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鉄道で振り返る令和五年

 いつもお読みいただき、ありがたうございます。玉川可奈子です。

 令和五年は、私にとつて、鉄道の年でした。今まで乗つてゐなかつた各地の私鉄、第三セクターに乗ること北は札幌から南は那覇まで…。鉄道に乗るためだけに、東奔西走いたしました。

 正月はリバティりょうもうで赤城駅に行き、二月には芝山鉄道、山万ユーカリが丘線、東葉高速鉄道に乗りました。少しずつ、全線完乗に向けて動き始めた結果、令和五年十二月二日十三時四十分に、わが皇国の鉄道に全て乗りました(軌道路線)。

 今回はそのことをダイジェストで振り返ります。どうか最後までお付き合ひください。

令和五年三月。週末パスを利用して鳴子温泉へ行きました。姥の湯のお湯で、日頃疲れた心身を労りました。そして山形鉄道に乗りました。写真は赤湯駅。フラワー長井線といふだけあり、可愛い花のラッピングがされた車両がとても素敵。車窓ものどかで癒されました。帰りに、峠駅で立ち売りの方から力餅を買ひました。只見線に乗つて帰る予定でしたが、運休のため果たせませんでした。
四月には、飯田線秘境駅号(373系)に乗りました。写真は田本駅。崖の下にある駅で、周囲に生活感はまつたくありません。他にも、金野駅、小和田駅などのすごい「秘境駅」を訪ねることができました。373系との再会、そしてワイドビューチャイムに泣きそうになりました。帰りは、豊橋鉄道全線を乗り潰しました。
五月には、この年に廃止になつた奥出雲おろち号に乗りました。写真は三段式スイッチバックで知られる出雲坂根駅。延命水も有名です。私の大好きなキハ120系と奥出雲おろち号。両車が並ぶ姿はもう見ることはできません。よく晴れた五月晴れの下、ぬくぬくな旅でした。備後落合駅にも行きました。
奥出雲おろち号に乗つた翌日は、鳥取の若狭鉄道に乗りました。写真は若桜駅。水戸岡氏のデザインによる車両は内装が見事でした。沿線の駅は、木造の素敵な駅舎ばかり。帰りは鳥取駅から大阪駅まで特急はまかぜに乗りました。日本海の絶景に癒されました。
五月七日、高松駅に着きました。前日の夜、東京駅からサンライズ瀬戸に乗り、夜の東海道と瀬戸の海を越えてはるばる四国に来ました。雨とはいへ、瀬戸大橋を渡る時、ウキウキしました。まるで空の上を翔けてゐるみたいです。座席はノビノビ座席でした。
琴電を完乗しました。写真は高松築港駅。さぬきうどんをいただき、金刀比羅宮を拝し、金丸座を見学しました。高松も時間がある時にゆつくり巡りたいものです。その後、特急しおかぜに乗り松山駅へ向かひました。
五月八日。道後温泉で身を清め、伊予鉄に全て乗りました。梅津寺駅より見る海の美しさは今も忘れてません。帰りに、特急しおかぜから熱田津といはれてゐる海を見、日の暮れのしまなみ海道をバス(しまなみライナー)で通りました。
七月。高知県の宿毛駅に来ました。写真は宿毛駅。天気には恵まれませんでしたが、雨の太平洋もまたをかし。ここから、土佐くろしお鉄道ととさでん交通に乗り、乗り継ぎ乗り継いで室戸岬に行きました。雨の降る室戸岬もまた趣きあるものでした。
とさでん交通も完乗しました。写真は伊野駅。途中、はりまや橋ではペギー葉山の「南国土佐を後にして」の素敵な歌碑を見ました。また高知にも行かなくてはいけない用事ができてしまひました。
海の駅東洋町にて、ここから世界初といふDMVに乗りました。甲浦駅から鉄道に早変はりする様にわくわくしました。徳島からバスで神戸に出ました。明石海峡大橋を渡りました。神戸クアハウスに泊まり、翌日は神戸電鉄や地下鉄、北条鉄道、ポートライナーなど神戸一帯の鉄道を完乗しました。
