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学歴フィルターを事実(データ)で直視し、本質をまじめに考えてみた

こんにちは、かなけんです。

■冒頭

本日のテーマはこちら。
「学歴フィルターを事実(データ)で直視し、本質を考えてみた」


当初、noteで”学歴フィルターは存在するのか?”みたいなことを書いてみようと思い、先にGoogle先生に聞いたところ、自分が言いたかったことを先人が多く語ってくれていました。

ここで同じことを書いても、焼き増しにしかならないので、「学歴フィルターは確実にある」という前提に立った、”プラスアルファ”を考えてみようと思います。

※以下参考に見た記事を列挙します。


ざっと上記を読んで、一番しっくりきたのは”区別”と”差別”の違いです。

”差別”という言葉自体が「悪いことだ」という意味が強いので、”区別する(区分する、区分けする)”という言葉は非常にしっくりきました。


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■誰も差別しようとは思っていない

記事の中でも書いている方がいるように、会社の人事の立場としては、「学歴で差別をしよう」なんて気持ちは絶対にありません。

多くの人材を面接している方、マネジメントしている方ならば、”判断要素は学歴だけではない”ということを十分に分かっています。

ただ、判断要素が「学歴だけではない」ということは、「学歴も”大事な判断要素”でもある」ということ。

この事実を、世の中のデータを覗いてみて、考えてみましょう。


■学歴による「差」は確かに”存在”している

まずは、”国のデータ”を見るのが一番。(たまに間違ってるって騒がれますが。。)

以下、”初任給のデータ”です。

大学院修士 22.85万円
大学    20.20万円
高専・短大 17.56万円
高校    16.09万円
※引用:厚生労働省データから抜粋(男女合計)

ふむふむ。皆さんご存知の通り、学歴によって”給与の差”がありますね。

一部を除き、基本的に日本の新卒採用は”即戦力ではない人材”を採用していますので、明らかに学歴だけで給与に差をつけています。

学歴は、スポーツやライブの入場券にありがちな、”S席”、”A席”、”B席”、”自由席”といったようなもの。学歴が高いということは、つまるところ”プラチナチケットを持っている方”といったところでしょうか。


以下、”賃金構造の統計”の抜粋。

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①男性
大学・大学院 39.77万円
高専・短大  31.10万円
高校     29.07万円

②女性
大学・大学院 29.15万円
高専・短大  25.48万円
高校     21.09万円
※引用:上記学歴別賃金 平均値(2017年)

ふむふむ、初任給に限らず、全世代の平均賃金や男女別で見ても”給与の差”がありますね。

卒業して間もない入社タイミング(入場時)の点だけじゃなく、”入場後にある程度時間がたった期間”も入れてみての”線”で見ても、差があることは明らかです。


では、同じ学歴の中での学校差はどうなのか。

以下、”大学の違い”よる差を見てみましょう。

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おおー。。

なんともキレイに”大学受験の偏差値”と同じ感じです。(他のWEBサイトでは、薬剤師を輩出するような専門学校のような大学もランクインしていました。)

ここまでハッキリと出てしまうと、さすがに「仕事の能力≒学歴」って思っちゃいますよね。

「学歴がある→能力がある→仕事で成果が出せる→評価される→給与が上がる→年収が高くなる」ということが言えるのかもしれません。


”賃金が高い”ということは、周囲から評価されている。

周囲から評価されているということは、成果を出している。

成果を出しているということは、能力が高い。

能力が高いということは、”〇〇が高い”。←??


あくまで、上記に記載した事実は、賃金と学歴の2つを比較したデータなだけですので、これだけでは”能力差”までを測ることはできない、ということはお分かりかと思います。

ただ、安易に「=」や「≒」とまで言い切れないにしても、少なくと賃金-学歴間において”相関性がある”ということから、能力の証明に対して、”重要な因子(影響を与える要素)”であろうことに異論はないでしょう。


■正直、確率論で見てしまう自分がいる

私個人の経験則や個人の主観を少し混ぜさせてもらうと、会ってみて「おぉ、いい感じだ、この応募者の方は。」と思う割合は、正直に言えば、学歴と相関しています。

仮に”①高学歴、且つその学歴の中でも入学偏差値の高い大学出身の応募者”の100名に会うのと、”②学歴不問の応募者”の100名に会った際の所感は、何回やっても「①>②」だと言い切れます。


イイ人出現率: ①高学歴 > ②学歴なし


言葉が適切なのかは分かりませんが、”イイ人出現率”みたいなところで考えれば、採用効率を考えると”学歴フィルターは正解だ”という先入観を持っていることは、否定できません。


「会社説明会やインターンの予約は、”大学名ごとに参加枠に制限をかける”とかあるの?」
「ESや面接の通過率は、”高学歴のほうが通過率が高い”とかあるの?」
「結局のところ、”大手企業は高学歴しか採用されない”とかあるの?」

このような各論の問いは不毛であり、”大は小を兼ねる”という言葉から、各々の主観にて全体感を捉えるくらいしかできません。(それぞれの会社の採用戦略次第ということです。)


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■”会社”フィルターもある?

