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#14『Gorogoa』から学ぶゲームデザインの引き出し(2)「リアルタイム性のあるパズル」

本記事は遊んだゲームから、一つのアイデアに注目してゲームデザインの実例を勉強していく連載記事です。

ゲーム開発者や、これからゲーム制作を志す方へ向けて、アイデアのインプットのための引き出しとなれば幸いです。

ゲームの紹介

『Gorogoa』(ゴロゴア)は、まるで絵画のような精緻なイラストにより描かれた、幻想的な世界が舞台のパズル・アドベンチャーゲームです。

2017年にiOS, Switch, Windowsでリリースされたのを初めとして、様々なプラットフォームに移植されています。

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Gorogoa / Annapurna Interactive

プレイヤーは2x2マスの中に置かれた四角いパズルピースの中をタップして、アドベンチャーゲームのように絵画の中を「探索」していきます。

まるで童話のようなストーリーがノン・テキストで紡がれる中、1つのパズルピースが2つの世界に分離したり、また、別々のピース同士が繋がり合ったり、相互作用を与えながら不思議な物語が進行していきます。

ゲーム自体のボリュームは数時間で終わるようなものですが、作者のジェイソン・ロバーツ(Jason Roberts)氏による幻想的なイラストと、不思議なパズルギミックが魅力的で、濃密な体験を感じさせてくれるゲームです。

リアルタイム性のあるパズル

本作では画面内の風景をタップすることでゲームを進めていきますが、基本的には風景の絵は静止しているので制限時間はありません。じっくり考えることの出来る静的なパズルとなっています。

しかし、シーンによっては風景の中で人や物が動いているシーンもあり、その動きに合わせて、急いでピースを操作をすることで解答になる、といったパズル要素が仕込まれている部分があります。

このように元々は静的なゲームの中に、動きのある要素、制限時間のある要素を入れることで、ゲームの進行にアクセントを与えることができるでしょう。

リアルタイム性を取り入れてみる

例えば『ファイナルファンタジーV』では、普段はマップ移動に時間の概念がないところ、特定のイベントシーンで炎に包まれた城から制限時間以内に脱出するといったイベントがあります。

これはマップ移動や戦闘の際に、新たに「時間の効率」を考えさせることになり、時間が切れるとゲームオーバーになってしまうことからプレイヤーに緊張感を与え、プレイ感覚に変化をもたらしています。

イベントのシチュエーションともよくマッチしていて、効果的なギミックだと思います。


また、スーパーマリオシリーズでは、スイッチを押すと10秒ほどの間だけ足場ブロックが現れ、その間に急いで足場を渡らないといけないといったギミックがよく登場します。

これも普段よりもスピーディーに、かつ正確な操作を要求させるということでプレイ感覚の変化があります。時間制限の緊張感から、なんてことのないジャンプ操作をミスしてしまうといったこともよくあります。


あなたの遊んでいるゲームや、開発しているゲーム、構想しているゲームで、普段は無いリアルタイム性や制限時間の要素を取り入れてみるとしたら、どのようなシステムが考えられるでしょうか。

また、そのリアルタイム性の結果、ゲームオーバーにするのが良いでしょうか。それとも何度でもやり直しが出来るように作っておくべきでしょうか。


皆さんも一緒に色々とアイデアを考えて、より良いゲーム作りのための鍛錬を積んでいきましょう。
本記事がゲーム制作をする皆さんのインプットに役立てば幸いです。

本連載の趣旨については下記記事をご覧ください。

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(※本記事中のゲーム画像は、「引用」の範囲で必要最低限の範囲で利用させて頂いています)