言語との情事――ナボコフ『ロリータ』
作家ウラジーミル・ナボコフは、自身の小説『ロリータ』を、「私と『英語という言語』との情事の記録」であったと振り返りました。
ここでは、そのナボコフの一節をこねくりまわすことで、はじめて『ロリータ』を読んだ(そして読み切れなかった)感想の代わりとしたいと思います。
「情事」というワードが意味するものが、主導権を握り握られ、支配することが服従することであり、服従が支配であるようなシーソーゲームであるなら、「言語との情事」という表現は『ロリータ』にぴったりです。
語り手ハンバート