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富山の旅 ふたたび

 いつもお読みいただき、ありがたうございます。玉川可奈子です。
 年度が変はりました。しかし、私の部署は変はらず、今年も苦しい一年になりさうです。

 今回は、観光列車ながらの旅の続編になります。

 どうか、最後までお楽しみください。

美濃太田駅から岐阜駅、さらに乗り継いで米原駅へやつてきました。ここから特急しらさぎ59号に乗ります。このしらさぎ59号には停車駅がなく、次の敦賀駅が終点です。さう、この日は三月十六日。ダイヤ改正の日です。余談ですが、米原駅の駅員さん、「特急しらさぎ59号、金沢行き云々」と放送してゐました。慣れないのでせう。
敦賀駅に着き、在来線ホームから新幹線ホームへ行きました。一番列車だけは混みますが、それ以外はあまり混まないのが新幹線。ここから富山駅まで、かがやき16号に乗ります。
物々しい雰囲気の敦賀駅。なんだか殺風景に感じます。しかし、けふ開業の駅です。ソハソハした感じはどことなくします。
かがやき16号の座席。座り心地は良いです。窓側に座り、陽の沈んだ北陸路を眺めてゐました。それにしても、福井県が近くなつたのは私にはありがたいことです。
敦賀駅を出発して間もない車内の様子。開業日なのに、閑散としてゐます。金沢駅でにはかに乗客が増えました。車窓を見ると、ぬばたまの闇の中。そして、富山駅に着きました。
富山駅で夕食。駅にあつた立山そばで、うどんとそばを合はせた一杯をいただきました。トッピングにはとろろこんぶ。富山県では、おむすびにとろろこんぶをまぶすさうですね。食後、駅近くのホテルに泊まりました。
翌日、あいの風とやま鉄道に乗ります。「あいの風」はこちらの方言で東から吹く風のことです。大伴家持が『万葉集』にそのことを歌にして残してくれました。この列車に乗り、高岡駅へ向かひます。前の富山の旅も併せてお読みいただけたら幸甚です。
高岡駅前には、大伴家持の像と歌碑があります。「もののふの 八十をとめらが 汲みまがふ 寺井の上の かたかごの花」と書かれてゐます。かたかごの花はカタクリのことで、『万葉集』で唯一のカタクリの歌です。寺井は勝興寺といはれてゐますが如何でせう。
高岡駅のまはりをしばらく散策し、大仏を見た後、ホームに向かふと来ました。目的の列車、べるもんたです。一両編成の可愛い列車です。この列車に乗り、氷見駅へ向かひます。
今回の座席です。進行方向右側は海がよく見えます。特に、雨晴駅あたり、有磯海が絶景です。なほ、左側には小さな厨房があり、寿司職人さんがお寿司を握つてゐます。
高岡駅を出発して間もなく、予約してゐたプチ海鮮丼が届きました。白えびなど、ご当地のお魚を使つた小さな海鮮丼で、とても美味しいです。なほ、値段は三千五百円です。隣の席の方が、うらやましさうな顔で見てゐました。
氷見駅に着き、折り返して雨晴駅に来ました。駅から少し歩くと、道の駅があります。目の前は海岸。この地は源義経と弁慶の故事で知られてゐますが、大伴家持もこの海に親しみました。レストランで、氷見うどんとピリ辛な白エビまんをいただきました。
海岸に降りてみました。雨がパラパラと降つてきたので長くはゐませんでした。カップルの姿も目立ちました。ここに来るのは二度目ですが、相変はらずの絶景です。晴れてゐれば、遠く立山も見えてきます。
雨晴駅に戻りました。駅に着いた頃に、雨がにはかに強く降り出しました。ここから氷見線に乗り、高岡駅、さらに富山駅へ戻ります。素敵な景色を楽しめ、寒いのに心の中はぬくぬくです。
かつての富山港線にして富山ライトレールに乗り、岩瀬浜駅まで来ました。展望台に登り、岩瀬浜一帯の街並みを眺めました。この地は北前船の交易で発展しました。その名残が街を見てゐると随所にあります。
東岩瀬駅まで歩きました。趣ある駅舎が良いですね。旧駅舎でのんびりする間もなく、富山駅へ行く列車に乗りました。次の目的地は公園です。
富岩運河環水公園に来ました。良い公園で、富山の街の魅力を再認識しました。水辺にくつろぐ水鳥の姿に癒されます。
しばらく公園を散策した後、富山駅にある白えび亭で白えび、ぶり、ホタルイカの天ぷらの乗つた天丼をいただきました。お昼のべるもんたから、たくさん食べてゐる気がします。
サア、東京に帰ります。かがやき514号ですが、車内はそれなりに混んでゐました。上野駅を通過して、八時過ぎに東京駅に着きました。なかなか充実した旅でした。

 最後までお読みいただき、ありがたうございました。

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