運用日記:2020年11月21日~2020年11月28日 統計的裁定取引の危険性と対処法
今週は、仮想通貨市場は、本当に上に吹いた後、バブルが崩壊したような動きになりました。自分は統計的裁定取引で攻めておりましたが、乖離があまりにも広がっていくため、BitflyerFXショート、現物ロングのポジションで流石に勝つのは無理だと思い、一旦システムを停止し、マーケットを再研究することにしました。
では、一緒に分析していきましょう!
2020年11月21日0時~11月28日0時(ロンドン時間)のマーケットと統計的裁定取引の危険性
まずはグラフの説明ですが、上から順に以下の通りです。-は引き算、/は割り算を意味します。
・BitflyerFX-Liquid (Ask-Bid, Bid-Ask)
・BitflyerFX/Liquid(Ask/Bid, Bid/Ask)
・Liquid (Bid-Ask)
・BitflyerFX (Bid-Ask)
少し前までは鞘が2万円ちょっとで落ち着いていたんですが、この一週間の鞘がとんでもなく広がりましたね。これが業界で言う所謂「股裂き」です。
先週も実は結構乖離はしていて、統計的裁定取引が難しいとは言っていたのですが、今週はその日じゃないくらい乖離していたので、正直今週はBOTの運用を止めて良かったです。
また、BitflyerFXが一時期現物よりも5%以上高くなって、通称「SFD」が発生したのですが、5%付近のSFDは理論上は買い手にとっては不利過ぎるので、よほど買い圧力が強くない限りは、暴落する兆候はあります。
5%付近に到達したのは、確か11月24日の午後だったと思いますが、この時Liquidの方もBitflyerの現物に対して恐ろしく高値となっておりました。
恐らく理由としては、LiquidのBTCUSDの価格にも原因はあったかもしれませんが、別の理由としてLiquidとBitflyerFXの裁定取引を行っている人も多く、ここで鞘が大きく生じたものと思われます。
つまり、BitflyerFX > Liquid > Bitflyer-SPOTという状況となっておりました。
個人的に、ここまで価格差が広がると短期間で平均回帰するイメージはあまり見えないので、あまり積極的にアーブをやるというイメージは沸かないのですが、短期でならどうにかなるのでしょうか...(笑)
対処法
マーケットメイクするにしてもヘッジするのに結構リスクを感じるレベルの動きですが、ただ、チャンスと言えばチャンスなので、どこまで値幅を取るか考える必要があります。
例えば、時刻T時点でBitflyerFX-Liquidの価格差が50000円だとして、BitflyerFXではLiquidの価格に対して+55000円に売り、+45000円に買いを入れればヘッジ出来るのでしょうか。
それを調査するために、一応、bitflyerFXが1分間で取引履歴(Last traded price)で5000円以上動いた場合と、Liquidの価格の関係を見ていきたいと思います。
思ったより結構ありましたね。
一週間って10080分あるので、1227は凡そ12%なので、7分に一回くらい5000円幅動いていたってことになります。とんでもない一週間でしたね(笑)
この図は一番上からbitflyerFXの最良気配、価格差、価格差の1分間の差分、背景色は1分間で値幅が5000円以上あった所ですが、3段目のグラフで、5000円以上変化していれば間違いなく勝てているのですが、ヘッジが1分間遅れたとしても勝てている場所が数か所しかなさそうです。すぐにヘッジしたら勝てるんでしょうけど、数秒間のレイテンシーや特にボラティリティが上がっている時はレイテンシーが増加傾向にあるので、ヘッジの難易度がより厳しくなります。ヘッジにかかるレイテンシーをボラティリティとして考慮しても、その時間中は、皆がヘッジしようとするので価格が一方方向に行くため、むしろボラティリティは低いです。なので、やはり、今のマーケットでは、複数取引所はSOR(Smart Order Routine)としてコスト削減に使うしかないのかもしれません。
なので、デルタをまた取ろうと思いますので、実稼働にはもう少し研究します。来週も損益の報告は出来るか分かりませんが、何かしら研究は進めたいと思います!
では、今週もお疲れさまでした。
良い週末を~
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