新型車両を用ゐた特急ひだにも乗りました。車両の見た目の良さも素敵ですが、車内メロディのアルプス牧場に感動しました。この時、富山駅でつながつた富山地方鉄道にも乗りました。ひだに乗る前に名古屋で地下鉄を一部分だけ乗りました。
八月は鹿児島へ行きました。写真は鹿児島駅。大西郷と増田宋太郎の奥津城を拝し、鹿児島市電に全て乗りました。さらに、阿蘇の方へ足を伸ばして、復旧した南阿蘇鉄道にも全て乗りました。高森駅のニコニコ饅頭が美味しかつたです。
熊本市電、そして熊本電鉄にも全て乗りました。ここは北熊本駅。まさかの銀座線との再会です。いつも地下にゐるこの車両に、熊本で会えるとは不思議なものですね。
福岡では、延伸した七隈線に乗りました。わづか一区間ですが、一苦労でした。これで、九州の全路線を完乗しました。博多駅から500系ののぞみに乗り、新岩国駅を目指しました。
念願の錦川清流線に乗りました。写真は錦町駅。山も川も美しく、心から楽しめました。マスコットキャラクターのニシキーも可愛いし、車両も素敵。ぬくぬくになつた路線でした。
錦川鉄道の翌日は、広電に乗るために、宮島口駅に来ました。わづかな区間ですが瀬戸の海も見えました。路面電車は、人と人と、人と駅との距離が近く私は好きです。
広電横川駅。途中、原爆ドーム前では、怒りに震へました。広電完乗後は広島縣護国神社を参拝し、さらにアストラムラインに乗りました。広島駅から瀬野駅に行き、近々廃止されるスカイレールにも乗りました。帰りは遅延した岡山駅からサンライズ出雲に乗りました。この旅から帰つて間もなく、人生初の武漢熱にかかりました。
九月。ここは福井電鉄の三国港駅。いつも、勝山駅方面ばかり利用してゐましたので、芦原温泉や三国港方面に行くのは初めてでした。三国港駅は駅舎も素敵ですが、駅前の海も美しく楽しいところでした。
えちぜん鉄道を完乗し、小浜線を経て京都丹後鉄道に乗りました。写真は豊岡駅。天橋立や由良川橋梁など、素敵な車窓を楽しみました。
名所旧跡を訪ねない京都旅行をしました。トロッコ列車から眺める保津峡は絶景でした。この後、阪急や地下鉄にひたすら乗つてゐました。
叡山電鉄に乗り、鞍馬駅へ。貴船神社も参拝したかつたのですが、素通りしました。近江鉄道に乗る計画を果たせず、私としてはぐだぐだな京都旅行でした。この後、石山寺駅へ行きました。
京都の翌日は明知鉄道に乗りました。写真は岩村駅での列車交換。山辺の道に似た景色、二度の峠越え、忘れ難き車窓に心の中ぬくぬくになりました。明知鉄道から、愛知環状鉄道と天竜浜名湖鉄道にも乗りました。
武漢熱で開業日には乗れませんでしたが、宇都宮LRTに乗りました。ものすごい混雑でしたが、この素敵なLRTがこれから宇都宮の発展を支へてくれるでせう。新鮮な旅でした。
夜勤明け、遠州鉄道に乗つてから和歌山まで行きました。連日のパンダくろしおです。写真は御坊駅。紀州鉄道に乗つてから、しばし列車を待ち、来たのがこのパンダくろしおサステナブルトレインです。頭に乗る子パンダが可愛い。
念願かなつてWestExpress銀河に乗りました。写真は新宮駅。生まれ変はつた115系。豪華だけどシンプルな内装。長い旅でしたが、美しき紀伊の海、そして山に癒されました。今度は夜行で出雲市駅まで乗つてみたいものです。
「銚子電鉄を救ひたい」と思ひ、外川駅にやつてきました。銚子に来る前に千葉都市モノレールも完乗し、夕暮れの銚子路に心を踊らせました。
なかなか乗るのが困難だつた近江鉄道に乗りました。列車の記憶よりも、額田王が「あかねさす紫野行き…」と詠んだ蒲生野の地を車窓から眺めることができたことが感激でした。
