2023 J2 第31節「ヴァンフォーレ甲府 vs ジュビロ磐田」超主観的振り返り
梶川裕嗣 勝利のブロック!
試合開始前、激しい雷雨となった甲府市。
しかし、JITリサイクルインクスタジアムのビジターエリアには、前節町田戦に負けないくらいのジュビロサポーターが集い、サックスブルーに染め上げました。
2023年8月19日、J2第31節。ジュビロ磐田はアウェイでヴァンフォーレ甲府と対戦しました。
前節FC町田ゼルビアとの首位決戦を落としたジュビロ。ショックな結果でしたね。J1復帰に向け、連敗だけは絶対に避けなければならない重要な一戦となった甲府戦。JITリサイクルインクスタジアムで観戦してきました。
1-0でジュビロの勝利。
前半は幾多のチャンスをものにできず、1点のみの厳しい展開。
後半は甲府の猛攻を受けますが必死に守り抜きました。
この試合で大ピンチを救ったのは梶川裕嗣でした。
前回対戦振り返り
甲府との前回対戦は、6月28日 第21節ホームヤマハスタジアムでの対戦。
当時甲府と磐田は勝ち点36で並んでいました。
蒸し暑い厳しい条件での試合となった、夏の7連戦の2試合目。
GK以外の選手を総替えする戦いはこの甲府戦からでした。
また負傷離脱していた大森晃太郎がリーグ戦初スタメンとなりました。
前半に甲府に先制を許しますが、後半開始早々に大森晃太郎がスルーパスでファビアンゴンザレスのゴールをお膳立て。しかしその後追加点は奪えず1-1のドロー決着。
蒸し暑い環境下での死闘となったこの試合。試合終了のホイッスルと同時に両チームの選手達は、悔しい思いと激しい疲労でピッチにうずくまりました。
スターティングメンバー
ジュビロ磐田
GK梶川裕嗣は予想外でした。
第13節アウェイ東京V戦以降は三浦龍輝が正GKを務めてきましたが、今季初めてのベンチ外。休養のためなのか定かではありませんが、ケガなど大事ではない事を祈ります。
CBには伊藤槙人がスタメン復帰。鈴木海音はサブに回りました。
そして、ホームエコパでの仙台戦で負傷し、町田戦でベンチ外となった上原力也は今節もベンチ外となり、ボランチには遠藤保仁と鹿沼直生が入りました。遠藤保仁は第24節 7月5日ホーム金沢戦以来、7試合振りのリーグ戦スタメンです。
横内監督は、遠藤保仁スタメン起用について、試合終了後に以下のようにコメントしています。
この試合に遠藤保仁を起用した理由が、前回甲府戦の結果を踏まえていたのが非常に興味深かったです。更に7試合振りとなったスタメンでしたが、この間しっかり準備していたことも明かしています。
また個人的な推測ですが、町田戦での敗戦という大きなショックを受けた直後だっただけに、百戦錬磨の遠藤保仁をピッチに入れることで、他の選手達に与える精神的な余裕・安定感と言う面でも大きな効果があったように思いました。
ヴァンフォーレ甲府(前回対戦との比較)
甲府のキャプテンだった須貝英大選手が鹿島アントラーズに完全移籍したことが話題となりました。
前回対戦以降で補強した選手の内、2人がスタメン入り。
個人的に予想外だったのは松田陸選手。8月16日にセレッソ大阪からの期限付き移籍が発表されたばかりだったので、ベンチ入りはあってもスタメンの可能性は低いと思っていました。
そして何と言ってもジュビロにとって天敵のピーターウタカ選手。
今回も立ち塞がります。
前半シュート14本だが・・・
前半は36分に甲府のコーナーキックからのシュートが唯一のピンチでしたが、それ以外はジュビロペース。
前半のシュート数の比較は以下の通り。
ジュビロが圧倒しています。しかし、なかなかゴールを割れませんでした。横内監督も試合後のDAZNインタビューで、フィニッシュの部分を課題に挙げていました。
非常に惜しかったのが、前半26分のリカルドグラッサのボックス外ぎりぎりからのミドルシュート。これは入ったと思ったのですが、甲府のGK山内康太選手は良く反応しましたね。好セーブに阻まれました。
今季序盤戦は、アウェイ大宮戦に代表されるように決めるべき時に決められず、勝ち点3を落とした苦い経験がありました。残り11試合、圧倒するジュビロが見たいですね。
ジャーメイン良が先制ゴール
惜しいシーンが続きながらも得点できず、前半終了間際の42分のジュビロのコーナーキック。
遠藤保仁が蹴り込んだボールはアウトスイングで綺麗な弧を描き、ジャーメイン良がドンピシャのタイミングでヘディングシュート!ボールは鋭くゴールに突き刺さってようやくジュビロ先制!
