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中国現地で食べたほうが旨いもの(2)

新型コロナ渦直前、2019年末頃から広州で流行っていた「卜卜貝火鍋」。
ご覧のような鍋料理。鍋底にぎっしりと敷き詰められている貝は皿貝。通称・白貝。日本海側の寿司店では刺身にされるそう。
中国語では「卜卜貝」。ぐつぐつ煮てぱかっと開いた時の音が「卜卜」(bu3bu3)が名前の由来だとか。
大手日系企業様では、こうしたローカル料理店(「現地メシ屋」とも言う)でのアテンドを禁止しているケースもあるらしい。まあ、海鮮系なおかつ貝系は避けましょうという理屈も分かるが……。

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皿貝そのものは、クセがなく、歯ごたえがあり、貝独特の旨みもアサリなどに比べ、あっさり気味。酒の肴には少し物足りない。

とはいえ、テーブルに運ばれてきたとき、卜卜貝たちはまだかろうじて活きている。だから殻が閉じている(というのが店の売り)。手に持った時にずっしりと重く、殻の表面に艶があるのは新鮮な証――と自慢された。

(本家本元の卜卜貝火鍋専門店・もちろん自称が、雨後の筍のように広州に乱立した。それだけ模倣が容易なので、皿貝自体は調達容易な養殖ものだと思われる。栄枯盛衰のスピードは、日本のラーメン店の比ではない。)

写真(上)のように、殻ごと煮たので、ちょっと海の風味が尖ったスープに、常の火鍋と同じ要領で、肉や野菜、きのこ類を足していく。〆は麺類が王道。

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そして、この料理もまた、 注文が簡単。中国現地で食べたほうが旨いもの(1)と同じように、写真(上)のような注文用紙で注文する。

貝の追加がまた安い。客に貝のサイズを選ばせる。小20元ぐらい、大30元ぐらい。服務員が、煮立ったスープにどさどさとぶち込んでくれる。

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一応、訪れた店をご紹介。「自称・元祖」。10月末の夕方は1時間待ち。

中国現地の「ぽっと出」料理は、正真正銘のの元祖が儲かって、一攫千金を当てたオーナーが勝ち逃げを考え始めた頃、模倣され始まったタイミングが、安くて旨いと思う。価格競争が始まり、商機を規模拡大に見い出したオーナーが、多店舗展開し始める頃には、かなり残念な「当たりはずれ」の差が出てくる。ある意味、法則かもしれない。

(客の前で具を足す「過橋米粉」もそうだった。ちなみに日本人向けの日本料理店は、この法則が当てはまらない)

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