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人んちの大根寿司

かぶら寿司が金石発祥だという説があるが、安価に作れる大根寿司の方が一般には馴染み深い。ただ、馴染みが深いとはいってもそれは自分の家のものだけである。

お医者さんの家族から聞いたのだが、患者さんやその家族が自分の家で作った大根寿司を容器に入れて「いつもお世話になってます。」といって持ってこられたそうだが各家々で全然違うものだったらしい。魚はニシン、サバ、サケ、ハタハタや”ゾロガレイ”と呼ばれる小さいカレイなどなど。大根の切り方や塩加減、発酵具合などもさまざまで、それぞれの家庭の大根寿司を味わうのを非常に楽しみにしていたそうだ。

そこまでではなくても昔は近所で食べ合ったり、おすそ分けしたりと他人の家のものを食べる機会があり、家々の食文化が地域でシェアされていた。
自分と違う作り方が刺激になって創意工夫に励みながら、新たに自分の家の味を作り出したりと、金石の食文化の発展と促進に繋がっていたのだが、なかなかそんな機会もなくなった。
ただ、現在地域の食文化を調べるにあたって、幸いにもいろんな方から自分ちの味を教えていただいている。作ったものもいただけるので役得である。

今回紹介するのは魚の身がレアなタイプの大根寿司だ。スタンダードに身欠きニシンで作ると、魚の身は茶色で固い。脂も少なくさっぱりした味わいが特徴なのだが、これに不満な主婦が工夫して魚の味がそのまま味わえるようなものである。

サバのレア大根寿司
①大根2,3本を厚さ2センチの輪切りにする。皮は剥いても剥かなくてもよい。容器に大根を入れ3%の塩をまぶし重石をして1週間ほど置く。
②塩サバは1cm幅に斜めにそぎ切りにして、半日ほどヒタヒタの酢に漬けて塩出しをする。
③①の大根の水切りをする。人参1本を千切りにして軽く塩をして水を出す。
③昆布はこの10㎝×10㎝ほどをハサミで好みの大きさに切っておく。鷹の爪は5本。種を取っておく。

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④市販のかぶら寿司の素(米と麹を合わせて甘酒みたいにしたもの)640gにご飯2合を混ぜておく。
⑤漬物の容器にビニール袋を敷き、下に薄く④を塗って水切りした大根を並べる。一番下の大根は最後に食べるので大きくて固そうなものにする。一番上は最初に食べるのですぐ浸かりそうな小さくて柔らかいものを。
⑥大根の上にサバ、サバの上にスプーンで④の麹を塗る。千切りの人参と昆布、鷹の爪を適当にばらまく。
大根寿司仕込み①

⑦大根、サバ、麹、人参・昆布・鷹の爪と重ねていく。
⑧麹が余りそうだったので、下漬けした白菜を1/2を3等分して一番上にしてついでに漬けました。余ったサバや麹を上から塗っていきます。

大根寿司仕込み②

⑨最後に上から押して空気を抜く。袋を閉めて重石をして3,4日ごろから食べ始めます。

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