部分も見られましたが、改めてどのような心境でしたか?
まず、サポーターの思いというのは僕らにも届いています。悔しい思いをしているということもすごく理解しています。試合後、あるサポーターの方から(僕の)「声が聞きたい」と。「しっかり戦ってくれよ」という言葉がありましたが、今日のゲームに関して、選手たちは本当に戦ってくれたと思ったので、非があるとすれば僕にあると思います。なので、「その言葉は、僕に向けて欲しい」と伝えました。僕らも微塵も諦めていないですし、これからも信じて戦い続けるので、続けて応援してくださいと話しました。

ジュビロ磐田公式ホームページより

冒頭に書いたように、磐田サイドは「やるべきことはやった」と思います。

ただ広島の攻撃・守備共に、現状の磐田の何枚も上を行っていたということ。

負けて悔しい気持ちは私も同意ですが、監督・選手共にしっかり戦った結果のように感じました。

その結果が敗戦となった。これはもう仕方ない。
次に向けて顔を上げるしかないと思います。


この経緯のためか判りませんが、遂に磐田の浜浦社長からはサポーターに向けて「お気持ち」が表明されました。

日頃より、ジュビロ磐田への温かいご支援とご声援を賜り、心より感謝申し上げます。
現在、降格圏内から抜け出せていない厳しい状況にあります。
本日の試合結果を含め、皆様のご期待に応えることができず、多大なるご心配をおかけしていることを、クラブを代表して深くお詫び申し上げます。
残り6試合、1試合も落とせない状況ですが、横内昭展監督の指揮のもと、クラブの誇りを胸に、クラブ一丸となって、最後の1秒まで戦い抜き、必ずJ1残留を掴み取ります。
皆様の応援こそが、選手たちに立ち向かう力を与え、苦しい局面でも勇気をもたらしてくれます。どうか共に戦い、選手たちに力を与えてください。
ジュビロ磐田は、最後まで諦めず、皆様と共に歩み続けます。

ジュビロ磐田公式ホームページより

昨年、選手補強もできない状況だった磐田。火中の栗を拾うように監督を引き受けてくれた横内監督。今J1で戦えているのは選手の奮闘はもちろんの事、横内監督の功績が大きい。

少なくとも私はそう思います。

昨年補強できなかったことは、長期的なチーム作りという観点では非常に影響が大きいと考えます。現状の選手でやりくりをし、チームを成長させ、J1で戦えるチームを作り、J1残留を果たす。

今年の磐田は、非常に多岐にわたる困難なミッションに挑み続けていることは忘れてはなりません。

そんな選手達を最後まで支えたい。応援したい。

補強禁止の負の影響が残る中、懸命にJ1で戦い抜けた横内監督と選手達には厳しいことは百も承知ですが残り6試合で勝ち点を積んで、何としても残留を勝ち取って欲しいと思います。


勝ち点40ラインは終盤に入って危険水域に入りました。残り6試合で最低でも3勝はしたい。厳しい道のりだけどやるしかない。

降格圏を抜けるには勝ち点6差をひっくり返さねばならない。もう勝つしかない。それだけ。

今季8勝しかしていない磐田が残り6試合で3勝以上することは、数字上は至難の業ですが、勝負はやってみなければわからない。首位広島に対し敗戦したとはいえ粘り強い戦いができていた。

可能性はある。

奇跡と言われるかもしれないがここから始まる磐田の反撃に私は期待しています。


最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファンサポーターに歓喜が訪れることを願って。

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