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霊柩車を運転する23才、女子

#自己紹介  を書いてから、過去を思い出すのが楽しいので

ちょっと掘り下げて自己紹介したいです



アナウンサー試験

「毎日テレビに出られるから」

と言うぺらっぺらな気持ちで、何社か受けました

知ってるアナウンサーさんを間近で見て感動して帰る

悲しい気持ちも湧いてこないうちに

あっけなく終わる




就活に少し疲れてしまい

最初に内定をもらった所に決めてしまおうと思いました



「ウエディングプランナーとか良いかも」

とことんペラッペラなわたし、、


ありがたいことに内定をもらった会社は

結婚式部門も葬儀部門もある会社でした

研修では一通りどちらも経験し、あらかじめ決まっている部門へ配属される流れでした

結婚式部門の研修は、予想通り。

ドレスを着せてもらったり、イミテーションケーキを近くで嗅いでみたり、、、



次に葬儀部門の研修

館内は線香の香りが染みついていて独特な雰囲気

おばあちゃん家を思い出し、少し懐かしい感じもしました

親戚の葬儀に出たことはあるけど、幼かったしほとんど覚えてません

なので、何もかもが新鮮なのと

こんな言い方をしたら不謹慎かもしれませんが

どこかお化け屋敷にいるようなドキドキ感


初めて“湯灌(ゆかん)”と言うものを見ました

湯灌とは、“亡くなった人が最後に入るお風呂”のようなもので

天国へ行く身支度です

死後硬直した身体をお湯で温め、全身をていねいに洗っていく

最後にお化粧をして、おわり

湯灌師の手際の良さと、2人1組の連携プレーがとても鮮やかでした

本人(亡くなった人)の尊厳を尊重し

見られたら恥ずかしいであろう身体の部分は

手品の様にタオルでうまく見えなく配慮されていました

お風呂に入った後遺体は青から白色に代わり、少し微笑んでいるようとよく言われます



葬儀部門の研修のあと、総務部長に直談判してました

「葬儀部門に配属させてください!!!」

私の好奇心は止まりませんでした

むかしから、”好奇心のかたまり”と自分のことをそう思ってます

気になったらやるまで気がすまない




湯灌に関しては、社員ではなく外注業者にお願いするのですが

それ以外はほぼ社員が一取りの仕事をする

線香のけむりでベールがかったような、葬儀の世界への興味が

もわもわと私の中で大きくなっていました

霊柩車、運転したい!

(わたしの人生は「カッコイイからやりたい」でほぼ決まる)




パァァァァァーーーー

っという長めのクラクションを鳴らして
会館を出発する

周りの人は、こちらに向かってみんな手を合わせたりお辞儀したりする

不思議な快感だった

真っ白でながーいリンカーンは、ほんとうに大きくてどっしりとして

ネバーエンディングストーリーのファルコンのようでした


ここから2年ほど、わたしは葬儀屋さん(カッコイイ言い方をすると”フューネラルディレクター”)として働く



















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