好きな本屋が復活していた件について、2
思えば怒涛という言葉がピッタリな五月だったのです。
たったひと月前の話ですが、本当に遠い記憶のように思えます。そう言えば色々ありましたね。ちょっと色々ありすぎてあまり覚えていません。嘘です。
親から出禁を食らい、友人に会い、悩みを聞き、話をし、さらに素敵な出会いとちょっと堪えられない別れがありました。
他方で、自分を見つめ、過去を振り返り、振り返らなくてもいいところまで振り返り、他と比べ、不安になり、安心し、また不安になりました。
私は強くなって弱くなりました。
全部好きになって、全部嫌いになりました。
そんな毎日でしたので、流石の私でも知らない内にもう完全にダメになっていました。
「無理」という何か恐ろしく足を引っ張ってくる化け物が私を食べてようとしていた…カッコつけて書いてるように見えますが、もう食べるという表現が一番しっくりくるくらい、もうそれだけでした。
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あっ、今日は無理な日だ。
目が覚めた瞬間、体も心もそう直感しました。
もう何も動きません。動きたくありません。
こうなれば人間本当にダメです。何回かこの経験はあるので私は分かります。
こういう時は諦めて自分を甘やかすしかありません。
今日は四限だけ授業があります。でもレジュメは配られているし出席も取りません。つまり一度くらいサボっても何ら問題は無いということですね(賢明な読者の方々はちゃんと授業に出ましょう)。
よし!今日は大学をサボっちゃおう!
と気持ちを切り替えたはいいものの、本当に何もしたくありません。
家にいるのも何か違う気がします。どうしよう。
ゆっくりと自分の心に、今何が欲しいのか、今必要なものは何か問いかけます。
すると、ぼやぼやと浮かんできたのは、本です。
なるほど、私は本が読みたいんだな。ふむふむ。もう少し聞かせておくれ。
その後もあれこれ思案していると、どうやら私はゆっくり本に囲まれて時間を忘れていたいようです。しかも美味しいものも食べたいとのこと。
ということはブックカフェが良さそう!
と思いたった私は大阪にあるブックカフェを調べます。
蔦屋書店は人が多すぎるし、小さすぎるところは逆に落ち着きません。いい塩梅のところを探していました。
そして、天王寺にブックカフェ的な小さな本屋さんができたと少し前に誰かが言っていたことを思い出しました。
何の気なしに調べて出てきた名前は、
「スタンダードブックストア」
スタンダードブックストア…っていうのはあのスタンダードブックストア…?閉店した情報がたまにそのままになってしまっているアレかな?でもちゃんとホームページあるしな……ええ…嘘でしょ…
ということで、私はあの大好きな空間と何年越しかのとんでもない再会を果たしたのです。
つづく
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