見出し画像

マーダーミステリーって何ぞや?

こういう事を書くとポジショントークと言われてしまうかも知れませんが、そう言われたとしても、書くことで良質のコンテンツが出て来てくれる可能性がほんの少しでも上がるなら、書きたいと思います。

ちなみに、私もマーダーミステリーを作っていますが、正直「自分の作品に全く自信はありません」だって、自分で自分の作品はプレイできないですから……でも、だからこそ、「マーダーミステリーは何故面白いのか?」「どこが他のジャンルと違うのか?」ということばかり毎日考えていて、なんとかニアリーイコールくらいの答えを出したいと思っています。今日はそんなお話です。

最低限の構成要素

「マーダーミステリーの定義」みたいなものって、みんな決めるの避けたがる傾向があると思っていて、要は、「自分の作っているそれが、定義にハマらなかったらどうしよう」とか「既存の枠を超えることこそ生きがい、定義などクソくらえ」みたいな方が多いのかな?と思うんですが、例えばラーメンなら、麺がスープに必ず浸かってるわけで、スープが無ければ、それはラーメンではなくて、つけ麺だったり油そばだったり、別の呼称になるわけです。増して、麺がなければただのスープですね。

同ジャンルに於いての独自性って、ラーメンの味付けやトッピングみたいなもので、根本にある麺やスープの除外ではないと思うんですよ。麺がスープに浸かっているから、私たちはそれをラーメンと認識できるし、そこがブレないからこそ、ラーメンという単語だけでイメージを共有できるのではないでしょうか。

マーダーミステリーの今って、特に、去年くらいからこのジャンルに飛び込んだ人にとって、ともすれば「ラーメンが出てくるって聞いていたのに、スープだけ出て来た」って事が結構あるのではないでしょうか。

それが美味しいとかマズいとかって話ではなく、「求めていたものと違う」というアンマッチが発生していると思います。そして、それを「アンマッチ」と認識できるのはまだよい方で、それが初見だった方の中にはスープをして「これがラーメンか!」と思われる方も居れば、「スープじゃ腹膨れないからもういいかな」と離れて行ってしまう人もいるようで心配しています。

これが「美味しんぼ」とかなら山岡史郎が「俺が本当のラーメンを食べさせてやるよ」とでも言って、来週へ続くってなもんですが、現実はそうは行きません。初見が合わなければ離れて行く一方です。もちろん、普通にマーダーミステリーを遊んでも合わずに離れて行く方は居ると思います。でも、それは、本当にジャンルが合わなかったということなので、仕方ないとも思います。

定義を定める意義

定義をちゃんと定めることによって、ジャンルとしての共通認識を得られると共に、もう一つ大きな意義として「このジャンルが新しいジャンルである」ということを謳うことが出来るのではないでしょうか。

ありがたいことに、マーダーミステリーは、週刊少年ジャンプで取り上げていただけるほどになりました。これは、このジャンルに少なからず新規性が認められたと言えると思います。「こんな新しいコンテンツがあるんだよ!」という見せ方が出来るのは強みです。

既存のジャンルとの融和路線を勧めようとする方の方が多いように私からは見えていますが、個人的には、境界をあいまいにすることなく、ちゃんと定義を作って一つのジャンルとしてシュリンクし、新規ジャンルとして確立していく方が、プロモーション的にもメリットがあると考えています。

マーダーミステリーの定義

マーダーミステリーの定義ですが、「私が考える」と一応書いておきます。
初めてプレイした「王府百年」がどういうゲームであったか、そこにはユーザーを魅きつける何があったのか、どこに新規性があったのか、ということを考えたとき、私自身マーダーミステリーを作るうえで、最低限の要素であると感じているものです。

1.推理
2.ストーリー
3.ジレンマ
4.コントロール
5.確定処理
※これら要素が全て含まれ、バランスよく組まれているもの。

日々アップデートしていて、5番は「あいまいさ回避」という観点で、あった方が良いなと最近思っている項目です。

「定義」と書きましたが、定義的な部分は1~3かなとも思っていて、4~5については、定義と言うよりは、ゲームとして最低限担保する「面白さに直結する部分」かもしれません。ただ、これら要素を組み込まないと、なかなかゲームとしてプレイヤーの納得を得られない部分であり、いま、最も損なわれている部分であるとも感じます。

ここから先は

2,478字
読みたい方に届いて欲しい。そんな内容をつらつらと書いて行きます。

マーダーミステリーについて私(かわぐち)の考えや、ちょっとした情報などを書いて行こうかと思います。

サポートは今後のマーダーミステリーの制作に使わせていただきます。それ以前に、サポートは皆さまのダイレクトな応援なので本当に励みになります。ありがとうございます!