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アドラー心理学が考える「友人」とは、どんな関係か? ~読書会リポート~

勇気のアクセラレーター金井津美です。

昨日は『幸せになる勇気』読書会の4回目、全部で5章建ての本なので佳境に入ってきたところです。皆さんの関心も回を追うごとに高まり、参加者ごとに「刺さった」「じわじわきてる」いろいろな内面の変化が起こってきているようです。そういう私もその一人。特に昨夜は考えさせられましたよ。

友人の定義

皆さんは「あなたにとって友人って何?」って聞かれたらなんと答えますか?友人って、とても広い概念ですよね。仕事などの利害関係はなく付き合えて、さりとて恋愛関係でもなく、ちょうどその中間にあたる知人全般のことを友人と呼ぶ、みたいな感じでしょうか?

学校や職場、趣味や学びの場、飲み会、など「時間と場所」を共有できる人たち。そこで楽しく過ごせる、共感できる、理解し合える、励まし合える、そんな仲間のことを、私たちはおそらく友人として認めるのでしょうね。

そしてその多くの友人の中の特に良い友人、「選りすぐり」の一握りの人が自分にとっての「親友」に昇格するのかもしれません。親友は自分のことを分かってくれる、辛いときにそばにいてくれる、ときには叱ってくれる、そう自分にとって一番の理解者であり味方でいてくれる、そんな人を親友と思っているというのが多くの人に共通することだと思います。私もそうでした。

そう、そんな感覚をぼんやり持っていた私は今回の読書で「ガツン」とやられました。

文中にこうあります(P.203)

青年:先生はほんとうの親友をお持ちですか?どうもあなたのお話は親友も友情も知らない、書物と空想のなかにしか仲間を持たない人間の言葉に聞こえるのですが。
哲人:もちろん、私も幾人もの親友を持っています。(中略)たとえば、あなたです。
青年:な、なんですって⁈
哲人:以前にも申し上げましたよね?私にとってのあなたは、かけがえのない友人のひとりだと。
青年:じゃあ、あれですか?私に「無条件の信頼」を寄せているとでも? (中略)・・・嘘だ!

青年は哲人をなんとか論破しようと、何度も何度も食い下がっています。この状況からいって、一見するとこの二人の間に友情があるとは思えないのですが・・・。でも哲人は一貫して青年を友人だと言っている。


名称未設定のデザイン (21)

受動態から能動態へ

なぜガツンとやられたか?それは、さきほど書いた親友に対する記述がすべて受動態になっていたことを発見したからです。相手が自分に~してくれる、だから私はこの人は親友だと感じる。という見事に条件づきの論法になっていたことに気づかされたのです。

圧巻だったのはP.205からの流れです。不要な箇所は割愛しています。

青年:いったい赤の他人を信じること、しかも無条件で信じることに、何の意味があります?無条件に信じることは、すなわち他者にたいして無批判であれ、盲目的であれ、ということでしょう。
哲人:違います。信じることは、なんでも鵜呑みにすることではありません。その人の思想信条について、あるいはその人の語る言葉について、疑いの目を向けること。いったん保留して自分なりに考えること。これは何ら悪いことではないし、大切な作業です。そのうえでなすべきは、たとえその人が嘘をついていたとしても、嘘をついてしまうその人ごと信じることです。
青年:・・・・はあ⁈
哲人:他者を信じること。これはなにかを鵜呑みにする受動的な行為ではありません。ほんとうの信頼とは、どこまでも能動的な働きかけなのです。(中略)もしもわたしがあなたに不信感をいだいたままアドラーを語っても、あなたは聞く耳を持ってくれないでしょう。(中略)しかしわたしは、「わたし」を信じてほしいと思っている。(中略)ゆえにわたしは、先にあなたのことを信じるのです。
青年:自分のことを信じてほしいから、先に信じる・・・・?
哲人:あなたが私を信じようと信じまいと、私はあなたを信じる。信じ続ける。それが「無条件」の意味です。

ううむ。ここまで他者を信じきれてこそ友人・親友なのか・・・。ほんとうの信頼とは、あくまで能動的な働きかけ。自分からのアクションがあってこその友人関係。「くれる」より先に「与える」ことが基本。

はたしてここまで「高尚」なレベルに行けるのだろうか?なんだかこれまでの自分を振り返ったときに恥ずかしくなる思いがしました。信じるって、言葉で言うはたやすいが、行うことは難しいことなんだと改めて思いました。

自分にではなく、友人に対してベクトルを向ける。能動的に何を働きかけられるんだろう。とってつけるのではなく、自然にするとしたら・・・。やっぱり感謝なのかな。周囲にいる友人の存在に感謝すること。まずはそこからかな、そんなふうに感じる昨日の時間でした!

次回はいよいよ最終回。どんな展開になるか楽しみです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。また書きます!


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