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なぜ塩、なぜ月桃なのか。③ ゲットーと月とわたし

「オレたちは、先に島に住んでるってアドバンテージがあるんだぜ。何かつくって、売るんだよ。置いときゃ、自分が動かなくても、稼いでくれるんだぜ?」


下地空港がオープンする、ちょっと前のこと。
つまり2年くらいは前かな?

伊良部島在住のパイセンRちゃんが、
皆で島のゆるキャラ考えてる感じの
のどかなお酒の席で、
そんなようなことを
宣った。

必殺技「プロデューサー」持ちの彼はこのとき
ナチュラル発火でいい仕事をしていたと思う。

その場に居た人、
みな素直に「そりゃそうだあ〜」と、
何を売るか?
それぞれの案を出し合っていた。

赤ちゃんも使える地球に優しい日焼け止め。
キッチン・カー。

素敵案が飛び交うなか、
私はすぐにピンと来るアイディアもなく
む〜ん、と止まった。


「何か」を売るって、
そうカンタンなこっちゃ、ないよね。

その「何か」をすっごい好きで、
「愛」とかがないと、
無理だよね。

島にあふれる「何か」で
私にも、加工できそうで、
私が「愛」を感じるもの。

あるとすれば。

「月桃」

それ以外に、思い当たらなかった。



最初に住み込んだ職場のマッサージ屋での

いちばん好きな仕事は、

庭のお花を摘んで来てガラスの器に飾ることと

月桃の生葉を切って沸かしてお茶にすること。

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お庭からの摘みたての植物を

惜しみなく飾ったり口にしたりできることの豊かさたるや

都会っ子の乾いた骨に染み渡った。

「月桃の葉を取って来て」

と言われて最初のうちは

「ティー・リーフ」と月桃の違いがわからず

よく間違えて取って来た。

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☝️これらが月桃

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☝️こちらがティーリーフ フラダンスのスカートに使う葉っぱ


今見ると、ぜんっぜん、違う。


暗闇にだんだん目が慣れるみたいに、「自然」に慣れていった。


視界に入る植物の多様さ。

鳥たちの声。


生まれ育った場所とは段違いの大自然の情報を、

処理できるようになっていったんだなと、思う。


で、月桃でだ。


何ができる?


★ 石けん・・・つくってる人、いっぱい居る〜

★化粧水・・・これも、居る〜

★酵素水・・・香りがないと、つまらん〜

★ろうそく・・・香りがするくらいにエッセンシャルオイル使うと、たいへんなことに〜

★紙づくり・・・たいへんそう〜


私はどうやら、ナチュラルな香りを残したいらしかった。

そして
エッセンシャル・オイルを使わずして
いい感じに香りをキープするのは、難しかった。


ち〜ん。。。。


私と月桃をつなぐサムシング

それ以上詰めて追われることなく、

宇宙のどっかに棚上げされて、

忘れられて。


すっきりすっかり、忘れられて。



忘れたことも忘れた頃に、

圧がかかった。


「どうするどうなるサバイバル圧」

俺宇宙を

きゅ〜っ!


て、圧ったんだな。

2020年4月某日に。


で、落っこちて来たと。



以上が、

私と

「月桃」が

間合いをつめていくことになる

物語の起。



音としての「げっとう」との出逢いは、

また15年くらい前に、遡る(笑)


<つづく>


  

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