安いコンテンツにしたくない
最近、マーダーミステリーが少しずつ広まって、認知度も1年前に比べれば格段に上がったと思うのですが!
SNSでの反応を見ていると、「安くて(なんなら無料で)」「少人数のシナリオ」ばかり探して遊んでいる方が結構見受けられて、正直「それで良いの?」と思っています。「それで良いの?」は、遊ぶ側に対しても、提供者側に対しても抱いている所感です。
正直、このままだと「マーダーミステリー」というジャンルが「とても安いジャンル」になってしまいます。
と言うのも、中国の版元から、こんな連絡を受けました
中国はコロナの自粛で、巣篭り作家がとても増えた。
作家が増えてシナリオも増えたことで、良いシナリオと悪いシナリオの取捨選択がとても難しくなった。正直、素人作家が増え、クオリティの低い作品で溢れかえっているが、どれも安価で提供されている。店舗は集客も難しくなっているので、クオリティ度外視で安いシナリオを買う、もしくは自分で作る傾向にあるため、シナリオの販売に苦戦している。
まあ、話半分に聞いているのですが、なんか、日本も似たような感じじゃないか?と感じました。
クオリティは価格からある程度伺える
価格というのは、制作側が定める「その作品の評価」であると私は考えています。もちろん、趣味で作っても良い作品はあると思いますが、自信があれば、趣味であっても相場程度の価格は付けているでしょう。
つまり「無料」というのは、最終的な作品の善し悪しというより、制作側として「自信が無い」「ちゃんと出来ているか分からない」「趣味で作っているという免罪符」などの側面があると思います。「廉価」もその程度の違いかなと。
もちろん、戦略的な意味(プロモーション)を持たせる場合もあるかもしれませんが、そのような作品は今のところ、あまり見かけません。
マーダーミステリーって結構作るの大変だと思うんですよ。
「こんなの簡単に作れるよ」って人は「本物の天才」か、「マーダーミステリーのような何か」を作っているのかなと思うんですが……どうなのでしょうか。
天才はさておき、作るのが結構大変なマーダーミステリーを、制作側はそんなに安価で、あるいは無料で提供していいのかな?と。
もし、それが趣味の範疇で、あまり成立していない作品だとして、そういう作品を遊ぶことも、プレイヤー側に本当にメリットがあるのかな?と。
コンテンツは、そのジャンル自体にある程度の価値が無いと、それ以上発展することはありません。私は、マーダーミステリーを知ってもらうことも大切ですが、その過程で、コンテンツの価値をちゃんと高めること、或いは、維持する事をしないと、どんどん廃れていくと思っています。
特にマーダーミステリーは他のコンテンツと違って、コンテンツとして脆弱です。遊ぶためには人数が必要で、それなりの時間を要するコンテンツです。一生に一度しかできないため、その一度がpoorな体験になってしまえば、そこに居たプレイヤー全員の時間を浪費したうえに、後味の悪いものになります。
同じく一生に一度しかできない「謎解きゲーム」と類似する部分もありますが、謎解きであれば、一人でもできますし、せいぜい1時間程度の時間で完結します。マーダーミステリーに比べれば幾分カジュアルです。
脆弱なコンテンツだからこそ、もっと大切に育てて行かなければいけないのではないでしょうか。
まずは市販されているパッケージか、公演で遊んで欲しい
このご時世であったり、住んでいる地域であったり難しい面もあるかもしれませんが、マーダーミステリーは、何が何でも、まずはSNEさんなどが市販されているパッケージを入手して遊ぶか、店舗で公演しているシナリオを体験して欲しいなと思います。
最初の体験がオンラインだった方は、本当にオフラインで遊んでほしい。そこには、レベルの違う楽しさが待っています。
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マーダーミステリー白書
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