週一回は出したいシリーズ:「聖王 終わりの移民」 1-3
【前書き】
皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。
連載漫画に考えていた企画を、今「小説家になろう」の掲載中です。
面白いと思っていただけたら、そちらも読んで頂けると嬉しいです。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/
少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。
【聖王 終わりの移民】1-3
「イントロダクション③」
作:カナモノユウキ
《登場人物》
・高瀬タケル(20)大学に通うヤマトの親友、自分勝手なところもある。
・大継ヤマト(20)タケルの親友、大学では友達も多い。タケルとは真逆な性格。
聖王 終わりの移民
《~イントロダクション③~》
――恐る恐る、面を顔に近づける。未だに自分の状況は理解できない。
自室でアプリを開いただけなのに、妙な空間に入ったような感覚と、明らかに元の場所じゃない空間。
そしてこの何ともゲームの様な流れ、戸惑いはあるけど身を任せる以外の選択肢しか浮かばないし。
パニックになったところで、ヤマトの死の真相は掴めない。…この先に進まないと。
面に覆われた顔は、意外にも圧迫感は無く、寧ろ馴染んでいるぐらいだった。
「!?」そう思ったのも束の間、面はへばりつく様に高等部まで広がり、顔どころか頭もろとも飲み込まれた。
「…え?コレ?マスク??」
また視界が奪われる…いい加減明るくしてほしい、暗いの苦手なんだよ…。
『ヨウコソ、選バレシ戦士。貴方ヲコレカラ見定メル。』
暗闇からアナウンスの様な声が響いたと思ったら、頭を締め付けられるような激痛が走る。
「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
っぐ!何だよこれ!!…頭の中全体を掻きむしられてるみたいな痛さだ!
「ぐうううううううう、痛いなら!最初から言えよな!」
『貴方ノ【アラヤ】ヲ見定メタ、貴方ハ〝サバイバー〟デアリ〝勇者〟ダ。ソノ能力ハ〝不屈〟デアリ〝勇敢〟。』
「は?アラヤ?サバイバーに勇者?…僕の能力てことか?」
『ソシテ武器ハ、〝ナイフ〟、〝錆ビタ剣〟ノ二ツヲ与エル。』
「何だよ、ナイフは分かるけど…錆びた剣って。ただの鈍らってことかよ…。」
『貴方ノ理想ノ友ヲ得ラレルコトヲ、切ニ願ウ。』
「…〝理想の友〟?」
アナウンスが終わったと同時に、やっと暗闇から視界が開けて明るい場所が眼前に広がる…。
暗闇続きで最初は視界がぼやけていたが、徐々に場所の輪郭がはっきりし始める。
見慣れた映画館のロゴが書かれた壁面が見え、独特な大きな建物…ここは、〝札幌ファクトリー〟だ。
「何で急に…何となくファンタジーなオープンワールドな場所が舞台だと思ったのに、リアルな場所かよ…。」
ヘルメット内部に先ほどとは打って変わって近未来的なディスプレイが浮かぶ。
「なんだ?…《スタート、三十分前》って。」
ゲームが始まったわけではないのか…まぁプレイヤーが揃わないと始まらないよな。
この時間で、何かできること…って言うか、僕そもそもイントロダクション以外このゲームのこと知らなかった。
どうにかルールとか確認出来ないかな…このヘルメット越しに操作でルールとか見れないのかな?
――《ルールを確認しますか?YES・NO》――
「おわ!…え、考えただけで表示が出てきた?えっと…〝YES〟で。」
《ルール説明。》
1、プレイヤーは総勢十三名の他プレイヤーと殺し合いを行います。
生き残った者、即ち勝者一名のみが【理想の人間を想像する権利】を与えられます。
2、【アラヤ】は最大三つ装備可能。
倒したプレイヤーが自身の未所持だった【アラヤ】の場合、取得する権利が得られる。
3、【アラヤ】を失くしたプレイヤーは失格となり、その首は儀式の贄となる。
ちょっとまて!…〝その首は贄となる〟って何だ?
深読みかもしれないけど、これって…ヤマトの首が無かった事と関係あるのか?
「おお、随分とシンプルな形じゃないかい。」
急に話しかけられた先に、何とも言えない鳥の様なデカい被り物の人が立っていた。
「え?おわ!…何ですかその被り物。」
「いやいや、アンタもだし。」
「え?」
自分の姿が見えないから自分が今どういう姿なのか気に掛けてなかった。
近くの建物に映った自分の姿は…〝妙にデカいヘルメット姿の変な奴〟…それにしか見えなかった。
ロボットの様な、でもこの被り物のデザインどっかで…。
「な、何ですかコレ。」
「【造化の面】だよ。ほら最初に着けたろ?各々の【アラヤ】によって形はバラバラだから一緒じゃないけどね。」
「あの、貴方もプレイヤーなんですよね?」
「そうだよ、俺は町村ツカサ。アンタは、初見さんか。」
「あ、はい高瀬タケル…です。あの…何なんですかココ。コレってゲームなんですよね?」
「グイグイ聞くねー、流石初見さん!まぁ気になるよね~。スマホ弄っただけなのにこんなとこ来ちゃってるしね。」
「それもそうですけど…この被り物もそうだし、分かんないことだらけで…。」
「ルールは確認した?」
「あぁ、まだ最初だけですけど…。」
「なら最初の一行だけ分かってれば大丈夫だよ。俺たちはこのあと、〝殺し合い〟をするだけなんだから。」
続く
【あとがき】
最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。
元々は漫画のネタなので、何だか説明が足りないなと感じつつも。
荒っぽくても楽しんでもらえるようにと。
頭を雑巾のごとく振り絞って書いてますm(__)m
完走まで頑張るので、応援して下さると嬉しいですm(__)m
何卒、宜しくお願い致します。
※面白いと思っていただけたら、こちらから続きが読めます。
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では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。
カナモノユウキ
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