阪急も全線乗車しました。時折、ちいかわのヘッドマークを付けた車両に会へて驚きます。大阪モノレールや地下鉄など、関西圏の鉄道に全て乗ることができました。おーん。さらに阪神もアレして良い一年です。はつきり言ふて。
日帰りで明日香に行くために、乗つた列車はなんと特急しまかぜ。大和八木駅まで乗りました。豪華な座席に感激です。久し振りの明日香は曇り空でしたが、袖吹き返す明日香風を堪能しました。
十月、秋田県の由利高原鉄道に乗りました。朝日に照らされた車窓の美しさは皇国の原風景を思はせます。机がつけられたロングシートは便利でした。矢島駅でフリーきつぷを買つたところ、もう一枚いただけたのはよい思ひ出です。ぬくぬくになりました。
由利高原鉄道の吉沢駅。なんと素敵な景色でせう。この年に私が撮つた写真の中で、もつともお気に入りはコレです。
由利高原鉄道に続いて、秋田内陸縦貫鉄道にも乗りました。ここは角館駅。多くの支那人客も、車窓の美しさに感嘆するほどです。風に散るもみぢ、色付く山々、ほんたうに素敵でした。
木古内駅から、道南いさりび鉄道に乗りました。かつての江差線。その車窓は素敵な夕暮れの海。ただ乗つて海を眺めてゐるだけで楽しく、ぬくぬくになれました。この日は、さらに函館市内の路面電車にも乗り湯の川温泉に泊まりました。
札幌では、地下鉄と路面電車に全て乗りました。ここはすすきの駅。まだまだ雪は降らなくとも寒い北海道。路面電車を一周して、北海道の鉄道を全て乗りました。
念願叶つて、長良川鉄道に乗りました。写真は北濃駅。桜の咲く頃は、さぞ楽しきことでせう。長良川辺の美しい景色と郡上の山々は、この路線を好きになる理由になりました。次はできるならば相見し人と観光列車ながらに乗り、尋ねたいものです。
長良川鉄道の後は、二日かけて名鉄に全て乗りました。ここは碧南駅。ずつと電車に乗りつ放しでしたが、私は苦にしません。しかし、またやりたいとは思ひません。二日間使へるフリーきつぷのお陰で、無事に名鉄、名古屋市営地下鉄、リニモ…の乗り潰しができました。
十二月二日。最後の最後に残つた沖縄都市モノレールに乗りに行きました。終着のてだこ浦西駅にて、長年の夢を叶へました。てだこ浦西駅に着いた瞬間の感動は今も忘れません。思はず涙がこぼれました。
十二月、ふたたび長良川鉄道にやつてきました。復活した「ムーンライトながら」に乗るためです。写真は大矢駅。簡易御座敷列車となつたながら601の中で、鉄道好きな人同士による酒盛りはとても楽しく、よき思ひ出となりました。
のと鉄道に乗りました。終着の穴水駅、現地の人たちの苦しさを思へば言の葉にあらはし難きものがありますが、ただただ「敷島の やまとの国は 言霊の たすくる国そ 真幸くありこそ」と歌ふばかりです。
大晦日。ここは長野電鉄の長野駅。かつての成田エクスプレスとロマンスカーがそれぞれスノーモンキー、湯けむりと名前を改めて走つてゐます。まるで博物館みたいなホームですね。久し振りの長野電鉄と湯田中駅の温泉。とても楽しめました。しかし、この日のメインはここではありません。
令和五年の最後と、令和六年の最初はえちごトキめき鉄道の夜行急行でした。写真は糸魚川駅。懐かしい455、413系による夜行列車。車窓はまつたく見えず、しかも日頃の疲れで寝てばかりですが、えちごトキめき鉄道の社長を含めた皆様のおもてなしにぬくぬくになりました。令和六年も、えちごトキめき鉄道の夜行急行に乗りに行きたいものです。

 最後までお読みいただき、ありがたうございました。

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