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0か100か。そんなエネルギー出力しかできない人の処世術は?

毎年、加工所ではシーズンインする時にスタッフ全員で「加工スタート会」を開催している。


そこでは、wofaがどんなことを大切にしていて、どんな自分たちで、どんなものづくりをしていこうという「ありかた」を共有している。

それと同時に大事にしているのが、ワークだ。
毎年、「今年やりきりたいこと、目標」と「これだけはみんなに言っておきたいこと、自分の苦手なこと、助けた欲しいこと」というふうに、ポジティブとネガティブを共有している。


威力を発揮するのは、ネガティブ共有の方だ。
あらかじめその人の弱さを分かっていると、どう助けたらいいか、どうその人と関わればいいのかが分かるので、みんなですごく重宝している。

●今シーズンは、物語を描きたい

さて、そういったチーム運営のtipsはさておき、今シーズン私も色々書いたのだが、「今シーズンやりとげたいこと」に「小説を1本書く!」と付箋に書いた。


小説を書いてから、早3年…いや4年が経ってしまった。

私のなかでは、マザージャーニーを描いた時からずっと、ふつふつと「描き続けたい」と体の中で渦を巻いていた。
出口のないパワーを感じた。


なのに、書けないでいた。
そんな自分に、時間に、環境に苛立っていた。
お門違いもいいところだ。書けないのは誰の、何の、せいでもない。

そして今は書くことよりも、目の前に重要で、緊急なものたちが並んでいる。これは誰がやる。私が選んだものだろう?

飛んでくる球を打ち返し続けながら、いつまで経っても時間を作れない自分に「あんたほんま、言い訳ばっかやなぁ」と罵倒してたら、よく体調を崩した。

私と、私の中にいる私が、ずっと喧嘩をしてる。


ならばとちょっとした隙間時間で向かってみたが、集中できない自分もいた。あぁ、私って、ほんとは書けない人なんかな。書きたい人はこんな状況でも意地でもやれるんだろうな。

やれない私は、そこまで意思がないんかな。

●「私は私全部で私なのです」

苦しさは、エネルギーの出力が0か100かしかできないことに起因してるなんじゃないかと思った。

そのときそのとき、目の前の仕事、子どもに100ずつ注がれていた。いっこいっこに100で向き合ってたら、帰宅した頃にはなにかをやれるパワーも残っていない。

ぶわっと放出(集中)するか、ぷつんと切れてガス欠してるか。
家にいる私はいつも、そのどちらかだ。

器用に、同時に、いろんなことを、こなせない。

見えるだろうか…ごちゃごちゃの背景…

0か100か。
だからよく、0と100の間を持とうよと、諭される。

「全部を全力でやりすぎなんだよ」


その極端なエネルギーの出力しかできない感覚を、今までうまく伝えられなかった。

そんな折、「サラバ!」(西加奈子著)に登場する貴子が手紙の表現を読んで、すっと私の内面が透明になり、手に取るように理解できた。

「おかしな言い方だけど、自分に余白がなかったのは、自分には余白なんてないときづくことが出来なかったからなのです。私には余白などない。私は私全部で私なのです」

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そう、そもそも余白なんてない。


そうだ、私のエネルギーに余白はないのだ。
余白で別の仕事をするとか、余白で誰かを愛するとか、できない。

愛するときは、私全部で愛するし、
仕事をするときは、私全部で打ち込む。

私は私全部で私なのだ。


そう思えたら、すこし楽になった。
いいじゃないか、私全部で私で。


周りと同じようにできない事実を、ネガティブ側から見ていたけれど、ポジティブ側から見て見るようになった。

●0・100の人の処世術って?

魚は鳥にはなれないし、大根はにんじんにはなれない。

最近の研究では「外向型にならねば」と思っている内向型の人は不幸で、「内向型の自分に満足している」内向型の人は幸福度が高いと分かってきているそう。

無理に変わろうとするのではなくて、それを自分の才能と受け入れ、どう活かそうかと考え方の転換をするのが大事そう。


ならば、0・100の人はどう生きる?


例えば「サラバ!」の貴子は、ステージごとに、まっさらになっていった。意図して、または意図せずして、どんどん、どんどん捨てて、手放し、新しくなっていった。変わることを恐れず、自分らしい場所を求め続けていた。


それができるのは自分のことを徹底的に信じているからだ。
周りの目、世間の目で行動を決めていない。

●0・100をどう活かすか

尊敬している経営者さんが、ある本を絶賛していた。
「世界一やさしい才能の見つけ方」だ。

私は、この本の内容で、自分の才能ばかりではなく、まわりの人々の才能を即座に見極めできるようになりました。その結果、最高のチーム編成を短時間でできるようになったので、コスパもタイパも最上級。

「これは、絶対に読め!」と命令形で伝えたくなってしまう良書

とのこと。


自分のためだけでなく、チームのためにもなる。ほうほう、とすぐにポチ。
一気に読破。


なるほどすごく体系的で具体的。
具体的な手法は本書をぜひ。


個人的に面白かったのは、
・才能を「人よりうまくできること」ではなく、「ついやってしまうこと」と定義していること
・その見つけ方はネガティブな感情側からも見つける手法があること
・そして才能を「見つける→活かす→育てる」までして初めて、発揮する。「自分を受け入れられた」で満足してはいけない。

という部分だった。


その視点で言うと
0・100というエネルギー出力しかできない、ということは、短所面から見ると「一度にいろんなことができない」「完璧主義」「中途半端なことに不満を持つ」

みたいなところだと思うんだけど、
長所面から見ると
「全力でやり遂げる」「人と真剣に向き合う」あたりが書いてた。
へー。


で、それらをどう活かすかと言うと、ちゃんと順番がある。
「長所を活かしてから、短所をカバーする」という順番。

具体的なtipsとしては、

長所を活かすには
1、目の前の仕事を天職に作りかえる
→他人の成功は真似しない。「もっと自分の才能をうまく使うほほうはないか?」と考えるクセを。
2、長所が輝く環境を、再現性を持って手にいれる
(再現性、が重要とみた!)

短所をカバーするには
1、自分らしくないことは全て手放す
2、仕組みでカバーする
3、人に頼ってしまう

そんなこんなを踏まえて、現時点で私が思う0・100出力の人が生きやすくなるためにできることとしては

・一点集中型の仕事、状況を作る
・一点集中できる仕事環境を整える(あれこれと情報や意識が分散しない場)
・自分の長所が生きない仕事を、それが強みである人にパスしていく、またはDX等で自動化される仕組みを作る


なんとなくそれって、脂肪を削ぎ落としてくような作業なんだなー。
削ぎ落として、構築して、また削っては作り、そう繰り返しながら、芯となっていく。シンプルにもなっていく。

削れ、作れ、そして生きろ。



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