『バベットの晩餐会』
19世紀後半
重苦しい雲と 暗い海に 押し潰されそうな
デンマーク辺境の 小さな漁村。
厳格なプロテスタント牧師である 父の仕事を
献身的に手伝う 美しい姉妹のもとに
パリ・コミューンで 家族を失った
バベットという 謎の亡命女性が 家政婦として 身を寄せます。
やがて 14年の 月日が流れ
父が亡くなり 年老いた信者たちの心に
小さな諍いのタネが 芽生え始めたことに 心を痛めた姉妹は
亡父の 生誕100周年を祝う 晩餐会を思いつくのですが…。
折しも 宝クジで
1万フランの大金を当てた バベットの
『晩餐会にフランス料理を作りたい』という 願いを聞き入れたものの
彼女が用意した 贅沢な食材に
質素な生活を 旨として来た 信者達は
天罰が下るのでは…と 戦々恐々。
ネタバレに なるので
私の拙い ストーリー紹介は ここまで✋
最後に 予告編を ご覧くださいね。
質素な台所で
バベットが 腕を振るう 料理の数々。
生まれて初めて 目にする 贅を尽くした料理に
戸惑いながらも 魅了されていく顔・顔・顔。
『美味しい』を 禁句にしても
幸福感で 満たされていく テーブル。
ワインを 噛みしめるように 味わう女性の
林檎のような頬っぺが 落ちそうなシーンを
ぜひ ご覧ください。
すべての料理を
作り終えた バベットが
立ったまま ワインを 飲み干すシーンは
新井満氏の エッセイにも 取り上げられていますが
惚れ惚れと 痺れます。
タイトルから 推測して
コンセプトは 『美味しい料理は人を幸せにする』でしょ?
…と 浅はかだった私。
バベットの この一言で 撃沈しました👊
『芸術家は 貧しくありません。』
この意味深長な 台詞について
誰かと 静かに語り合いたい。
そんな 忘れられない作品です。