いいことをするにはお金がかかる
すごく伝えたくなるようなお話を聞いてきたので、つたない文章ですがシェアします。心が揺れ動きました。
森さんとのお話。
森みちこさんは茨城県つくば市で特定非営利活動法人居場所サポートクラブの理事長。学童クラブや学習会を運営されている方。
学童クラブ
低所得者世帯への学習会(無料)
ロボットプログラミング講座
コミュニティカフェ
障がい者グループホーム
放課後等デイサービス
障がい者就労支援
複数の事業をされていて、忙しそう。にもかかわらず、事業を見学したいという私のお願いを聞いてくれるとても優しいお方。それに事業を広げるつもりはなかったとの事。
「最初は自分の子供を見てもらう場所がなかったから学童を始めた。当初はこんなに事業を広める予定ではなかった」
必要だから増えていった
森さんが住んでいるつくば市の筑波研究学園都市は、その名の通り、国立の研究機関や大学がある。高水準の研究や教育を行う拠点づくりを目的としている。
「石を投げると博士に当たる」と言われるほど、博士や研究者がいる街なのだ。所得も高い。森さんの学童も高所得家庭向けで、それがつくばではスタンダードだと思っていた。
一人の生徒との出会い
価格は高いが、様々な習い事の内容もカリキュラムにいれた学童は人気だった。自分の子供のために始めた学童だったが生徒も増え、経営は順調だった。数年、学童を運営してる中でこれまでの生徒と様子が違う子がいた。
母親からのDVをうけ、父親が引き取ったのだ。養護施設を点々としていたせいか五年生だが二年生の学力しかなかった。引き取った父親は日雇いの仕事をして、高額の学童の支払いは大変そうだった。それでも親子は通い続けた。
森さんの学童は遅くまで預かってくれて、勉強もレベルに合わせ丁寧に教えてくれる。遅れていた学力もみるみると上がっていった。
だが、父親が体調を崩し仕事が出来なくなったのだった。
月謝は滞納、とうとう学童に来なくなった。子供を連れ夜逃げしたらしいのだ。せっかくその子にとって学べて、安心できる場所ができたのに、食事は出来ているのだろうか、辛い思いはしていないだろうか、と思うと胸が締め付けられ涙が出た。
裕福な家庭ばかりの地域で目にした現実に衝撃を受けた。
無料の学習支援
そんな体験をした森さんは、低所得者の家庭の子供に向けた「無料学習会」をスタートした。学童は有料なのに衝突しなかったのか?その疑問には「学童の家庭は一般家庭ではなく富裕層なのが良かった。上手くぶつからなかった」と答えてくれた。上手くすみ分けができたのがすごい。最初は5名の生徒から、どんどん人数が増え、講師も含め50人に。場所代だってかかる。おにぎりなどの食事も必要だ。もう個人のボランティアでどうにかなる域を越えていた。
学習会を支える資金のために事業を拡大
ボランティアだけでは人員確保が難しい。有償での人員確保のために、ほかの事業で資金を稼ぐ。もうやるしかない、そんな覚悟がある森さんを私は心底尊敬した。
いいことをするにはお金がかかる。しっかり稼ぐ。
自身の事業の話になるが、クリエイタースクールという合宿講座をしている。稼げる大人を増やすためだ。大人が、自由に楽しく好きな場所で仕事ができ稼げて時間の余裕があって心にも余裕がある。そんな社会になったら子供にとってどんなにいい影響があるか。
そして森さんの活動を少しでも応援できたら、と自立支援合宿を計画している。ただ、パソコンを持っていない、持っていてもスペックが低いことが多いらしいので頑張って稼いでHPさんのパビリオンあたりを寄付出来たらなと。いいことをするにはお金がかかる。だからしっかりと稼ぐのだ。
どんな場所にうまれても
色々な家庭がある。うまれる場所は選べないから、確かにしょうがない。でもどこでうまれようとも、優しく受け入れられる仕組みがあるといい。それが小さいうちから選択できるといいなと思う。選択肢は自由で多いほうが楽しい。どうしたら可能になるか進みながら模索するしかないけれど、偶然、私のまわりには素晴らしくて面白くて日本全国をとびまわっている人たちがたくさんいる。そんな中にいると実現できる気がする。
もう、子供がいるとか結婚してるとかしてないとかの枠も取って子育てを助けあえるような長屋システムを、みんなで子育て出来る環境があったらいいんじゃないか。
今日は実際に素晴らしい活動をしている森さんに貴重な話をきかせてもらえて本当によかった。たくさんの人にも知ってもらいたくなった。美味しいごはんを差し入れしたくなった。とにかく心を揺さぶられた。
これを読んで、少しでもその活動を知ってもらえたら嬉しい。
つたない文章を読んでくれてありがとうございました。