ゾロガレイ
”ゾロガレイ”とは小さいカレイのことで金石の代表的な食材の一つである。手のひらサイズのものは大きい方で、小さいものになると木の葉ぐらいのもので透明で背骨や内臓も見える。
豆アジの刺身の記事で紹介したように、小魚など市場価値のない売れない魚が金石の食文化を特徴づけている。昔は漁師からバケツでゾロガレイをよくもらったものだが、一度に大量に処理せなければならずこれをうまく調理するのには経験と知恵が必要である。
一度にたくさんのゾロガレイを処理するためには時間差をつけて調理する必要がある。すぐ食べる分と2~3日置いておく分と、カンカンに干したりとそれ以上に保存するものといった具合である。また、豊富なレパートリーを持っていないと同じものばかり食べる羽目になる。今日たくさんもらって明日もたくさんもらうこともある。これをいかに頭の中で算段して、無駄なく美味しく料理するのが主婦の腕の見せ所であった。
今回は金石に伝わるゾロガレイ料理の中より2点紹介する。
ゾロガレイのそろばん
①新鮮なゾロガレイを7ミリ間隔で骨ごと縦にブツ切りする。
②①を下の写真のようにひたひたの酢に漬ける。
③大根をおろして器に盛り②を漬け汁と一緒に入れる。
④醤油を回しかけて完成。
※身を酢に入れた状態(②の状態)で保存がききます。2~3日たつと骨も柔らかくなり身から出たうまみが酢に溶け出してまた違った味わいになります。
ゾロガレイの唐揚げ
①ゾロガレイに小麦粉をまぶす。余計な粉は払う。
②180度ほどの油で揚げて完成。この大きさなら2度揚げしなくても骨ごと食べられる。
※一度に食べきれない時は、一夜干しにしても良い。
※木の葉サイズのもので作るとサクサクとポテトチップスのようになる。