13年前に号泣した映画が観たい
イベントを控えて残業続きだった頃。その日は、事業部長・部長と外出した後、一緒に会社へ戻るつもりだった。
だが、私はふたりに「今日は直帰します」とキッパリ告げ、ひとり渋谷の映画館に向かった。
当時は39歳。この映画を観るにはオバさんだと思っていたが、なぜか行くことにしたのだ。
この映画は、一言で言えば青春ドラマである。
社会に出たものの自分を変えられず、居場所が見つけられない。かといって、真っ直ぐに夢を追えるわけでもない。
そんな、人生に迷う、不安に押しつぶされそうな若いカップルが出てくる。
私はベンチャー企業から大企業に転職して、数年で課長になった直後。最もイケイケだった時期だ。翌年には東京のマンション購入を決めている。
いま思うと、あの時、なぜこの映画を突然観たくなったのか、不思議だ。
仕事帰りには少し早い時間帯の映画館。人影はまばらで、周りに座っている人はほとんどいない。
ひっそりとした空気の中、私はこの映画を観て号泣した。何日もあとを引いた。思い出しては、気づくと泣いていたのだ。
悲しい場面は出てくるが、誰もが泣いてしまう映画でもない。どこが琴線に触れたのか、自分でも分からないまま時は過ぎた。
あれから13年。私の人生は、思いがけない方向に大きく変わった。今は、あの頃の私とは別人のような気分で生きている。
だが、数日前から、急にこの映画を観たくなった。実は、この予告編の宮崎あおいが歌う場面を見ただけで、既にちょっと泣きそうだ。
意味もなく心が動かされるものには、今の自分にとっての正解があると、私は考えている。
来週からインドへ瞑想三昧の旅に出る。その前にこの映画を観て、なぜこんなにも心が揺さぶられるのか、確かめておくつもりだ。
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![村瀬香奈子](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70048660/profile_770a1aef4a727ee74d1c0ca8d1f2923e.jpg?width=600&crop=1:1,smart)