身長187cmのエドゥアルドマンシャ選手と競り合ってゴールを決めたジャーメイン良。そのジャンプ力とタイミングが勝った素晴らしいシュート。
そして、久しぶりに見せてくれた遠藤保仁の高精度なコーナーキック。前節町田戦では、コーナーキックが何度もキーパーにキャッチされるシーンがありました。それだけに改めて遠藤保仁の高い技術を感じたシーンでした。
ドゥドゥのミドルシュート
前半、果敢にゴールを狙っていたドゥドゥ。
後半開始早々の47分、ミドルレンジから迷いのないシュート。しかしGK山内康太選手が右手一本で何とか弾き飛ばしてゴールならず。
このパンチ力はジュビロの武器。
今回は決まりませんでしたが、ほぼ毎試合ミドルシュートを打つので、相手チームは引いて守ってもドゥドゥのミドルがあることを意識させることになります。非常に効果的と思います。
リカルドグラッサ vs ウタカ
61分、ジュビロ陣内でボールを受けたウタカ選手が前を向き、ドリブル開始。一気にトップスピードに上げます。
左サイドからボックス内に進入。しかし、その背後で猛スピードで追いかけて来たのがリカルドグラッサ。ゴールラインギリギリの所でウタカ選手の前に体を入れ、ピンチを防ぎました。
このシーンはハイライト動画に残っていないんですが、嬉しかったですね。
前回ジュビロがJ2で戦った2020~2021年。当時京都サンガFCに在籍していたウタカ選手に苦しめられました。
特に2020年、ジュビロは京都にシーズンダブルを食らったのですが、京都の全得点をウタカ選手1人に決められて敗戦しました(ホーム2失点、アウェイ2失点)。
京都に勝てなかった2020年、現在ファジアーノ岡山に所属するヨルディバイス選手のような、最後列で相手FWを鉄壁に防いでくれる助っ人がいて欲しいと願っていました。
その願いを成就するかのようなリカルドグラッサのディフェンス。
しかもあのウタカ選手を防ぎ切ったプレー。
2020年の悔しさが晴れたような想いでした。
梶川裕嗣がジュビロを救う
後半は攻撃のギアを上げた甲府。
怒涛の甲府の攻撃からジュビロを救ったのが、4月29日ホーム徳島戦以来約4か月ぶりのリーグ戦出場となった梶川裕嗣でした。
■ 36分 vs 三平和司選手
クリスティアーノ選手のコーナーキック。三平和司選手がスラしたシュートを梶川裕嗣が片手一本でクリア
■ 76分 vs 武富孝介選手
ジェトゥリオ選手が左サイドから上げたクロスを武富孝介選手が体勢を崩しながらもシュート。梶川裕嗣が倒れ込みながらもブロック。
■ 90+5分 vsピーターウタカ選手
試合終了目前。関口正大選手が右サイドから大きく前線にボールを上げ、ボックス内でウタカ選手収めるという絶体絶命のピンチ。しかし、シュートしたボールを梶川裕嗣が身体全体で受けてブロックするという大ファインプレー!
梶川裕嗣は3失点する可能性があった場面を防ぎ、ジュビロを救いました。
特に最後のウタカ選手との対決は、万事休すかと思いました。
MOMをあげられるなら間違いなく梶川裕嗣。
前半に得点したジャーメイン良と共に勝ち点3に大きく貢献してくれました。
試合終了後、ウタカ選手のシュートブロックについて以下のように振り返っています。
今季開幕は正ゴールキーパーの座を掴んだ梶川裕嗣。しかし序盤戦は思うように勝ち点を積み上げることができなかったジュビロ。5月以降はその座を三浦龍輝に譲ることになりました。
また、直近3試合のアウェイいわき戦、ホーム仙台戦、アウェイ町田戦は八田直樹がサブに入り、梶川裕嗣はベンチ外でした。
試合に絡めない状況に、恐らく梶川裕嗣も悔しかったと思います。
ジュビロ磐田の公式X(旧Twitter)には梶川裕嗣の何とも言えないホッとしたような気持ちを滲ませる笑顔の写真がアップされました。久しぶりのリーグ戦でチームを勝利に導くことができた気持ちが表れているように思いました。
次戦に向けて
町田との首位決戦の敗戦から1週間。
今回のスタメン変更からもわかるように、絶対落とせない一戦として甲府戦対策の準備をしてきたと思います。
流れの中で得点できなかった事、複数得点できなかった事など課題はありますが、クリーンシートで勝利を掴んだことは大きな自信になりますし、応援するサポーターにとって嬉しい結果と思います。
横内監督からの「ブラボー」
試合の翌日、公式YouTubeチャンネルでは【Go on.】 episode15「自信にしていきたい勝利」が公開されました。
試合終了後、ロッカールームで横内監督は、無失点で守り抜いた選手達を讃えました。
そして最後には
ホームエコパスタジアムの仙台戦では4-1と大勝したものの、試合内容に納得していなかった横内監督の口から「ブラボー」の言葉はありませんでした。
しかし、町田戦敗戦後に入念な準備をして掴み取った勝ち点3に対し、横内監督は「ブラボー」の言葉で選手を労いました。
「ブラボー」と言った時の選手のホッとしたような笑顔。何とも言えない良い雰囲気で甲府の激闘は終わりました。
目指せ「最終節で勝ち点80」
昇格ラインを「最終節で勝ち点80」とした場合のジュビロ磐田の現在地です。
第31節を終えて昇格ラインに対し勝ち点差3.1→2.0に縮めました。グラフにするとやはり勝ち点3の大きさ・重みがよく判ります。
この後の千葉、秋田に勝つことで最短で昇格ラインに乗りますが、その先も勝ち続けなければ勝ち点80以上は成し得ないので、一戦必勝で行きましょう。
次節は8月26日、ジェフユナイテッド千葉と対戦します。約1か月ぶりのヤマハスタジアム。多くの来場者でスタンドを埋めて欲しいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れる事を願って。
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