マーダーミステリーの読み合わせって必要?
マーダーミステリーにて、プレイヤーが自分のキャラのセリフなどを順番に発言する「読み合わせ」ってよくありますよね?
アレって、みなさん楽しんでやっているのでしょうか?
私はまったく楽しいとは感じられず、なんなら「嫌い」ですし、ゲーム上、私的には不利益があるので「やめてほしい」とすら思っています。
ただ、あまりそういう声が聞かれないので、今回は私の「読み合わせが嫌いな理由」をつらつらと書いていきたいと思います。もちろん好きな人もいると思いますので「こういうヤツもいますよ」ってくらいの話です。
セリフが情報として入って来ない
一番の理由はこれです。読み合わせは大抵、その場で渡された本を読まされます。私は役者でもなければ、演じることを趣味の延長でやっているわけでもないので、本を渡されたら、「自分の順番はいつか?」「何を喋れば良いのか?」が気になって文章の内容が全然入ってきません。
また、他のプレイヤーについて、私は比較的役者の方とプレイすることが多いですが、それでもブツブツと細切れになって耳に入ってくる文章は、前述の理由もあいまって、全く頭に入りません。
結局、あとから読み返さなければならず、正直、ゲームをするうえで不要な時間を過ごした気分にしかならないのです。
人によっては、この読み合わせで感情移入が出来、ゲームがより楽しくなるのかもしれませんが、私はそんな余裕が生まれたことはないんですよね。残念ながら。
興が削がれる
エンディングの読み合わせは、最も嫌いなもののひとつです。
エンディングの読み合わせは、感動を誘うマーダーミステリーに多いような印象がありますが、少なくとも私は素人です。素人の朗読で感動させるって相当じゃないでしょうか?
もちろん上手く読み上げる方はいますが、私はそうではないのです。周りが上手ければ上手いほど、プレッシャーを感じますし、私は混ざりたくないんです。
だからと言って、みんな下手な朗読でエンディングとか、すごい興を削がれませんか?どっちに転んだら楽しめるのでしょうか?
たまに、泣いたり笑ったりを演じさせられるんですが、私がやってもギャグにしかなりません。特に笑う演技って難しいんですよ。要求値高すぎると感じます。
気軽さがどんどん損なわれている
値段と人数のハードルがあるので、そもそも「マーダーミステリーは気軽なコンテンツ」と言えないかもしれません。
それでも、ゲーム性自体は、経験者と初心者の差が出にくく、解けても解けなくてもよい(プレッシャーが低い)ことから、全体的にハードルの低いゲームだと私は思っています。
むしろ、そう感じたからこそ「これは流行る!」と思って日本で展開しました。
しかし、後に「演じる」とか「没入」というハードルが変に設けられ、プレイのハードルが高くなってきていると思います。
一方で、前述の内容を受けて「プレイヤー依存度の上昇」「推理放棄」「エモ一本道シナリオ」といった作品が多くなり、制作ハードルはどんどん低く見積もられるようになっているとも感じます。
結果どうなっているかと言えば、「プレイハードルは高い(演じることを要求される)」一方で、いざ遊んでみると、ゲーム性は皆無で、最大数「楽しい」を取りに行くのではなく、マイノリティでも「イイハナシでした!」と喜んでくれる人をゲットしに行っているのかな……みたいな作品ばかりになったなって印象です。
これは、短期の戦略的には正しいです。悪い評価はSNSには出て来ないため、たとえ8人プレイのゲーム中、たった1人しか楽しいと思わなくても、その人の心に深く刺されば、そのテンションで拡散されるわけですから。
長期の戦略的には正しくないです。「刺さらなかったその他大勢」を生み出し、コンテンツの衰退に繋がります。
そして、「イイハナシでした!」すら、読み合わせが興を削ぐため、享受できる方をかなり限定し、マイノリティを加速させる気がしてならないのですが、あまりそういう声が聞こえないところを見ると、みなさん楽しさをブーストできるほど素晴らしい演技力(読み合わせ力)をお持ちか、プレッシャーを感じない鋼鉄の心臓を持っているのだなぁと。本当に羨ましいです。
もちろん自身は棚上げです
私の作る作品がどれだけの人に「楽しい」を提供できているのか?はもちろん棚上げです。ちょっと正確には分からないので。
ただひとつ言えることは、私は8人プレイヤーがいたら、8人全員を楽しませたいと思って作っていますし、その方法論を常に模索しています。
その模索のなかで、前述した「プレイヤー依存度の上昇」「推理放棄」「エモ一本道シナリオ」という内容は、「プレイヤー全員に楽しんでもらう作品作り」には反する道だとも感じていて、今回の主題である「読み合わせ」も私のなかでは同列だなと感じている次第です。
結局「私は嫌い」という話です
「読み合わせはダメだ」と言うつもりはありません。ただ、もし「読み合わせって没入するツールとして優秀だよね」って考えで作っている作者の方がいたら、読み合わせを「不要な負荷」「かえって没入できなくなる」と考える人間もいる「みんなが好きなわけじゃないんだ」ってことを、頭の片隅にでも置いておいてもらえればなぁ~という願望noteです。
とにかく読み合わせをしたくない、しがないオジサンより。
ここから先は
マーダーミステリー白書
マーダーミステリーについて私(かわぐち)の考えや、ちょっとした情報などを書いて行こうかと思います。
サポートは今後のマーダーミステリーの制作に使わせていただきます。それ以前に、サポートは皆さまのダイレクトな応援なので本当に励みになります。ありがとうございます!