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バケモノの兄が、もうすぐ結婚するらしい
「私の兄はバケモノだから」
兄のことを紹介するときに、昔よく使っていた言葉。
バケモノというのは、まあ簡単に言っちゃえば、すごく頭がいいということ。
努力でなんとか学力をキープしていた私と違って、最低限度の勉強だけで学年トップの成績をとっていた兄。大学受験の時も、もちろん勉強はしていたものの、そこまで必死感とかはないまま有名大学に合格した。
そんな兄は、大学で学問に目覚める。今まで努力をしていなかったバケモノが努力を覚えた結果、大学でもいい成績をとり続け、そのまま院に進むことに。そこからさらに、今はアメリカの大学に、国からお金をもらいながら通っている(この辺、私は制度をよく分かっていないのだけれど、大学に通いながらも収入がある状態なのは確か)
4つ年が離れていることと、性別の違いがあるからか、小さい頃から兄にを妬むこともなく、むしろどこかずっと誇らしい気持ちだったなと思う。
兄は、渡米するタイミングで彼女ができた。大学のゼミの後輩だという彼女は中国人で、中国語と英語と日本語も話せるから、これまた多分とても優秀な女性。兄と彼女が話していると、時々英語で会話していたりするから、「なんかすごいな…世界が違う…」って気持ちになる。
結局、彼女は日本で就職をしたため、兄と彼女は、アメリカと日本の遠距離恋愛をかれこれ5年?ほど続けていた。
夏休みなどで帰省してくると、兄はずっと彼女の家で過ごしていたので、そのタイミングで彼女を踏まえて家族で食事に行くことも多く。素直で朗らかで、明るくニコニコしてる彼女のことが、私もとても好きだった。
コロナの影響で3月から日本に一時帰国していた兄も、いろいろな理由からもうすぐアメリカに戻ることに。そして、そのタイミングで、やっと、彼女と籍を入れることが決まったらしい。
今日はその報告も兼ねて兄と彼女が実家に来ていた。父と母が、婚姻届の証人欄に記入をし、捺印。その様子を見ていると、本当に結婚するのだなあ…とちょっと実感がわいてきた。
お金の問題やコロナの問題もあって、結婚式や新婚旅行ができるようになるのはまだまだ先になりそうとのこと。日本とアメリカの遠距離も、まだまだ続くみたい。
あれ、籍を入れたら、私は彼女のことを「お姉さん」って呼べばいいのかな?今頃気がついたんだけど、どうなんだろう。そうなったらそれはすごく、感慨深いなあ。
まあ、呼び方はともかく。
小さい頃から、私をからかったり、いじったりしてばかりで、でも本当はたくさん心配もしてくれてて、それを私に直接は言わず、いつも母に伝えていたような、わかりづらい優しさを持っている兄で、自分の意見を絶対曲げない頑固なところがすごくあるから、たくさん大変なところもあると思うけど、あんな兄を選んでくれてありがとう。
お兄ちゃん、結婚式、いつかちゃんとできるといいね。今日はちゃんとおめでとうって言えなかったから、今度また籍を入れた報告にきてくれたときに、改めてちゃんと伝えるね。