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砂漠を横切るラクダのように【1】






この魔法を最大限に使えるのは――

今、

この“夜明け前”の私。







・1・

「あなたが今これを読んでいるということは、わたしはもう――」という物語のはじまりなら、あちこちに転がっている。確かに、人の心を動かしたければ『悲劇』を利用するのが手っ取り早い。そこには魔力が宿りやすく、言葉は重みを増して受け取られていく。
 しかし、今のところ私には『死の予定』は入っていない。……さっそく、がっかりさせただろうか? 冒頭数行、ここで手を止め本を閉じるのも、この先へとページを捲るのも、貴方次第。貴方の自由――。できることなら私としては、他人の人生の貴重な時間を無駄に奪いたくはないから、これから貴方が費やすであろう時間とエネルギーに見合うだけの“何か”を提供できるよう、内なる可能性を最大限にひらく覚悟で誠実にこの物語を綴っていけたらと思うのだが……まずは、その強い意志で臨む決意を、ここに記したい。
 そう、いつだって肝心なのは「信頼」を得られるか、それが最初の鍵となる。そして私はまだ、この物語がどんなふうに展開していくのかを知らない。……だから、ここからは内なる湖水に潜り込み、言葉を紡いで紡いで、道すがら、そして最後にどんな景色が私を待つのか――大いなる“物語の意志”に身を委ねてみようと思う。
 では、はじめよう。



* * *


【2017-08-12 18:34/まだ獅子座の季節、太陽の季節なんだろう?】
 仙台、連日雨。じわじわ雨。まだまだ雨。梅雨明けしたのかどうかもわからぬまま「もう秋なのか?」「このまま秋なのか??」な日々が続いてる。
 夏布団のままなので長袖を着て寝てるくらい、冷たく湿った灰色が心にも体にも浸み込んできて……すっかり暗い。じっとり重い。
「まだ獅子座の季節だよね?」
「本当は太陽の季節なんだよね??」
 あまりにも元気が出ないので、ブログを書くことにした。
 布団の上でゴロゴロしていてもますます暗くなるだけだし、図書館から借りてきた本はもう、2冊いっき読みしちゃったし。熱いお茶で体を温めながら、これを書く。

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“はじめまして”のnoteに綴っていたのは「消えない灯火と初夏の風が、私の持ち味、使える魔法のはずだから」という言葉だった。なんだ……私、ちゃんとわかっていたんじゃないか。ここからは完成した『本』を手に、約束の仲間たちに出会いに行きます♪ この地球で、素敵なこと。そして《循環》☆