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えちごトキめき鉄道の夜行急行に乗つてきたヨ ふたたび

 いつもお読みいただき、ありがたうございます。玉川可奈子です。

 私の好きなえちごトキめき鉄道の夜行急行列車が九月も運転されるといふことで、迷ふことなく乗りに行きました。

 一体、何度目?といふ疑問はさて置き…(二度目です)。好きだからこそ、何度も乗るのです。

 どうか最後までお付き合ひください。

旅立ちは上野駅。身体が疲れてゐて、夕方前まで相撲を観ながら家でゆつくりと休んでゐました。それゆゑ、出発は遅めです。旅人にとつて新幹線の行先の表示は、いつ見ても心惹かれますね。
うろうろしてゐたら、無人のラーメンスタンドがありました。時間がないので食べるのは自重しましたが、興味があります。とはいへ、疲れから食欲が落ちてゐます…。
ホームで待つてゐたら、目的のはくたか571号が来ました。車両はJR西日本の持ち物でした。ところで、能登半島では大雨の予報が出てゐました。甚大な被害にむらきもの心を痛めてをります。真幸くありこそ、と願ふばかりです。
食欲がありません。かつサンドのみいただきます。目的地へと向かふ車内で、大の里関優勝の報せがありました。大関確定ですね。そして、列車は定刻に上越妙高駅に着きました。
駅を降り、すぐに釜ぶたの湯へ行きました。いつもより長めにサウナに入りました。ここのサウナは玉川との相性が良いですし、アルカリ性の温泉も私好みです。掛け流しではありませんが、ぬるぬるして好きなお湯です。
風呂を出て、ぬくぬくになりました。駅に戻るとえちごトキめき鉄道の乗り場近くに直江津レールパークの案内が貼つてありました。ここもいつか行つてみたいものです。
ホームで待つてゐたらスカ色のET127系が来ました。初めて乗ります。なほ、この列車、「おかえり上越1号」といふ愛称が付いてゐます。
直江津駅に着くと、目の前のホームには北越急行のゆめぞら号がゐました。
階段を上がると、可愛いトキテツくんがゐました。ぬくぬくです。いつも忘れないようにしたいのは、お金持ちだから、仕事ができるから、勉強できるから偉いのではありません。心の中がぬくぬくで、正直であること。神様に恥ないやうに生きることこと、それが尊いと思ふのです。
直江津駅の待合室には、田中酒造の能鷹が並べられてゐました。しばらく眺めてゐたら、二十一時十分、受付が始まりました。
受付を済ませ、駅近くのセブンイレブンで買ひ物をし、いざ列車へ。半分消えてますが、22:00の妙高高原駅行きのイベント列車がソレです。ワクワク。
ホームに行くと、列車がゐました。再会です。
サボが新しくなつてゐました。情報量が増えてますが、「夜行急行」の感じが可愛くて良いですね。
先頭の455系にはヘッドマークが付いてゐました。今夜は「山陽」です。かつての信越本線と北陸本線を山陽とはこれ如何に、と言ひたいところですが斬新で良いです。
車内に乗り込みませう。455系の中には相変はらず祠が鎮座してゐます。ささやかですが賽銭箱に奉納しました。百円玉捧げたら釣り銭出てくる人生が良いと柏手を打ち願ふことはしませんでした。
今宵の宿は、モハ412-6です。確か、年末年始もコレでした。その時はボックス席でした。
お見送りのトキテツくんがゐました。可愛いです。
今宵の座席(寝床)ですが、このロングシートです。前から乗つてみたかつた待望のロングシート。前にIGRいわて銀河鉄道の銀河列車で乗りましたが、今回の乗り心地は如何でせう。
サア、そろそろ出発です。車内へ戻りませう。駅員さんとトキテツくんが見送つてくれます。
記念品をたくさんいただきました。今回は、ミントタブレットとキーホルダーが付いてゐました。列車は22:00、定刻に直江津駅を出発しました。
純米ではありませんが、駅近くのセブンイレブンで手に入れた能鷹をいただきます。一日二杯の酒を呑み、肴は特にこだはらず…。目立たぬやうに、はしやがぬやうに、似合はぬことは無理をせず、LINEもやらず、ワクチンも打たず、群れることなく、腐つた低俗な芸能界に背を向けて、好きな誰かを思ひ続ける時代おくれの女でありたいです。なほ、「時代おくれ」を作詞した阿久悠先輩は、大学の大先輩です。
今回もお夜食はお寿司です。直江津なのに江戸前とはこれ如何に。では、開けてみませう。
今回は鉄火巻きでした。美味しいです。
