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フューエルセルプロペルv4のレビュー

ストレス発散に買い物しちゃう、ってのはよくわかる…スゲーよくわかる。欲しいものが手に入るのは気持ち良いからな…

てな訳で買っちゃいました。シドニーマクロフリン着用(という売り文句の)フューエルセルプロペルv4!

私は結構色々シューズを買っているのですが、長らく見てくださっている物好きな方なら察すると思いますが私はトレーニング系モデルが好きです。

※唯一無二過ぎてGoogle検索上位になる。

靴のレビューは所謂ランナー・ロングディスタンスを専門にする方が多く、体重が重く用途もダッシュやジャンプと異なる使い方が求められるスプリンターは結局履いて使ってみないとわからんな…と。

ダッシュやジャンプに耐えうる、という視点で見るとレーシングモデルよりはトレーニングモデル、デイリートレーナーと言ったカテゴリーが該当するため新作には目を光らせています。

そんな中、発売されたフューエルセルプロペルv4。写真を見るだけで惹きつけられるものがあり実際に試着した結果、購入に至りました、

良いものは紹介したい。善意の押し付けをしてまいります。

スプリント目的の使用で欲しいもの

スプリントとランニングで最も異なる動作である『前傾姿勢での急加速』。つまりココが気持ち良く走れるかどうかがスプリンターの靴選びに関わってきます。

よくスパイク選びで硬い柔らかいが議題になる事がありますが、硬すぎると底面が変形してくれず力を加えにくくなります。硬ければオールOKではない理由の一つですね。

そして厚底は形状として分厚いがゆえに硬いです。素材が柔らかくとも厚くなれば曲がりにくくなります。その上でランニングでは爪先部が変形しない方が好まれるわけですから尚のことプレートが入ったりと硬くなります。

その辺りが靴選びの難しさになってると思います。ではフューエルセルプロペルv4ではどうか?

高反発材とTPUプレート

個人的には少し前のモデルですがDSトレーナー24.25がとても好きでした。長めの樹脂プレートが埋め込まれていて、靴の中に骨が通ってる感じがするんですよね。

かといって昨今流行りのカーボンプレートだとクッション材が厚いこと自体の硬さと相まって『硬すぎ…』となりがちでした。

様々なメーカーがトレーニングモデルにカーボンプレートなし・混合プレートなど落とし所を探っていましたが遂に気持ち良いとこに収まったものが出たな!と感じます。

高反発材だけのモデル、ニューバランスならレベルv3というモデルがあります。これはこれで何でも対応できる幅広さと軽快な走り心地を感じられる良いモデルで気に入っていたのですが、マイナス面として『柔らかすぎる』事がありました。

※良い靴…痒いところが少しだけあるだけ…

ここにプレート入ってればな…と思ったところに出てきたのがプロペルv4でした。

※前足部から踵まで伸びるTPUプレート
※立体的な構造にもなっていて安定性も高い

このプレートが昨今の『転がり』を促す誘導性に使われるのではなく、反発材の柔らかさを制御する『安定性』として寄与してるように感じますが、この塩梅がとても心地良いです。

自分のリズムで動きながらも、着地衝撃は抑えられて尚且つ地面を離れる時には反発を感じられる。

そして厚底の練習用とも打ち出しているだけあって、ココに乗れ!というメッセージ性も履いていると感じます。同時にそこに乗らないからといって使いにくさは感じません。でもやはり、乗った方が気持ち良さを感じます。

※どこに荷重しても違和感なく使えるが、スイートスポットのようなものはある

私は現在スプリントスパイク、厚底レーシングでニューバランスを使用していますが『ここに乗れ!』というポイントが共通して感じられるのも気に入っている点です。

前述した前傾姿勢でのダッシュ時にも適度に変形しつつもプレートの剛性で程良く止まり、その止まった時間で反発材にエネルギーが溜まって地離れと共に返ってくる。自分のリズムに反発材がアシストしてくれる心地良さがTPUプレートの恩恵に思えます。

高反発材を使いながらも、この安定感があるからこそスプリントドリルやジャンプトレーニングなど幅広い局面で使いやすいミッドソールになっています。

一長一短のアッパー

最近履いてきた中で最高のアッパーだと感じているのは記事の冒頭にもあったペガサス39フライイーズです。

左右のブレへの強さ、上下の抑え、踵の掴み…ランニングだけなら過剰にも思える構造がスプリントをする上では『これなら大丈夫』という安心感に繋がります。

その点で見ると生地が厚目になっていることは左右のブレへの強さ、今どき珍しい分厚いシュータンは靴の中のフィット感と上下の抑えに貢献しています。とはいえ若干丁寧に履かないとキマらないのが旧世代の作りを感じさせますね…

踵の掴みに関しては強くはありません。しかしシュータンの効果もあって抜けない、という不思議な感覚。

※ぶ厚いシュータンと広い履き口

踵周りは前述したレベルv3と比べると広く・浅くといったチューニングに感じます。レベルv3はシュータンが薄い作りだったので、履き心地のバランスを取っているのかもしれませんね。

※履き口周りのパットは厚い。踵周りは薄い。トレンド?

とはいえデイリートレーナーでガチっとホールドすると楽に履けない、という声もありそうなので仕方ないところなのか…

踵の掴みは不満点ではありますが、走る時には抜けてないからセーフ。そんな印象です。

フロムジャパン

開発ストーリーにもありますが、プロペルv4は日本発信で作成されたモデルだそうです。

日本発信の名作といえばズームスピードライバル6。圧倒的なコストパフォーマンス(ものが良いのに安すぎる)で部活動に打ち込む学生の足元にナイキを広めた功労者?ではないでしょうか。私も4足は買いました。

※売れすぎて海外に主導権持っていかれてペガサスの偽物になったとかならないとか…

基本的にランニングシューズは『ランニング』向けのシューズなのでダッシュやトレーニングで使うとなると噛み合わないのは当然の話です。そんなに速く強く動く事を想定していない…厚底レーシングになってからそれは顕著に感じます。

そんな中で遂に厚底レーシングの構造をマルチに使えるようにチューニングしたものができたな!と思います。地面をグリップするエリアもニューバランスの中では明らかに広く作られていて、尚且つ凹凸も入り使いやすさに拍車をかけています。

いろんな動作を不安なく遂行して、そこに反発材の恩恵(クッションと反発)を感じられる。

新しいシューズのカテゴリーが生まれたように感じるので是非皆さんも試してもらえればと思います。何より記事内にもある通り、コストカットに成功し価格も安めなので…

良い靴が売れると次も良いものが買えると信じて他人に薦めています。興味のある人はぜひ試着してみて下さい!

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