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人生初のインドその4
2024.1.1
せっかくのゲストハウス、せっかくの大晦日、夜更けまでワイワイしたかったのだが、2日間あまり眠れていないのに加えて刺激の強い日々に疲労が溜まり、限界を感じていたので前夜は23時半に就寝。
しかし、外では1時半頃まで爆竹が鳴り響き、3時間程度しか眠れなかった。
眠い目をこすりながら元日朝のガンガーを歩くことに。
ボートでクルーズしたかったのだが霧が深く、断念。
ご覧の通り、全てが乳青色に幻想的にぼやけていた。
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そして、ガンジス川で沐浴をする人たちも沢山いた。
(私は衛生面が不安だったので入らなかったけど、入った人によると川の中の方が暖かかったらしい)
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素敵な格好の人たちや、鶏や山羊や猿など色々な動物にも会えた。
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朝食を食べて宿をチェックアウトし、真面目そうな好青年の運転するトゥクトゥクでムガルサライ駅に向かう。
はずが…
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しかし料金は青年と円満にシェアしたようで、滞りなく目的地に連れて行ってもらった。
ムガルサライ駅のラウンジに入ると、受付のお兄さんが私たちの見た目(明らかに外国人観光客)から察したのか乗る予定の電車の運行状況を手持ちの携帯で調べてくれる。
すると…霧でまさかの5時間遅れ。これでは夕方発のガヤ発コルカタ行きの飛行機に確実に間に合わない。
「明日にはガヤに着くよ」と慰めてくれるも、今日の便でコルカタに行かなければいけないことを告げると、"Oh…"と同情的な目を向けてくれる。
駅の電光掲示板では「ほぼ定刻通り」と表示されていたので安心していたけれど…真実を教えてくれてありがとう。
とりあえず一本早い電車に振り替えてガヤに向かうことに。
しかし、「ジェネラル」より上(インドの電車は細かくクラスが分かれており、Second Class General(通称「ジェネラル」以外は全て指定席)の切符は全て売り切れており、やむなく「ジェネラル」に乗ることに。
昨日デリーからバラナシに向かう電車ですれ違った時、立ちながら歯を磨いて線路に向かってぺっとやっている人、鉄格子の向こうからこちらに向けられたいくつものギラギラ光る目に衝撃を受け、お腹の底からワクワクとドキドキを覚えたこの電車に乗れる日がこんな早く来るなんて。
一緒に写真撮るだけで、遠くから見るだけでよかったのに。
と、ついに夢のステージに立てたアイドルのような不思議な高揚感を抱いて乗車…しようとする。
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しかし、なんとか乗り込むも、私たちの身なりや雰囲気がジェネラルにそぐわなすぎた(初めからこうなるってわかってたら汚れてもいい服で乗ってたよ…)のか、「お前らはスリーパー(ジェネラルの一つ上の等級の列車)だろ!」と四面楚歌のような状況になり、治安が悪そうだったのでやむなく下車。
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車内には何日もお風呂に入っていないようなにおいが充満し、いわゆる「三密」状態で、今回の旅で一番感染症の危険を感じた2時間半だった。
ちなみにガヤまでの約200km、運賃は1人95ルピー(当時のレートで約166円)でした。やすっ。
そして途中の駅でかなり人が降り、席が空き、「ここ座れるよ」と近くに立っていた(というか混み過ぎてもはやくっついていた)お兄さんに親切にも声をかけてもらう。
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そしてこのような混雑した状況でも人や荷物をかき分けて「パニ(水)〜、パニ〜」「チャイ〜、チャイ〜」とお水やチャイを売り歩く人々がいることに驚く。インド人どこでも生きていけそう…
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電車はアナウンスなしで停まるも、間違ったところで降りようとすると周りの方々が"Sit down!"と言ってくれたり、目的地に着くと「ガヤに着いたよ」と教えてくれたりして、正しい駅で降りられた。
乗る前はあんなにドキドキしていた空間でも、飛び込んでみると案外(快適とまでは言えないまでも)人懐こくて温かい人たちに囲まれ、拍子抜けした。
そして、ジェネラルの乗客の方々、ひいてはインドの方々のことを「自分とは全然違う世界の人たち」ではなく「肌の色や母国語は違っても本質的には同じ『人』」と肌で感じるようになった。
今回の旅で大きな内面の変化が訪れた瞬間の一つだった。
ただ、盗難にあったり病気になったという話も聞くので、女性1人で乗るのはお勧めしない(特に夜)σ(^_^;)。