マーダーミステリーとはどのようなものか?
先日、舞台のお話をさせていただきました。
あ、現在はアーカイブ配信もモリモリやっていますので(12/31まで)ぜひご覧いただけると嬉しいです!
https://twitter.com/madalove_stage/status/1574232429531131904
今回は、舞台用に作ったマーダーミステリーのシナリオを、実際に舞台を組み上げる脚本や演出の方々に「マーダーミステリーをどのように説明すれば理解してもらえるのか?」と悩んだ時、咄嗟に出てきたセンテンスの紹介と、その意味と言いますか「結局マーダーミステリーってこういうものだよね」という部分をつらつらと書きたいなと思っています。
思い出したものをポンポンと羅列していきますので、あまりまとまった内容にはならないかも?先に謝っておきます。
ごめんなさい!
マーダーミステリーは犯人を分からせるゲームではない
これは、マーダーミステリーを実際にこれから作ろうと考えている人にも言いたいことなのですが、マーダーミステリーは「犯人を分からせるゲーム」ではないんです。
実際に舞台で「良かれ」と思ってやられていたことが
1.脚本で情報を脚色し分かり易くしてしまった
2.進行役(GM)のキャストの方が推理誘導をするように話題を振っていた
ということなのですが、個々の情報は計算して作っています。(計算して作ってください)故に、用意した情報でプレイヤーがどのように動くのか?どのような話題になるのか?その話題はどのくらい時間を使うのか?その結果、どのような気付きやアハ体験を与えられるのか?等々を既に考えて組んでいるものを改変されてしまうと作品として成り立たない可能性が高くなってしまうんですね。
そこに「正解に導く」という要素はありません。ぶっちゃけ、犯人がプレイヤー内に居る以上、親切に作り過ぎては犯人役にアンフェアです。犯人は分からなくても良いのです。
もちろん、推理導線はしっかりと作っておく必要がありますし、そのパーツを必ず提示する必要もあります。しかし、用意するのはそこまで。あとはプレイヤーが「どのパーツ同士が結びつくのか?」「結んだ結果どのような推理が成り立つのか?」「その推理からどのような回答が導けるのか?」といった気付きの連鎖のあるゲーム。それがマーダーミステリーです。
これが意外と理解されない。
やっぱり「推理ものなら役者が解いて当たり前」というイメージが強いようで苦戦しました。
シナリオ(ハンドアウト)はルールブックである
まあ、厳密にはちょっと違うかなとは思いますが、シナリオの内容を結構ダイナミックに書き直された際に、「シナリオは、文章である故、物語が書いてあるだけのように見えるかもしれませんが、これはゲームのルールブックだと思ってください」と言っていました。それだけ重要なことが無駄なく綴られているものだと考えて欲しいという意味を込めて。
シナリオにはキャラクターの心情面なども綴られていますが、重要なのは、そのキャラクターの行動や、随所に散りばめられた情報の欠片であって、内容を把握していない人が見たら「不要な情報」に見えても、それが大小さまざまな伏線、嫌疑拡散の種、あるいは推理導線に繋がる情報であったりします。そういったものを、ひとつひとつ積み重ねて作るのがマーダーミステリーのシナリオです。
下手したらちょっとした接続詞の違いだけでも、推理導線に成り得ます。意外と繊細。
今回の舞台用シナリオも、結構色々な伏線や小ネタ、そして心情の動きに対応するようにキャラクターを行動させています。しかし、難しいのは、小説やドラマと違って、その「仕掛け」となる部分は、1人のハンドアウトを読んでも見えてきません。全員のハンドアウトを読み、それを読み解くことでしか知り得ない情報が多々あり、作者以外が正確に全てを把握するのには時間を要するでしょう。舞台であれば、演出にも関わって来るので、共有する時間をとるのが正解だったなと後になって思いました。
メチャクチャでいい
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マーダーミステリー白書
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