2024 J1 第16節「ジュビロ磐田 vs 湘南ベルマーレ」 超主観的振り返り
ジュビロ磐田選手会長の松本昌也の問いかけに、バックスタンド埋め尽くした約3000人の小学5・6年生が声高らかに叫んだ声は、夕暮れになりかけたヤマハスタジアムの空に響き渡りました。
2024年5月25日。J1リーグ第16節。
ジュビロ磐田は、ホームヤマハスタジアムに湘南ベルマーレを迎え撃ちました。
この日は「磐田デー」
年に一度の磐田市小学生一斉観戦授業の日。
2011年から毎年行われているこの授業は今年で13回目(2020年はコロナ禍のため中止)。
小学生の「ジュビーロ磐田!ジュビーロ磐田!」の甲高い掛け声や、懸命にタオマフを振る姿。その光景は壮観で、感動を覚えます。
歳を取ったのか、そんな光景を目にするだけで涙ぐんでしまう私。
小学生の応援は、選手達の闘志に火を点けるのか、昨年までの成績は、9勝3敗。勝率は7割5分。メチャ高い勝率!
私は小学生と共に歓喜の瞬間を迎えるべくヤマハスタジアムに参戦。
結果は、
3-2で磐田の大逆転勝利!
年に1回あるかどうかの劇的な試合を一斉観戦授業でやってしまうとは。小学生にこんな試合を見せるだなんて、ジュビロに沼る小学生増えるぞ、こりゃ。
しかし、決して手放しで喜べる試合内容ではありませんでした。
波乱の湘南戦を振り返ります。
スターティングメンバー
ジュビロ磐田
前節ホーム浦和戦で、殊勲の同点弾を放った金子翔太は今節もベンチスタート。一方で、古川陽介が2試合ぶりにベンチ入り。替わりに石田雅俊がベンチ外となりました。
湘南ベルマーレ
ルキアンと鈴木雄斗。
2021年に磐田がJ2優勝したときの主力だった2人。ルキアンはJ2得点王に輝きました。
鈴木雄斗は、2022年のJ1アウェイガンバ大阪戦でJ2降格が決定した直後のインタビューで悔しさのあまり涙を流していたのが今でも忘れられません。そして、その翌年2023年のJ1昇格に大きな貢献をしてくれました。
そんな2人が、磐田の前に敵として立ちはだかる姿は、正直言って見たくなかった。私の心が狭いのかもしれませんが。
プロの世界では仕方が無いことだとは頭でわかっていても、いざヤマハスタジアムで磐田とは違うウェアを着て練習する姿は、やっぱり辛かったです。
試合開始前のコイントス。
湘南のキャプテンマークを巻いていたのは鈴木雄斗でした。移籍初年でキャプテンを任されるなんて、さすがですね。磐田時代に親交が深かった山田大記とコイントス前に笑顔でハグする姿は、感慨深いものがありました。
開始13秒の悲劇。ルキアン先制弾。
私のnoteで何度も書いてますが、磐田の負けパターンに陥る「試合開始直後の失点」。一斉観戦授業では「絶対やるなよ」と思っていたのですが「やってしまいました」
しかもルキアンに。
あまりの突然の事に、声を出してしまい、頭を抱えてしまいました。
私もジュビロ磐田の試合を観戦して6年目ですが、1分経たずに失点するシーンは記憶にありません。
横内監督も試合終了後のインタビューで、
とコメント。
やっぱり、課題として認識していることがうかがえます。その課題がよりによって小学生一斉観戦授業で出てしまうとは。
悔し過ぎるよ。
ルキアンのゴールセレブレーションは控えめ。古巣に気を遣ったのかな?という感じはしましたが、なんとも残念な立ち上がりになってしまいました。
悲劇は続く。PK献上
その後も湘南が優性に試合を運ぶ展開が続きます。
前半25分、スルーパスに抜け出した福田翔生選手がボックス内でドリブル。リカルドグラッサが出した足に躓く形で転倒した福田翔生選手。PK献上。
ルキアンの先制弾にショックを受け、今度はPK献上。
もう川島永嗣に止めてもらうしかない!
キッカーは福田翔生選手。
ヤマハスタジアムには「川島!川島!川島!」のコールが。
福田翔生選手がゴール左側に蹴ったボールに反応した川島永嗣は横っ飛び!
川島永嗣がPKを防ぐ!
ヤマハスタジアムのジュビロサポーターは大盛り上がり。
しかし、主審の様子がおかしい。
VARのジェスチャー。
なんとPKやり直し
現地で観ていた時には、何でやり直しなのかよくわからなかったんですよね。後でDAZNで見返したら、川島永嗣がゴールラインを踏んでいなかったということがわかりました。
確かに映像で見るとゴールラインより前に出ていましたね。
再びビッグセーブを期待し、神に祈る思い。
しかし、さすがの川島永嗣でもPKの場面で連続してビッグセーブすることはできず、2失点目。
せっかく小学生が来てくれたこの日に、このままでは終われない。失点の仕方があまりにも良くない。これ以上の失点は試合を決してしまいかねない。
このままでは終われんよ。
山田大記が動く。
PKで失点した直後。山田大記が動きました。
フィールドプレーヤーに声をかけ、円陣を組みました。
このシーンは、昨年のホーム東京ヴェルディ戦でも見られました。
失点直後に山田大記を中心に円陣を組み、戦う方向性の一致を図りました。結果、上原力也が同点ゴールを決めてドローに持ち込みました。
その再来ともいうべきシーン。
山田大記は試合終了後にインタビューでこの円陣を振り返っています。
冷静に問題点を見出し、選手にその場で共有して修正を図る。山田大記の存在の大きさを改めてうかがえる場面でした。
磐田ゴール裏からは「反撃の歌」が。
小学生の応援を背に「磐田の反撃」が始まります。
山田大記が反撃のゴール!
