楽しくなる、物販系イベント企画の方法「①テーマ編」
長月は服や雑貨、アクセサリーなどを扱うライフスタイルショップだけれど、物販だけではなく「楽しいこと」をイベント的に企画して開催している。
それも毎月。とても好評だ。
20坪ほどある物販エリアとは別で、イベントは併設する10坪ほどのスペースを使って開催している。
ふつうに物販をしているだけでは、自分たちも飽きてしまうし、来店頻度の高いお客様にも飽きられてしまう。
なので、いつ来ても楽しいと思ってもらえるように、イベントはとても工夫している。
長月のイベントは、ものづくりなどのワークショップやノウハウ系の講座、商品の予約会や販売会をやることが多い。
この記事では物販店として1番わかりやすい物販系のイベント「販売会」についてまずは書いてみようと思う。
長月の独自のやり方なのでハマるお店があるかはわからないが、8年間やり続けてこれたのは、がんばれば売り上げに確実に反映されるから。
そして楽しいから!
小さなお店の偏った内容だから、参考程度にしかならないかもしれないが、お店でイベントをやってみたい人、何かアクションを起こしたい人に楽しんでもらえれば嬉しい。
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【販売会の進め方】
①ブランドやテーマの決め方
②仕入先とのやりとり、条件の決め方
③有効な告知方法
④搬入、準備、ディスプレイのこだわり
⑤開催中の発信の重要性
⑥終了後のレポートで次に繋げる
今回、①から順に書いてみる。
実際に、自分で企画する際もこの順番で決めており、発案からイベント終了までは基本的に同じ流れで進めている。
①ブランドやテーマの決め方について
まずそもそも、販売会とは?
長月でいう「販売会」は、普段お店では扱いにくいけれど、期間限定でイベントとしてなら扱えそうなもの、テーマとしてやってみたいものを「販売会」として開催している。
例えば、
・いつもより高単価なもの
・いつもとテイストが違うもの
・新しいブランド
・取り扱ったことのないジャンル
・興味のあるテーマで集めたもの
・メーカーの協力がありイベント化しやすいもの
・季節感があるもの
などが、「販売会」としてやりやすい、やる意味があるといえる。
いつもより高単価なもの
長月は平均客単価4〜5000円だが、100円のお菓子もあれば3万円の財布もある。
3万円クラスのものは普段はお店でもしょっちゅう売れるわけではないのでたくさん置けないが、期間限定のイベントであればそれを目当てに来てくれるお客様が集中する。
高揚感があり、「今しか見れない」と思うと、高単価でも販売しやすくなる。
いつもとテイストが違うもの
長月では、普段はデザイン的にシンプルで30〜40代の女性向けのものが中心である。
だけど販売会では、あえて原色カラフルなストールばかり集めた販売会や、デッドストックの服やユーズド雑貨などを集めた古いものばかりの販売会など、いつもとテイストの違うイベントも開催している。
普段お店に置くと違和感があるけれど、あったらいいなと思う商品があれば、イベントとして場所を区切って見せれば面白みが出る。
新しいブランド
「お客様に受け入れられるかどうかわからない、でも取り扱ってみたい」という新しいブランドを販売する際は、できればブランドのイメージを印象付けるために広く場所を確保し、ディスプレーも工夫して雰囲気を作りたい。
でも通常の売り場で販売するのはスペース上限界があるため、あえてイベントという形にすることでたくさんのアイテムを美しくディスプレーすることができる。
それにより、ブランドのイメージや雰囲気を伝えやすくし、ブランド自体の認知を高めることが可能になる。
好評であれば継続的に売り場で販売する、スタートアップの場所としても有効だ。
取り扱ったことのないジャンル
着物や生花など、普段の売り場では販売しづらいアイテムも、イベントとしてならやりやすい。
ニッチなアイテムも告知を工夫すれば、興味のある層にきっと届く。
今までにないアイテムを取り扱えるのは、企画する側も楽しめるので一石二鳥。
チャレンジ枠として考えている。
興味のあるテーマ
メーカーや作家作品を、単体で企画する販売会もいいけれど、「山をテーマにしたグッズを集めたフェア」とか、「いろんなお菓子屋さんのお菓子を集めたバレンタインフェア」とか、好きなジャンルや楽しそうなテーマを決めてから取引先を決めることもある。
