加藤典洋が論じた「ねじれ」
今回の課題本は加藤典洋『敗戦後論』でした。
有名な本でしたが、初めて読みました。たしか前回の読書会で、「社会や政治、特に現代の日本の状況に通じる本」ということで決まったように思います。
加藤は、日本の戦後には「ねじれ」があると書いています。ねじれとは、矛盾から発生するちぐはぐな事態を指します。代表的なのが、平和のためには武力を持たないとする憲法を、米軍の武力による威圧の下に制定したという矛盾、そして戦争の最終的な責任者であった昭和天皇が免責され、部下のみが死刑となったという