玉川の荷物ですが、このトートバッグ一つだけです。周りを見渡すと、大きなリュックやゴロゴロカート、まるで夜逃げのやうな男性がたくさんゐます。私はロングシートを横向きに座り、見えない窓の外を眺めながら、能鷹をいただきました。
二本木駅に着きました。
ところで、駅名標示板に記された日本曹達といふ会社、プールの殺菌消毒で使ふ日曹ハイクロンを作つてます。給食業界の方ならお馴染みの次亜塩素酸、その錠剤です。
車内を見渡すと、夜行列車らしい落ち着きぶりです。
車両の端には、古い鉄道地図が掲示されてゐました。これ、何時間でも眺めてゐられます。
横になつて天井を見るとこんな感じです。むかし風の中吊り広告も良いですね。
妙高高原駅に着きました。外は涼しいです。
列車の写真を撮るため、多くの乗客が外に出てカメラを向けてゐます。私もその中の一人。時刻は間もなく二十三時です。
往年の夜行列車も、このやうな感じだつたのでせうか。玉川、夜行列車はどうしても、いはゆるブルートレインとムーンライトながらの印象が強いのです。
そろそろ直江津駅に戻ります。玉川、横になつてすぐに寝てしまひました。ロングシートの寝心地ですが、狭いので寝返りが困難なのと、この車両の座席は程よい柔らかさなのがちやうど良かつたです。
目を覚ますと、直江津駅に着いてから三十分くらゐ経つてゐました。少し構内を散策してゐました。
今宵もサービス満点です。何にしませう。なほ、後ろのケーブルですが、前に来た時にはなかつた携帯電話充電コーナーです。
君の井とかぼちやジェラートをいただきました。君の井は純米ではないので、持ち帰つて料理酒にします。できるならば、純米をいただきたいものです。ささやかなこだはりですが、玉川、お酒はぬるめの燗ではなく純米、または二階堂の吉四六が良いのです。あと白州…。
ジェラートはほんのりかぼちやの味がします。甘くて美味しいです。このジェラートを作つてゐるのは、板倉ジェラートといふところです。
アイスをいただいた後もホームをしばらく徘徊して時間を潰してゐました。夜の駅の雰囲気、好きです。玉川、若い頃に大館駅、吉松駅、八代駅で駅寝をしたことがありますが、当時を思ひ出します。
駅名標が往時を偲ばせてくれます。
1:20頃。いよいよ、日本海ひすいラインへ。車内は薄暗くなりました。横になつて目をつぶるとぬばたまの夢の中へ。
4:10頃。目が覚めて夢のあと、そこは地の底、筒石駅でした。
名立駅もまだ暗闇の中でした。
4:46。直江津駅に帰つてきました。楽しい夜行列車の旅が終はりました。
夜行列車の役目を終へたこの列車、今度は妙高高原駅行きの始発列車になります。いはゆる「夜行くずれ」です。ほとんどの夜行列車の乗客が車内に残りました。
北新井駅に着いた頃、ほのぼのと空が明けてきました。
二本木駅を出て、南へ下るところです。黄金色の実りが、過ぎ去りし夏と秋を感じさせてくれませう。
夜明けの妙高高原駅に着きました。昨夜と違ひ、遠くの山々が素敵です。
折角なので、車両を変へてみませう。
455系のボックス席に移りました。座るとにはかに眠くなります。
同じ景色をまた眺めます。山にかかるもやがなんともいへず幻想的です。間もなく二本木駅です。
二本木駅が近くなるの、山にかかるもやが濃くなつてきました。仙人でも現れさうです。
上越妙高駅に着きました。外は雨。玉川、ここで降ります。ありがたう、455系。またきつと乗りに行くよ。
昨夜に続き、また釜ぶたの湯に来ました。じつくりサウナに入りました。整ひタイムで眠気に襲はれます。
お風呂を上がり、帰りの新幹線を待ちます。晴れてゐれば、谷浜駅や有間川駅に行くつもりでしたが生憎の天気です。明日からまたお仕事もありますので、帰ります。上越妙高駅の反対側の出口には、上杉謙信の像がありました。
新幹線に乗る前に、駅弁を買ひました。にしんめしか鱈めしで悩みます。さて、玉川はどの駅弁にしたでせう?
帰りなんいざ。新幹線に乗り込みます。
上の答へは、二大将軍弁当(1,800円)です。雪中梅(純米)と共にいただきます。『老子』には吝嗇の大切さが記されてゐますが、贅沢は私の味方。黄泉の国にお金はもつて行けませんし、児孫のために美田は買ひません。
苦手なものもありましたが、みがきにしん、美味しいです。
車窓は川中島駅のあたり。旅の終はりは切ないものです。しかしながら、えちごトキめき鉄道の夜行列車は何度乗つても楽しいものです。また行くことでせう。

 最後までお読みいただき、ありがたうございました。

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