世の中の雰囲気に流されず、我々は正しい情報をまず見つけよう / トークイベント【医療いろいろ】レポート
怖いのは「ムード」、世の中の「雰囲気」
「正しい情報」よりも「自分にとって都合がいい情報」が自分の周りに集まって来がちなのは、人間は確証バイアスに基づきどうしても偏りが出るような傾向があるから仕方がない。
しかし、最低限「事実」をもとに自分の頭で考えることはしていきたい。
そうじゃないと、このムードを変えていけない。
一人一人が自分で考え、選択し、安心だけでなくきちんとした安全を知るきっかけとなるように・・・「正しい医療情報はどうやって手に入れるのか?」というテーマで、トークイベントを行なった。
告知記事はこちら。
KAKAMIGAHARA STANDにて、約2時間。
医療従事者のしんえさん をお招きして、「正しい情報はどうやって取得できるの?」という視点で医療の話をいろいろしてもらった。
前半は新コロナに関連する話題を少し、それから医療情報全体に関するお話を。
かなり充実した内容になったので、youtubeでご覧いただくのがオススメ!
↓↓↓
<話した内容メモ>
興味あれば是非youtube見てみてね。
・手洗いうがいを正しくすることでウイルスはほとんどなくなる。
→殺菌ではなく、物理的に洗い流すことが大事
・マスクは感染の予防には有効とはされていなくて、罹患した人が飛沫を防ぐためにするのは有効。
→ウイルスが小さすぎてマスクを通ってしまう、マスクのつけ方が正しくないとむしろウイルスを近づけてしまう恐れもある。
・確証バイアスについて
→人は自分の気持ちと事実を一致させようとする性質がある
・・・怖いなあと感じていると、なぜか怖がっても良い「事実」を探してしまう。自分に都合の良い情報を集めてしまうことにより、情報が偏ったりデマを信じてしまったり、正確な情報を見逃してしまう。
・損失回避行動
→「術後1ヶ月の生存率は90%です」「術後1ヶ月の死亡率は10%です」どちらも同じことを言っているのに、言い方によって受け取るイメージが変わり、判断を変えてしまうことがある。(生存率90%なら手術を受けようと思うけど、死亡率10%だと手術は受けたくないと思ってしまう心理)
・風邪は基本的には薬はない
→医者からの「しばらく様子を見ましょう」発言は、「よくわからないから少し待って」という意味ではなく、「数日休むだけで治ることがあるからまず休む、それでも治らなければ病気の可能性を疑って検査をしましょう」という意味。
・インフルエンサーを用いたステマは気をつけろ
→ホルモン注射ダイエット、血液クレンジング、脂肪吸引、耳つぼダイエット、、、いろんな医療近似行為があるけれど、本当に効果があるかはどう探すのか?→「〇〇%の患者に効果あり」「〇〇免疫療法」「私はこれで治りました」「奇跡の〇〇」「保険適用外の高額な"自称"先進医療」などはインチキである確率が高い。
・「い・な・か・も・ち」の法則をいつも気にしよう
→いつの情報か?なんのための情報か?かいた人は誰か?もとネタは何か?ちがう情報と比べたか?
・今、一番良いとされている「標準治療(保険適用の治療)」かどうかを確認する
→標準治療=世界最高水準の治療。最低限の治療、ではなく、一番良い治療方法が保険適用で受けられる国である。
・エビデンス(科学的根拠)とは?
・ツイッターでオススメの医療者さんの情報
他、参加者さんからの様々な質問に答えてもらった。
(こちらの質問箱に質問してもらったものを、全て答えた。確認はyoutubeの後半で)
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<正しい情報を集めるためのリンク>
トーク内に出てきた「オススメの情報元」についてのリンクは下記に。
・yahooの新型コロナウイルス感染症に関するまとめ(わかりやすい)
・ファクトチェックサイトFIJ(デマかどうかの確認ができる。見てると面白い。)
・厚労省のQ&A
・がんの情報はまずここをチェック。
・厚労省 総合医療情報発信サイト(どんな病気でも一旦ここのサイトをチェックすると良い)
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今回、お話の中でいろんなデータやリンク先が紹介されたけれど、この情報が正しい!ということが言いたいのではなく、「正しい情報というのは例えばこうやって見つけていくんだよ」という視点でお話ししてもらった。
しんえさんは看護師として保健師として、本当に目の前の人に優しい。
もちろん正しい情報を伝えたいし、正しい情報から対処方法や暮らしの改善を行いたいけれど・・・エビデンスのある情報が必ずしも目の前のあなたの「正解」ではないこともある。ということを理解して普段は患者さんと向き合っている。
人には感情があり、社会的な目もあり、正しい正しくないをさておき「不安だ」「どうしよう」という気持ちが膨れ上がってしまうこともある。
それを踏まえて、正しい情報はこれだ、だけどあなたは今どう思っているの?という気持ちの整理や選択肢の提示などをした上で、総合的に「あなたに対しての正解」を導き出してあげているんだなあと感じた。
本当に学びがあったので、今後もまた違うテーマなどで医療についていろいろ話してもらいたいと思っている。
しんえさん、ありがとう。
また、今後もお楽しみに。