前半アディショナルタイムに入った49分。ボックス内で平川怜がヒールでパス。そのボールを受けた山田大記が仕掛けてニアにぶち抜くシュートで磐田1点を返します。
GKのソン ボムグン選手は殆ど動けず。それくらい強烈なシュートでした。
この試合を振り返って、前半に1点差に縮めたことが非常に大きかった。
山田大記はすぐさまポジションに戻って小さくガッツボーズ。
マテウスペイショットの同点弾!
1-2で前半を折り返した磐田。
後半16分には、金子翔太と古川陽介をピッチに送ります。
金子翔太が期待に応えるプレー。ドリブルで運び左前方へパスをだし、ボールはマテウスペイショットへ。ゴール右側へ流し込んで同点!
試合開始早々のルキアンのゴール。
せっかく止めたのにやり直されたPK。
前半の悪夢のような出来事が一気に払いのけられそうな思い。
遂に振り出しに戻した磐田。
ここまで来たら絶対に勝とう。
小学生達に最高の試合を見せてあげよう。
最後のヒーロー レオゴメス
試合終了間際の後半41分。
金子翔太が右サイドの植村洋斗にパス。その植村洋斗はクロスを上げ、マテウスペイショットが競り合いそのこぼれ球が、後方へ。そこへ待ち受けていたのはレオゴメス!
胸トラップで受けたレオゴメスはボックス外からミドルシュート!
ボールはディサロ 燦シルヴァーノ選手に当たりましたが、その勢いほとんど変わらずそのままゴールに突き刺さり遂に逆転!!
ヤマハスタジアムは大歓声の渦!
レオゴメスは、ゴールが決まった瞬間バックスタンドへ向かって駆ける。そこには暑い中一生懸命背中を押してくれた小学生の大応援団が待っていました。
遂に、遂に逆転。
トップスコアラーだったジャーメイン良が負傷で離脱して以降、得点力が一気に下がった磐田でしたが、山田大記、マテウスペイショット、レオゴメスと3人で3得点。
昨年のように全員で点を取りに行く形がようやくできつつあることが本当に嬉しかった。
一時は、惨敗の可能性もあり得た試合でしたがよくぞ逆転した磐田。
試合終了のホイッスルが鳴り響き、試合終了。
敗戦ならば降格圏に一気に近づく可能性があっただけに、湘南ベルマーレから勝ち点3を奪ったことは今シーズン振り返った時にターニングポイントにもなり得る結果であると思います。
なにしろ、小学生に勝利を届けられたのが良かった。
最高の試合を見ることができたね。
次節に向けて
試合終了後、横内監督はバックスタンドへ向けて駆けていきました。
小学生の大応援団に対して深々と頭を下げ、選手達の背中を押してくれた事への感謝の気持ちを伝えました。横内監督の人柄がうかがえる場面です。
そして勝利試合後に歌われる「勝利は続くよ」
通常はホームゴール裏に向けて行われるのですが、小学生一斉観戦授業のときは、小学生が待つバックスタンド前で行われます。
例年通り小学生と「勝利は続くよ」を歌った後、選手達はそのままロッカールームに下がると思っていたのですが、川島永嗣がゴール裏に向かって歩いているのが見えました。
何か選手達に向けて「こっちこっち」というような仕草。
川島永嗣は、小学生だけでなく、改めてゴール裏サポーターと一緒に「勝利は続くよ」を歌うためにやってきたことがわかりました。
「勝利は続くよ」2回目!
初めての経験でした。
川島永嗣の心意気が嬉しかったですね。
そして、磐田の脅威となったルキアンと鈴木雄斗。
敗戦の悔しさで一杯だったと思うのですが、磐田ゴール裏サポーターへ挨拶に来てくれました。
ありがとう。ルキアン、鈴木雄斗。
サッカー選手、そして人間性においても素晴らしい選手であったことを改めて認識しました。
試合終了後のロッカールームの様子が【Go on.】 episode33:小学生一斉観戦授業 勝利!で公開されました。
やはり横内監督は立ち上がりの失点について、本気で見つめ直さなければいけない事を伝えていました。
ここが改善できるだけでも、磐田は勝ち点もっと積み上げることができるはず。後半追い上げる火力はもっている磐田なので、もっと優位に試合が進められるような戦いを期待したいと思います。
よくぞ逆転した横内磐田。
今回は「ブラボー」で締めました。
次節は、6月1日アウェイでサンフレッチェ広島と対戦。強度、早さともリーグ随一のチーム。横内監督もかつてコーチとして所属していたチーム。
厳しい上位陣との戦いになりますが、湘南戦勝利の勢いで勝ち点3を上げましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。
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