と、学歴フィルター(応募者側)のことを考えていたら、逆側の”会社側にはフィルターはあるのか?”ということが頭に浮かんできました。

思いついたら図書館に行かなくても、すぐにGoogleで検索できる時代は、本当に便利ですね。

以下のサイトを見てみました。

男性の平均賃金:
大企業 38.7万円
小企業 29.2万円

ボーナス格差:
大企業 100
中企業 61.7
小企業 36.2
※上記サイト抜粋

"会社よって体力(稼ぐ力)が違う"ということは、誰でも想像できると思います。稼げている会社のほうが、社員の賃金は高いはず。

このデータでは、キレイに「大企業 > 中小企業」という差が明確になっています。


イイ会社出現率: 大企業 > 中小企業 ??


データ的には”稼げている会社”は、大企業のほうが多いようです。

別のデータも見ると、より顕著でした。

以下サイトに「企業規模 × 学歴 × 賃金 」のMIXされたデータがありました。(データ元は厚生労働省のもの)

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引用:つまり、日本では、学歴によってではなく、それ以上に”企業の規模によって収入の高さが決まってしまう”ということなのです。

こんなデータまでを見せられてしまうと、大企業に入りたくなりますね。国が出しているデータですけど。笑)

ただ、「だから大企業に入るべきだ!!」という考えは”安直”です。

あくまで”確率論”の世界に過ぎません。(言うならば、個々人の就職戦略、キャリア戦略次第ということでしょう。)


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■”国”フィルターもある?

学歴フィルターも、会社フィルターもあるということは。

”国単位”のフィルターもあってしかるべきです。

ということでデータを調べてました。

上記サイトの「衆議院予算委員会公聴会で全労連伊藤雇用・労働法制局長が意見陳述」に載っていたデータです。

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うわ。「1997年→2016年」の20年間で、日本だけが下がってる!!


別のデータだと、日本は世界でみると”初任給ランキング20位”みたいです。

1位 スイス
2位 デンマーク
3位 アメリカ


20位 日本

ん、ちょっと待ってください。

井の中の蛙(”島国の中の人間”)ってことですかね?

なんか、日本という国の中だけで、”生涯年収が1億5000万円(小企業)か3億円(大企業)か?”とか比較している間に、他の国はもっと稼いでいるみたいですね。

もちろん、国によって物価の違いもあると思うので、一概に”金額差”だけで国別の差の全てを推し量ることは難しいです。

それでも、学校の授業で”戦後の日本は経済大国第2位”って習ってきた世代としてはショックでした。


■世界は”学歴以外”もちゃんと見ている

ある側面でみれば、”学歴”だけに頼った採用をしている日本”とも言えると思います。

ただし、このデータをはっきりと見ることは叶わないので、100%とは言い切れません。

大企業になればなるほど、高学歴の方を採用している可能性(学歴なしの方をフェアに見ていない可能性)があるとした場合、その先の日本はどうなっていくのでしょうか。


以下のデータは、アメリカと日本を比較した”稼ぐ力の差”です。

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ROA(総資産利益率)とは、ざっくり「ある会社の資産(≒投資額)」を分母にした、「稼ぎ(利益)」を分子にしたものです。

wiki引用:
経営資源である”総資産を如何に効率的に活用して利益に結びつけているか”を示している。(中略)総資産利益率は”収益性と効率性”を同時に示す指標である。


つまり、稼ぐ力(ROA)を”生命力”みたいなものに置き換えると、”日本の会社って寿命が短い”ってことですよね。。

日本は、”人間の寿命”は世界一。けど、”会社の寿命”は短い。

なんか切ないですね。


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サブタイトルの「世界は学歴以外も見ている?」という点については、2つの会社の記事だけですが、一端を知ることができました。

GAFAのうちの2つ、アップルグーグルです。

引用:
CEOのクックは、2018年、アップルの米国での雇用の”約50%が大学の学位を持っていない人”で構成されていると伝えた。


引用:
米紙ニューヨーク・タイムズの著名コラムニスト、トーマス・フリードマン氏によると、グーグルの社員の”半数は大学の学位を持っていない”

この話から、皆さんは何を感じますでしょうか。


■まとめ(人生は長距離走)

多くの先人が仰っていることですが、人生は先が長い

”学歴フィルターによる差”と真っ直ぐに向き合いつつ、もっと先を見ていきませんか。

仕事人生(ひいては人間そのものの人生)は、短距離走(短時間勝負、一発勝負)じゃないってことです。

最初のスタートダッシュ(学歴)で負けたからといって、そこで走るのを辞めるかどうかはあなた次第です。


■学歴フィルターを利用できる人はトコトン”利用”すべき。その権利を得るために相当の努力をしたのだから。


■学歴フィルターによって不利益を得るようなことがあった方は、トコトン”反省”すべき。そうなってしまった責任があなたにあるならば。


もちろん、ひと昔前までは、日本は”スタートダッシュで躓いたら終わり”であったのも事実。

しかし、日本の大企業もようやく年功序列撤廃とか、中途採用活発化といった動きが見えてきています。

少なくとも、ここ(2020年)から先は、”学歴を言い訳にできない”ということ。

それは「会社(採用する側)」も「個人(就活する側)」も一緒ということでしょう。


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※余談

なんか、明治維新の時みたいでワクワクしますね。(徳川幕府が大政奉還した時みたいで。)


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