企画するのはメーカー単独の販売会よりかなり大変だけど、他にはない独自性を楽しんでもらえて、お店の価値も高まり、自分たちもやりがいがある。
今後もぜひ増やしたい販売会の一つのやり方である。
メーカー協力のあるパターン
せっかく商品ラインナップやカラーバリエーションが豊富なアイテムがあっても、売り場のスペース上、普段は店頭に並べきれないということがある。
だけどたくさん並べて見てもらいたい、、、というアイテムに関して、メーカーさんに相談して期間限定で全商品貸し出してもらうことができる場合がある。
そうすると普段見たことのないバリエーション豊富な展示をすることができ、楽しんでもらえる。
こういうラインナップが豊富な「販売会に向いているメーカーさん」というのも確実にあるので、そういう視点でメーカーさんを探すのも良い企画への一歩。
季節感があるもの
これは何気に一番考えやすいテーマかもしれない。
物販のお店では、いわゆるクリスマスとか母の日とか、世の中の行事に沿ってやるイベントは盛り上がりやすいイメージだ。
だけど長月ではそういった季節のイベントは基本的にあまりやらない。
どこでもやっていて新鮮味がないし、自分自身が興味がないからだ。
なので長月なら、春は入園入学式向けに「コサージュの販売会」をしたり、夏は「浴衣の販売と鵜飼のイベントの連動企画」をしたり、季節にちなんだアイテムを集めてテーマを独自に決めてやっている。
季節ごとに変化があり、気分も乗りやすいのでオススメだ。
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基本的に、期間限定でお祭りのような高揚感のある「イベント」にしたいから、普段のお店ではやれないこと、扱えないもの、いつもと違う空間を作り出す、という点がポイントになる。
こういったいくつかのポイントに合致するような、商品、ブランド、テーマなどをはじめに決めるのだけど、それを踏まえた上でさらに今一番大事にしているのは「自分が好きな商品か?やってみたい企画か?」ということ。
どんなイベントもそうだけれど、提案側の熱量があれば、今までに扱ったことがない、いわゆる“売上の読めない”アイテムも、勇気を持って提案できる。
自分たちが欲しい、自分たちが楽しいと感じる企画は、自然と告知にも力が入るし、実際にお客様と話していても想いが通じやすい。
ここ何年もやって来て、これはみんなに楽しんでもらいたい!見て欲しい!という企画は、大抵成功している。
逆に、ラインナップが豊富でメーカーさんも協力的でいつもと違うテイストで・・・と、項目には合致するけど、自分がそんなに興味がないアイテムや、なんかちょっと違うかも・・・と思うメーカーさんの商品は、やってもなかなか上手くいかない。
「販売会としてやりやすそうだからやってみようかな」とかいう安直な考えは、告知や接客にも態度として出てしまうし、「人気がありそうだ。流行っている。売れそうだ。」という発想はそもそも簡単にそれが叶えば世の中もっと儲かっている仕組みになるはず。
お客様は賢いから、ちゃんと見抜く。
だから、テーマやブランドを決めるときは「自分が好きな商品か?やってみたい企画か?」を毎回自分に問う。
これが一番大事だからだ。
それを踏まえて、まずは扱うブランドややりたいテーマを決める。
「売れるもの」ではなく「自分が好きなもの」なら、逆に言えば考えやすいと思う。
自分が今、何が欲しいか、考えればいいだけだから。
次は、②仕入れ先とのやりとり、条件の決め方について書いてみようと思う。
楽しみに(楽しい人いるのかな・・・?)お待ちあれ!
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私の運営する「長月」はこんなお店、という紹介記事。
(後日、もうちょっとちゃんと書こうと思う。物足りない。)
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続きはおまけ程度にほんのちょっとだけ文章を書いています。
今回は「販売会のテーマで迷ってやめたアイテム」について
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