ルポ 京アニ放火殺人事件
今日は「ルポ 京アニ放火殺人事件」というテーマの文章を書きたいと思います。
まだ3分の2ほどしか読めてませんが、いま、この本を読んでます。朝日新聞出版から出てます。
2019年、京都にある「京都アニメーション・第一スタジオ」で起きた放火殺人事件を追ったルポルタージュです。
犯人は青葉真司。
現在、大阪拘置所に勾留されており、今年の一月に死刑が確定。しかし、弁護側はこれを不服とし、控訴し、今後、大阪高等裁判所で審理が行われるとのこと。
5年前に起きた凄惨な事件で、私も強く記憶に残ってます。この男が一人で京都アニメーションスタジオにガソリンを持ち込んでライターで火を付けて、放火。
結果的に36人もの命を奪い、重軽傷者32人を出した、日本社会を大きく揺るがした事件。
この本は青葉被告が育った家庭環境や学生時代のこと、これまでの経歴、生き方、そして、犯行に至った経緯や動機、また、裁判の様子や発言などが克明に書かれており、この本を読めば「事件の大筋」は理解できます。
あと、裁判において、被告から犯行に至った経緯や動機などが述べられるシーンが書かれてあるのですが、その時の裁判所内の空気やその場にいる被害者の方々の心境を想像すると、かなり辛いものがありました。
被害者から被告に対して投げかけられた言葉なども出てきます。。
この本を読んで思ったのは、人間が社会的に孤立したり、経済的貧困に陥ったり、夢や目標が完全に絶たれたり、嫉妬を抑えられなくなったりなど、それらが総合的に重なり合い、それが一定ラインを超えてしまうと、こういう事件を起こしてしまう「土壌が生まれる」ということ。
もちろん、こんな事件を起こした犯人が許されるはずがありませんし、裁判の最終結果を待ちたい所ですが、「なぜこんな事件が起きたのか」を知ることはとても大事なことだと思います。
なので、この本を手に取って読んでみました。
今回、京都アニメーションに自分の作品が盗作された、と被告が思い込んでたのが犯行に至った動機として語られておりますが、仮に、本当に彼の作品やアイデアが盗まれてたとしても、もし彼が「満たされた生活」を送っていたなら、こんな事件は起きなかったかもしれません。
ストレスや不安、不満が蓄積し、そして、社会的にも満たされなくなると、人は孤立しがちだし、最悪、誰からも相手にされなくなってきます。
彼には、アニメーターになる夢や目標があった。
つまり、前向きなエネルギーを持ってた。
でも、その夢や目標が絶たれた。
好きだったものに裏切られた気持ちになったのでしょう。。。
最後に、被害者としてはかなり辛い出来事だっただと思います。
被害者の方のご冥福をお祈りいたします。