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たかのてるこさん

タイから帰国したすぐ後、友だちと企画していたイベントも、申し込んでいた瞑想合宿も中止になって、ぽっかりスケジュールが空いた時期に一気に読んだのが、まとめ買いしていたたかのてるこさんのエッセイだった。

一冊ずつそれぞれの国を訪れるつもりでゆっくり読もう…と思っていたのだけれど、一冊開いたら止まらなくて、一週間足らずでむさぼるように三冊ともあっという間に読み終えてしまった。

体はほとんどずっと家にいて、淡々と仕事をして棚の片付けをしてご飯をつくってお風呂に入って…みたいな生活を続けているのに、頭はキューバとチベットとモロッコ(この順番で読んだ)に立て続けに旅をしているような、なんだか不思議な時間だった。

チェンマイでの日々の最後の方は特にめまぐるしくて、いつも誰かに会ってせわしなくしていた。だから、帰国してからの静かな生活を結構気に入っていたのだけれど、冬の日本はやっぱり寒くて何となくしゅんとする日もあって、私の中の一部はチェンマイのにぎやかで色鮮やかな時間を恋しく思っていたのだと思う。
たかのさんの文章は、おひさまみたいにあたたかく、あかるく、迷いなく、その部分を満たしてくれた。

たかのさんの旅のしかたは、地球にハグしてまわっているみたい。
どこに行っても、その土地に全身全霊で飛び込んで、出会った人たちとめいっぱい心をひらいてかかわっていく。好奇心いっぱいの新鮮なまなざしでとらえた世界はいいところも悪いところもひっくるめてカラフルで、きらきらと輝いていて、すごく魅力的で、ワクワクする。

人も世界も、こんなに愛されたら、たかのさんに向かってひらいていっちゃうよなあ!と思う。

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