音楽の力②〜東京ゲゲゲイ『HEART』によせて
昨日、A Page Of Punk の勉さん がtwitterでシェアしていた曲
『HEART』。
機嫌が悪そうな人に会ったあとだったので
愉しい音楽を聴いてもつまらないこと間違いなしのなか
こういう音楽は本当に上がります。
あ、今、強い気持ちになった、
と感じて何回も聴いてしまいます。
ボートレースのCMソングで
「ハートを燃やす強い気持ち」という
キャッチコピーとリンクしている歌詞は
ほんとうに ‘強い気持ち’ が込められていると思います。
クールであるところも好きです。
つめたくドライに研ぎ澄まされた映像の中だからこそ
歌詞の無骨さや野蛮さに「熱」を感じる気がします。
ボーカルMIKEYさんのハスキーボイスは
声だけ聞いても男か女かもわかりません。
これはもう、このアーティストにしか
表せない曲だ、と思います。
MIKEYさんの声なしでは、決して成立しないもの。
甘い女性ボーカルも筋肉質で、一筋縄ではいかない。
縄とか鞭みたいな感じ。
それにしても、茫然とする歌詞です。
おどろおどろしくてびっくりします。
切なくて、旋律はどこまでもクールで重たいし。
・
今、強い気持ちになった、と感じたのはそのとき、
(それまで音楽にそこまで反応しなかったのに)
なんとなく淋しかったからだと思います。
静かに怒っているような人を見て
自分の至らなさを責められてるみたいで
脳は状況が理解できず、そわそわして
大げさでなく、途方にくれるような時間を過ごしたのを
引きずっていたからです。
びっくりしました。
だってその人はふだん、とても優しい人だったから。
怒りは人間の感情の中でもっとも強烈な感情だから
恐ろしかったです。
なんだか、釈然としない気持ちにもなりました。
昔、切るような哀しみと
怒りの気持ちが湧いたときのことを思い出しました。
その人に、とても辛いことがあったのだろうな、
という想像はできました。
たとえば、人生でもっとも大事にしているものを
うばわれるくらいの。
実際、あったとも聞きました。
いつも通りの日常があるなか
大変なことが起こっている状況のひとがいるのに
自分は何もしていない、みたいな
申し訳ないような気持ちになって
恐ろしかったです。
でも、この『HEART』を聴くと
なんだか、とても強い気持ちになれたんです。
のような、歌詞が勇ましい部分ばかりじゃなく
最初からどういう訳か強い気持ちになってしまう。
時間をかけて築き上げた圧倒的スキルがあるから
自信にみちているのだと思います。
「かっこよろしい」
本当にそう思いました。
神々しい気持ちにさえなるような
無敵なかっこよさ。
昔、一緒にライブハウスや
ゴシック&ロリータのイベントに行ってた
友人夫婦も好きだろうな、と思います。
豪華絢爛な衣装も
フェティッシュなテイストの世界観も
哲学的な比喩の歌詞も
キレの良いダンスも。
隣にいたら「どう?」と訊いてみたいです。
ゴシックな黒(と白)の衣装に包まれて
誇り高い気持ちになる、あの気持ち。
『HEART』は、それを思い出します。
普通なら奇抜に見えるメイクも
装飾がすぎる衣装も
一切無駄がないように思えるから
不思議です。
また弱い気持ちになったら
この『HEART』を聴いて
強い気持ちになりたいと思います。
この一週間足らずで
自分がちょっと大人になったことも
それを私がすこし淋しく思っていることも
全然気にしないでこの先
日々は過ぎていくのだろうな。
だって、生きてかなくちゃいけないし。
メイキング映像。
ようやくあたたかい体温が伝わって
なんだか笑ってしまいます。
音楽はいいな、と思う瞬間が増えるのは良いけれど
こうやって、私はまたつい強くなってしまいそうです。
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